中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

ストレスチェック制度解釈⑦

2014年09月26日 | 情報
現在、「ストレスチェック制度は」、来年の平成27年12月施行に向けて、政省令や指針の検討段階にあります。
その中で、最も難しいと考えられる、そして最も注目されている、ストレスチェック項目をどう決めるのか、
どのような項目を取り上げるのか、について、4回にわたって、「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」にて審議されてきました。
筆者は、そのうち3回の検討会を傍聴して参りましたが、検討結果をどのようにまとめるのか、
素人目には、まさに「目がくらくら」するような様相を呈しています。これは飽くまでも筆者の印象ですが。

ここまでは、厚労省の資料や、専門家の論評においては、以下の9項目について4段階の評価方式により、
ストレスの強弱度をチェックすることになっていました。
これは、これまでの多くのセミナーや出版物で紹介されてきましたので、ご存知の方も多いと思います。

すなわち、労働者のストレスに関する症状・不調を適切かつ簡便に確認するための標準的な項目として、 以下の9問が例示されています。
1.ひどく疲れた
2.へとへとだ
3.だるい
4.気がはりつめている
5.不安だ
6.落ち着かない
7.ゆううつだ
8.何をするのも面倒だ
9.気分が晴れない

ところが、検討会では、上記9項目から、チェック項目を大幅に増やすことを検討しています。
なぜか、厚労省では二次予防に重点を置いていたのですが、法案の審議過程で、一時予防に重点を置くべきとの
附帯決議が決定されたからなのです。
一次予防に対応するために、以下の23項目に質問項目の候補が拡大したのです。
詳細は省きますが、筆者が、一番懸念することは、メンタルヘルス対策を殆ど実施していない、
50人超から300人規模の、中小の事業者が大きな負担を抱えずに、制度の導入を受け入れる態勢ができるのか、ということです。
しかし、審議の経過を見ていると、中小の事業者の都合などは、配慮されていないような印象を受けますので、心配です。

仕事のストレス要因 (6項目)                    
非常にたくさんの仕事をしなければならない
時間内に仕事が処理しきれない
一生懸命働かなければならない
自分のペースで仕事ができる
自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる

心身のストレス反応(9項目+2項目)
ひどく疲れた
へとへとだ
だるい
気がはりつめている
不安だ
落着かない
ゆううつだ
何をするのも面倒だ
気分が晴れない
食欲がない
よく眠れない

周囲のサポート(6項目)
次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?
1.上司
2.職場の同僚
あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?
4.上司
5. 職場の同僚
あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?
7.上司
8. 職場の同僚
計23項目

なお、これ以上の情報を希望の場合は、先日ご案内したみどり研究所のセミナーにご参加いただくか、
セミナー・勉強会・研究会等において詳細を説明しますので、講師としてご依頼いただくようお願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする