高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

大理自然療育センター

2015-03-22 15:25:58 | 日記

2015年3月19日。中国の南の地方都市、大理の中心地から車で2時間近くかかる、阿海(アーハイ)を見下ろす高台にある自然学校、大理自然療育センターを視察した。 これは、「眼から鱗」いうような体験とまた違った、眼の前の現実がうまく捉えられない、理解できないというような体験だった。 こう書くと、大げさのように聞こえるが、もし、あたしが20代で訪れたら、人生を変えるに相当する大きな刺激をうける体験となったことに間違いがないだろう。還暦を迎えればいろいろと世の中を知ってきているので驚きや感激も薄まってきちゃうのだが・・・、今回ばかりは、いったい目の前の事象は何だ? 何を観てきたのか、今でも上手に整理説明できないのが率直な気持ちです。

ひとつめの想像を超えたこと・・・

そこは、昨年もお会いした、陳さんが経営しているまさしく天上と言えるような風景の中に建っている自然学校でした。シルクロードの大中継地点でもあった地方都市・大理は、中国の人々にとっても異国と言えるような観光地でもあります。アーハイ(阿海?)という大きな湖を中心とした観光リゾート地でもあり、大きなホテル物件やコンドミニアムなども林立、建設中の場所も周辺にあります。その中心地から車で2時間近く行った山中に、その施設はありました。 自然学校といえども、どうしてこんな不便な場所に立地させたのか?? しかし、それは陳さんのスピリッチュアル・精神性を知れば必然的であったと、多少私も納得できますが、彼のような霊性は高くない凡人のアタシにはとてもできない。ひとつ先の中間山間地集落へは馬やロバで生活物資を運んでいるような山間地です。 ここへ自然学校の中核施設建設の資材を持ち上げ、1年あまりで建設してしまったこと。どのような人々がどのように作業に関わって拠点が造られたのか想像ができなかった・・・。

ふたつめの想像を超えたこと

中国5000年の歴史で、シルクロードの大中継地点でもあったので、長い生活の歴史から山間地の森林は見渡す限りの面積が無残な状態になっています。風光明媚なアーハイの環境汚染も進んでいることでしょう。それは容易に想像ができるが、この自然学校の一大使命は、この広大な森林破壊地域の植林です。山の彼方まで植林目標にはしたいでしょうが、そこまではさすが理想でしかありませんが、現実的には東京ドーム40個分位の面積を当面目標としています。(ここで東京ドームが比較されるとは思わなかったが・・・) 植林作業のたいへんさは想像できるが、その果てしない作業を継続してゆく力、力の結集の方法が想像できなかった・・・。

いったい資金と人力はどこから集まるのか・・・。 なんでも今年は、アメリカの財団の資金援助もあるそうだ。

3つめの想像を超えたこと

ここで暮らしているボランティアスタッフが複数いること。そして、学童年齢期の子どもの山村留学をしていること。 送電された電気はありません。(小さなソーラ発電装置はありました)上下水道はありません。 山村留学はカリキュラムは特にありません。日々の生活から学びますが、読み書きはスタッフが教えるフリースクールです。 現在、都市から3人?程滞在中でした。 この地はかなり特異的なフリースクールですが、実は、中国にはフリースクールやオルタナティブな教育はたくさん出現しています。世界的なオルタナティブ教育のシュタイナー学校も中国の各地にあるようです。 陳さんの自然教育や来訪者へのプログラムは、構成的なことはあまり重視していません。「今、ここで起こることが全て学びである」が徹底しているようでした。わずか数時間の滞在だったのでその日々の生活が想像できなかった・・・・。

この一角の図書室に、日本の自然学校仲間と執筆した「自然学校教本」の中国語訳本が無造作に置いてありました。私の文章や日本のプログラムの写真も掲載されています。

私たちがマネージメントしている自然学校やねおすの仕組みと比較しても仕方がないことですが、我々がマネージメントしているものは、陳さんの取り組みに比して、ほんとうに自然学校なのかしらん?と自問せざるを得なかった・・・・。

今は、日本での経験を元にして、自然学校経営の教材テキストづくりをし、中国らから研修生を受け入れているが、近い将来、日本から中国へ研修生を送り出すことになるだろうなあ。

誰か立候補はいませんか?




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