中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

うつ病の発症メカニズム解明?

2013年01月23日 | 情報
1月18日のNHKニュースで、うつ病の発症メカニズム解明、と報道されました。以下その内容です。

成長期のマウスにストレスを与えると、脳の活動を調節する遺伝子の働きが低下し、認知力の低下などにつながるとする、
うつ病発症のメカニズムを名古屋市の大学などの研究グループが発表し、新たな治療薬の開発に役立つとしています。
研究を行ったのは、名古屋市にある名城大学の鍋島俊隆特任教授と名古屋大学などからなる研究グループです。
研究グループでは、うつ病などを発症しやすくしたマウスを、集団と一匹ずつ隔離した場合に分けて、
それぞれヒトの思春期に当たる時期から3週間にわたって飼育しました。
そうしたところ、集団飼育したマウスには異常は見られなかったものの、隔離したマウスには、▽認知力が低下する、
▽動きに活発さがなくなるなど、うつ病や統合失調症の症状が見られ、
脳を刺激する「ドーパミン」という物質を作る遺伝子の働きが大幅に低下していたということです。
こうした症状は、集団飼育に戻しても治らなかった一方で、飼育の前に、
あらかじめストレスで分泌されるホルモンの働きを抑えておくと現れなかったということです。
こうしたことから研究グループは、ストレスによって脳の活動を調節する遺伝子の働きが低下してうつ病などが発症するという
メカニズムが初めて分かったとしています。
鍋島特任教授は、「発症の仕組みが分かり、新たな治療薬の開発に役立つ」と話しています。

一方、日経新聞では、「思春期のストレスがうつ病の一因に 名城大、マウスで解明」と報道されました。

 名城大学の鍋島俊隆特任教授らは、思春期に受けたストレスが成熟後の精神疾患につながる仕組みの一端をマウスを使った実験で解明した。精神疾患の遺伝要因を持つマウスを成長期に隔離してストレスを与えながら育てたところ、
意思決定や注意力に関係する脳の神経回路に異常が起きた。
 名古屋大学や京都大学などとの共同研究成果。18日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
 うつ病などの精神疾患は成長・発達期の心理的ストレスなども原因とされるが、発症する詳しい仕組みは不明だった。
 研究チームは精神疾患の発症に関係するとされる遺伝子を持つマウスを人為的に作製。
人間の思春期にあたる生後5~8週に集団から隔離して飼育した。音に過敏に反応したり、意欲が低下したりするなどの症状が表れた。
集団で飼育した場合はマウスの行動に異常はなかった。
 発症したマウスは血液中のストレスホルモンの量が増えていた。注意力や意思決定に関係する神経回路で、
神経伝達物質のドーパミンが減り、働きが鈍っていることがわかった。一方、幻覚や妄想にかかわるとされる脳の部分では、
刺激を受けるとドーパミンが増えた。

ドーパミン
 脳の快楽物質として知られ、注意力、学習など様々な認識・運動機能に関わる。
欲しい物を手に入れてドーパミンが放出されると気分が高揚したり、集中力が高まったりする。
報酬や予期せぬ利益により強く反応する傾向がある。
1959年に大阪大学の佐野勇教授らが大脳基底核にドーパミンが多く集まっていることを発見し、神経伝達物質として認識された。
 パーキンソン病や統合失調症といった病気はドーパミンの異常が原因とされる。
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