高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

カオスを受け入れる力

2013-08-24 05:22:19 | コラム風味

長期村を終了して、昨日は長い時間をかけてスタッフ振り返りをした。

今年は、4年目のふったをチーフディレクターに、2年目のふみぞう、新人のまやPとさまりがコアメンバーであり女性陣であった。このこと自体が初めての試みだった。4週間に渡るロングプログラム、それもここ1、2年はプログラム構成を徐々に変え、今年は大幅に新しいパターンの中で実施した。

外部からのチーフ(プログラム)ディレクター導入をより明確にし、長期村期間中であっても他団体や個人との協働も試み、一般キャンパーも受け入れた。全日程を共にする子どもと一緒に過ごすボランティア・実習生は7人の外国人学生だけであった。特に前半はコアスタッフと外国勢によって運営された。

それだけに、細かなふりかえりも多くなり課題もあがった。

子ども間で起こっていたできごと、子どもとスタッフ間、そして、スタッフ間で起こった「関わり方」に関するできごともいろいろとあがった。中には、そんなことが起こっていたの?ということもあり、私自身がもっと介入をすべきだったとも反省もある。

しかし、これまでもその時々のチーフディレクターにある立場の人間がコアスタッフが創り出す「ムラ感」も大切にしてきたつもりだ。まして、Takagy World を作る時代ではもはやない。

長期村というボランティアが入ってくる期間も入れて前後4~5週間ある、このロングプログラムを実施する意義は明白にある。 それは、子ども達にとっては、いつもと違う場所でいつもと違う人々と毎日を過ごす中で起こる喜怒哀楽の体感の場であり、共同、協同、協働の生身の体験である。それは、これから子育てをしてゆく、未来を担う大人になる若いスタッフ達にも共通する体験の場でもある。

多くの人々が「関わる」という中で関わる中で、チーフディレクターとコアスタッフが自ら主体的に運営を考え、自主自立的に運営をしてゆく「場」を創り出している。 だから、運営方法をいくつも変えた新しい試みをした2013年の夏の長期村は、総括的には、「結果良ければ、すべて良し」との思いが、プロデューサーの立場にある私としてはあり、彼女らは本当に良くやったと評価している。 その割には自己評価が低いとも感じた。

とは言え、3週間連続した参加者メンバーとスタッフにより最終を「チャレンジ」として位置づけて、子どもたちの主体性をできるだけ出させてチームビルディングを目指せた3週間プログラムに比べて細切れ感は、実施している側では感じたことも事実であろう。しかし、それは過去の3週間プログラムを経験していたスタッフ、あるいは子どもの頃に参加したボランティアスタッフだからこそ言える感想である。

3週間プログラムに運営ができるだけの参加者が集まれば、それは3週間、同じ子どもとスタッフでプログラムを進行したい。が・・、4年ほど前から集まりにくくなり、3泊4日や一週間の単位での募集のしないと夏長期自体が成立できにくくなったという経営上の問題がある。 痛しかゆしである。

昨日、台湾新竹教育大学の実習生のサーヤとティナが帰路につき、自然学校のメンバーはいつものメンバーだけに戻った。 そんな日常、静かで、「今年の夏の長期村も終わったなあ」と、ほっとする時間に戻り、浮かんできた言葉は・・、

「カオス」を受け入れる力」だった。

マクロ的に時代を見渡せば・・・、時代はかなり混迷、迷走する時に入った。今も重大緊急事故事態である福島第一原発の危険、ごく一部の為政者・大企業が決めてしまう方向性が見えないエネルギーと産業構造問題、TPPというグローバリズムな資本主義社会の最終とも言える段階社会、どうみても格差が広がる社会・・・・ それこそが秩序なき社会への突入だと私は思う。 つまり、すべての矛盾を抱えたままのカオス社会である。 しかし、カオスはいつまでもカオスのままではない。時間がかかっても再び「秩序」を生み出してゆく。それが、生命・自然の摂理だ。

そう考えて、ミクロ的に自然学校の足元を見れば、同様に「カオス」に突入しかかっている。いや、突入しているのかもしれない。

 いろいろな人のさまざまな思いが自然学校という坩堝(るつぼ)に溜まって来ている。

その思い多くあるだけにカオス化している・・・。 るつぼはこのままでいいのか、よければどのように火加減を調整するのか、調合するためには新たな思いが必要なのか、どの程度の速さで攪拌すれば、思いはうまく混じり合い調合できる(秩序がうまれる)のか・・・。

そんなことを、季節が変わったと感じる朝に・・・、ぼやっと考えている。

 

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