中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

労働法は、実態が優先

2014年09月08日 | 情報
パワハラ→うつ病発症→自殺、典型的な労災認定事案です。
争うまでもない事案と考えますが、経営者はなぜ、法廷に持ち込んだのか疑問です。
このような事案は、和解で解決するようにすべきでしょう。
それから、「名ばかり専務」という言葉に、引っ掛かりを覚えませんでしたか?
「名ばかり管理職」ということばは、みなさんご存知でしょう。それとまったく同一の意味なのです。労働法では、実態を重視します。
例え、専務でも労働実態が一般の労働者と同じ業務をしているのであれば、「労働者性」が認められますので、労基法の適用もあるのです。
どのような肩書を与えようと、例え「社長」であろうと、「実態」が最優先されるのです。

「名ばかり専務」で過労、自殺男性に労災認定 社長がパワハラ
2014/9/5 日経

 神奈川県大和市の物流業「アズマインターナショナル」の元専務で、2011年6月に自殺した男性(当時54)について、
厚木労働基準監督署が、パワハラや過労によるうつ病が原因として労災認定したことが5日、分かった。
遺族側代理人の川合きり恵弁護士が明らかにした。認定は8月28日付。
 川合弁護士によると、男性は09年に専務になったが、実態は社長の指示に従って事務作業を行うなど「名ばかり専務」だった。
11年5月に部下の不正経理問題があり、社長からメールで「ばか」「アホ」とののしられたほか、
同年6月になって自殺を図ったことを社長に伝えた際には、包丁を突きつけられ「死ね」などと言われたという。
男性はその3日後に自殺。会社駐車場に止めた車内で死亡しているのが見つかった。
 一方、男性の手帳からは、自殺前の半年間に、月100時間を超える残業が3回あったことが判明。
月2回ほどは会社駐車場の車の中で未明に仮眠を取る状況が続いていた。
 厚木労基署は、11年5月下旬にうつ病を発症したと認定。
川合弁護士は「専務の肩書があっても、社長の指揮で事務作業する労働者と認められた」としている。
 昨年4月に労災申請した妻は弁護士を通じ「上司のパワハラによって亡くなる方が二度と出ないよう広く訴えかけたい」とのコメントを出した。
 春日社長は取材に「パワハラや長時間労働があったとは考えておらず、労災認定は非常に残念。『死ね』と包丁を突きつけたのではなく、
『死ぬなら先に私を殺せ』と包丁を机に置いただけだ」と説明した。〔共同〕

男性会社員の自殺、パワハラなど原因と労災認定
読売新聞2014年9月5日

相模原市中央区の男性会社員(当時54歳)が自殺したのは勤務先の社長のパワハラなどが原因だったとして、
厚木労働基準監督署が労災認定したことが分かった。
認定は8月28日付。
5日に記者会見した遺族の代理人弁護士らによると、男性は、社長から恒常的に長時間労働をさせられたり、
罵倒されたりしていたほか、2011年5月以降は、部下の不正経理発覚を巡って繰り返し責められた。
男性はうつ病になり、同年6月に自殺したと認定された。
遺族は13年4月に労災認定を申請していた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする