中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

現代の若者を理解しよう

2013年01月15日 | 情報
一方で、現代の若者は他罰的であると云われています。いわゆる若年性うつ症状を呈する人には、
そのような傾向が顕著のように聞いています。
仕事ができないのは、教え方が悪いのだというように。教えないのが悪いのか、学ばないのが悪いのか。

現代の若者のこうした考え方は、現象として紹介されてはいますが、これを理解する意見はまったくと言ってよいほどありません。
ですので、ここでは理解できる考えもあることを申し上げます。
現代の若者は、この世に生を受けてからまったく人格形成のための教育を受けるチャンスがなかったのではないかと考えています。
物質的に恵まれた時代に生まれてきましたし、少子化で町内・公園にはガキ大将もいません。
遊びはファミコンでしたし、両親は共稼ぎ、学校はゆとり教育、これでは人間的に成長する、
成長できる環境に恵まれなかった、ある意味では不幸な世代なのでしょう。
自ら学ぶような資質も乏しいでしょうから、結果としてどうしても、繰り返しますが「他罰的」傾向になることもあるでしょう。

比較するのには無理もありますが、敢えて申し上げれば、先の大戦で焼け野原に放り出された、昭和ひとけた世代の、
当時の若者はどうしたらよかったのでしょうか。他罰的な言動・行動をしても世の中から見捨てられたのがオチでしょう。
どうしたら生きていくことができるか、必死にもがいていた時代です。
それに比べれば、現代の若者は幸せです、恵まれています。ですから他罰的な言動しても理解されないでしょう。

企業・組織の人事・教育担当は、現代の若者が成長してきた背景を理解しておくことが重要でしょう。
参考に、一例として民間の調査データを紹介します。
なお、NHKニュースは一面を紹介しているのみですので、調査結果の原文に当たってください。

新成人 約6割“進路に不安”
1月14日 NHKニュース
14日は成人の日です。
新成人の6割近くが「今後の進路に不安」を感じていて、4人に1人が「望む会社でなくても正規の仕事なら妥協する」と
考えていることが、民間の情報サービス会社の調査で分かりました。
この調査は結婚情報サービス会社の「オーネット」がインターネットを通じて行い、全国の新成人800人が回答しました。
それによりますと、新成人の56.6%が「今後の進路に不安を感じている」と答えていました。
また、将来の自分の生活が親の世代と比べてどうなると思うかについては、
「悪くなる」が47.6%、「変わらない」が33.9%、「よくなる」は18.5%にとどまりました。
仕事に対する考えでは、「会社で出世したい」という答えが25.5%で、前の年より8.1ポイントも減少し、
「就職する会社は規模が大きいほうがいい」も4.2ポイント減って15.1%でした。
そして、24%、4人に1人が「望む会社でなくても正規の仕事なら妥協する」と答え、
厳しい雇用情勢を反映して「就職することを重視し、高望みをしない」傾向がうかがえます。
若者の動向に詳しい中央大学の山田昌弘教授は、「若者はこの数年の間に『不安』慣れしており、上昇志向もなくなってきている。
これはやる気がないからではなく、上の世代を冷静に見て、
安定した暮らしを送るためには高望みせずに立ち回ったほうがうまくいくと思っているからではないか」と話しています。

http://onet.rakuten.co.jp/company/activity/report/research/vol61.html
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