緊急事態宣言が全国を対象に出されたのが16日の夕方だったでしょうか・・。 お誘いをうけていたパヨカカムイ(旅する病気のカミサマ)のアイヌの御祓いの儀式エピルも中止になるかなと思いましたが、弟子屈町からも中止要請はなく催行することのようなので、17日朝から一日かけて屈斜路湖へ移動することにしました。 弟子屈町にもリスペクトです。
高速道路を使えば黒松内IC-足寄ICまで一気に移動できるようになったのですが、距離もあり高速代も高いので下道移動を決めました。 せっかくなので、ひさびさに日勝峠を越えてみようと決断。 日勝峠は、大学を出て初就職をしたのが、農業機械の輸入商社だったものですから、大農業地の十勝への出張はしょっちゅうで、この峠をよく超えたものでした。まだ砂利道だった時代を知っているんだから、私も古くなったものだ・・・。 カーブをジャジャジャアと横滑りしながら降りたものだ・・。 十勝へはサホロ周りで高速道路が何年か前に開通しているのですが、通行料が高いためなのでしょう、物流の大型トラックは国道を通過しています。このご時世ですから乗用車はほとんど通っていません。トラックばかりが列をなすように通行していました。 改めてこの峠は物流の大動脈なんだと知りました。ちなみに 日勝(にっしょう)峠とは、日高と十勝の間の峠です。 北海道の峠名はこのように峠の両側地域の名称をそれぞれ一字ずつ取ったものが多いです。狩勝峠(石狩と十勝)、石北峠(石狩と北見)など。
会場は当所は弟子屈町役場前でした。 緊急事態宣言も出たのに会場を了解した役場に拍手です。 が、非公開型といえども街中で開催しては人が集まってしまうだろうということで、主催側のアト°イさんから直前に場所変更を申し出たのでした。 移動した会場は屈斜路湖の和琴半島近くの「鎮魂の森」。ここは彼の自所であり、毎年秋に、これも非公開型で「絶滅種鎮魂祭」を開催してきたそうで、大きな階段状の観客席と野外ステージを自作していました。 この鎮魂祭も保存会の方々が中心の非公開型だそうで・・、では観客席はなぜあるのか・・、ここには絶滅した生き物達の名前が席に書かれてあり、大多数が空席だとのこと・・・。 しかし、この秋開催は初公開したいと話していました。しかし、祭りを観に来るのではダメです。鎮魂の気持ちがある人だけとのことですが・・・。
こんかいの儀式は大地の上で執り行うことになりました。 アイヌ語での祝詞があげられたあとに、パヨカカムイ祓いの歌と踊りが一回7分x3回おこなわれました。 この「旅する病気のカミサマ=パヨカカムイ祓い」の義は、1918-1920のスペイン風邪流行の時(全世界で当時の人口の1/4 5億人が感染し、日本では40万人近くが死亡したと言われている)も祭事を行おうとしたが、日本政府はアイヌ同化政策の真っ最中でアイヌ風習どころか、アイヌ語すら話すことを禁止されていて、できなかったそうです。 ですからその前に行われた時がいつのことなのか正確な記録もありませんから、今回は100年ぶりな出来事なのです。 アイヌでありアイヌ研究家の故萱野茂さんや山本多助さんは、アト°イさんの師匠でもあり彼らから聞いたこと、また祖母から伝えられたことを元に今回は主宰されました。
唄は、アイヌ語に一部日本語も入れたもので、踊り手は、霊力の強いササ、アイヌ紋様が刺繍された布、刀、砥石、「ヤナギの棒,ミズキ(だったかな?)の枝で御祓いしながら自由に踊ります。 私は刀より霊力が強い砥石役でした。 ホントは柳の棒を打ち鳴らしながら動く役をやりたかったのですが、前夜のリハーサルでうまくなかったんでしょう、下ろされた。。。。
パヨカカムイと敵対するのはありません。「お静まりください、人間に悪さをしないで、天にお戻りください」と祈る精神です。 私もコロナウィルスも地球上に存在する(あえていうなら生存)権利を持っていて、これまで人と何事もなく共存していた(人工的という考えもありますが・・・)わけで、なにかが原因でそのタガが外れて人に悪さをしていると考えていました。(実際に中国の子どもたちにそういうメッセージビデオを送った)
アト°イは、言います。 コロナウィルスは、人類に気付いて欲しいメッセージを持ってきているのだと・・、そのメッセージを聴く儀式がエピルでもあるのだと・・。
パヨカカムイと向かい合う第一ステージは、カムイノミで御祓いをする。それでもダメなら 今回の第二ステージといえる、エピル儀式。それでもダメな場合の最終ステージは。アイヌはコタン(村)を捨てて移動したのだと言う。そして、数ヶ月立って、大雨が降ったあとに、再び元のコタンに戻ると 昔の長老達から話を聞いたそうだ。
現代社会は、昔に比べて緻密過密にヒトは世界のあちらこちらに蔓延ってしまった。自分の住む場所を捨てて、コミュニティ(地域も仕事も)集団では移動することはできない・・。 なんとしても、この第二ステージで蔓延を押さえ込む必要があるだろう・・。
今回の蔓延は世界中どこでも大都市から始まっています。人が過密しすぎている現代社会が問題なのだと思います。今や第三ステージのようにコタンを捨てて都市自体が移動することはできません。 しかし、アタシは思うのです。
パヨカカムイが私たちに伝えたいことは、もっと循環型の小集団を大切にしなさいということなんだと思うのです。大都市の小分化こそが必要だと。 幸いにして人類はインターネットという便利な手段を手に入れました。これは何も人が集中して都市を作らなくても仕事ができるようになってきたということです。 しかし、5Gなどまで使わんでもいいでしょう・・。5G自体が人が作り出すパヨカの元になっちまう、循環型生命体の地球にはいらんと思うのですなあ。
今回の祭事のようすは道東テレビのfacebookに動画アップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=lrNBSpUNCG8&t=3s
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