![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/94/83084013fc6b811fa1e9766e267bba9a.jpg)
先日、日経の朝刊の「暮らしの知恵」と言うコラムで、
”ビジネス書、モノにするコツ 著者の職業・経歴に注目 「はじめに」で趣旨つかみ メモ作成、ブログで発信 ”と銘打つ記事が掲載された。
囲みで、
”ビジネス書を読んで日常の仕事やキャリアアップに役立てようと考える人は多いだろう。しかし最後まで読み通せなかったり、読んだものの内容を忘れたりした経験はないだろうか。ビジネス書を上手に活用するためのポイントを知っておこう。”と書かれている。
趣旨はともかく、何十年もビジネス書、と言うよりも、経営学書と言った方が適切かもしれないと思うが、ビジネスの実務と個人的な勉強を兼ねて、何百冊にもなろうか、関係本を何十年も読み続けて来た人間として、少し違和感を感じたので、全く、独善と偏見だが、感想を書いてみたい。
まず、この記事で意図しているビジネス書が、どの程度の、どのような本を指しているのか、すなわち、何を持ってビジネス書と銘打っているのかが、一番の疑問であり問題である。
私が、このブログでレビューしたり、他の記事で引用したりしているビジネス書は、専門的なものになると、欧米のMBAコース並になっているのだが、先日、このブログで記事にしたハーバード・ビジネス・レビューのベスト経営書にランキングされているビジネス書なども、かなり、水準が高い。
念のために、今読むべき、ビジネス書はコレ!と銘打った「ビジネス書大賞2015」のノミネート作品は、次の通り。前述のHBRのベスト経営書とかなりダブっている。
1 トマス・ピケティ 21世紀の資本
2 アダム・グラント GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
3 エリック・シュミット他 How Google Works 私たちの働き方とマネジメント
4 グレッグ・マキューン エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
5 稲盛和夫 京セラフィロソフィ
6 ピーター・ティール他 ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか
7 エリック・シュミット他 第五の権力 Google には見えている未来
8 三谷宏治 ビジネスモデル全史
この中で、私が読んだのは、ピケティの縮刷解説英語版とグラントのGIVE & TAKEだけで、このブログのレビューに書いているのだが、他は手元にあってまだ読んでいないか、書店で、ページを繰ったくらいであるが、日本人の著者の本は分からないが、いずれにしても、相当の経済学の知識も必要であろうし、この方面での経験と知識を重ねた人か、あるいは、MBAコース修了程度か、少なくとも経営学を少しでもかじった人でないと十分には理解できないのではないかと思っている。
普通には、実際にビジネスの経験があり、ビジネスに深く関わった日常生活をしているので、ビジネス書は読めば分かる筈だと考えがちだが、経営学も、素粒子論や宇宙物理学と言った普通の人間には縁の遠い学問と同じように、性格は違うかも知れないが、実は、同じように高度で難しい学問だと言うことを忘れてはならない。
それに、経済学同様、経営学も、政治経済社会の激動や、激しい時代の潮流の変化によって、日進月歩で、決定版などあり得ないし、たえず、挑戦し学び続けなければ追いつけないのである。
さて、日経の記事だが、次のように指南している。
”著者のプロフィル。職業や経歴などをチェックし、専門分野で実績を重ねている著者を選ぶ。インターネットで検索し、最近の活動などを確認するのもいいだろう。”
また、
”本のレベルが偏らないようにするのもポイント。「1つのテーマで入門書、名著、新刊書の最低3冊はそろえよう」。入門書は漫画やムックなどなるべく簡単に読めるものがお勧めだ。”
”発行年が古く、版を重ねていることが目安になる。「名著を読んで基礎知識を得てから最近売れているものを読むと理解しやすい」”etc.
さて、こんなことを言われて、ビジネス書が読み始められるであろうか。
著者のプロフィールを調べたくらいで良書が探し出せるのなら苦労はないし、その分野の入門書、名著、新刊書が分かるくらいなら、もう、卒業であろうし、版を重ねているのが名著なら、全く、世話がない筈。
蛇足を避けて結論だけ言うと、初歩からなら、まず、ドラッカーのマネジメントから読むこと。ドラッカーを片っ端から読めれば上出来である。
それが嫌なら、経営学概論のような総合的な入門書を手に取って、まず、経営学のイロハから入ることである。
昔、経済学を学ぶのに、まず、サミュエルソンのエコノミクスから学び始めたが、急がば回れ、この方法である。
There is no royal road to learning.(学問に王道なし)。
私は、そう思っている。
大学とアメリカのビジネス・スクールで経営学に触れて、ビジネスで悪戦苦闘しながらの人生であったが、老境に入って、やっと、少しずつ、経営学が分かりかけて来た。
それが正直なところである。
”ビジネス書、モノにするコツ 著者の職業・経歴に注目 「はじめに」で趣旨つかみ メモ作成、ブログで発信 ”と銘打つ記事が掲載された。
囲みで、
”ビジネス書を読んで日常の仕事やキャリアアップに役立てようと考える人は多いだろう。しかし最後まで読み通せなかったり、読んだものの内容を忘れたりした経験はないだろうか。ビジネス書を上手に活用するためのポイントを知っておこう。”と書かれている。
趣旨はともかく、何十年もビジネス書、と言うよりも、経営学書と言った方が適切かもしれないと思うが、ビジネスの実務と個人的な勉強を兼ねて、何百冊にもなろうか、関係本を何十年も読み続けて来た人間として、少し違和感を感じたので、全く、独善と偏見だが、感想を書いてみたい。
まず、この記事で意図しているビジネス書が、どの程度の、どのような本を指しているのか、すなわち、何を持ってビジネス書と銘打っているのかが、一番の疑問であり問題である。
私が、このブログでレビューしたり、他の記事で引用したりしているビジネス書は、専門的なものになると、欧米のMBAコース並になっているのだが、先日、このブログで記事にしたハーバード・ビジネス・レビューのベスト経営書にランキングされているビジネス書なども、かなり、水準が高い。
念のために、今読むべき、ビジネス書はコレ!と銘打った「ビジネス書大賞2015」のノミネート作品は、次の通り。前述のHBRのベスト経営書とかなりダブっている。
1 トマス・ピケティ 21世紀の資本
2 アダム・グラント GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
3 エリック・シュミット他 How Google Works 私たちの働き方とマネジメント
4 グレッグ・マキューン エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
5 稲盛和夫 京セラフィロソフィ
6 ピーター・ティール他 ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか
7 エリック・シュミット他 第五の権力 Google には見えている未来
8 三谷宏治 ビジネスモデル全史
この中で、私が読んだのは、ピケティの縮刷解説英語版とグラントのGIVE & TAKEだけで、このブログのレビューに書いているのだが、他は手元にあってまだ読んでいないか、書店で、ページを繰ったくらいであるが、日本人の著者の本は分からないが、いずれにしても、相当の経済学の知識も必要であろうし、この方面での経験と知識を重ねた人か、あるいは、MBAコース修了程度か、少なくとも経営学を少しでもかじった人でないと十分には理解できないのではないかと思っている。
普通には、実際にビジネスの経験があり、ビジネスに深く関わった日常生活をしているので、ビジネス書は読めば分かる筈だと考えがちだが、経営学も、素粒子論や宇宙物理学と言った普通の人間には縁の遠い学問と同じように、性格は違うかも知れないが、実は、同じように高度で難しい学問だと言うことを忘れてはならない。
それに、経済学同様、経営学も、政治経済社会の激動や、激しい時代の潮流の変化によって、日進月歩で、決定版などあり得ないし、たえず、挑戦し学び続けなければ追いつけないのである。
さて、日経の記事だが、次のように指南している。
”著者のプロフィル。職業や経歴などをチェックし、専門分野で実績を重ねている著者を選ぶ。インターネットで検索し、最近の活動などを確認するのもいいだろう。”
また、
”本のレベルが偏らないようにするのもポイント。「1つのテーマで入門書、名著、新刊書の最低3冊はそろえよう」。入門書は漫画やムックなどなるべく簡単に読めるものがお勧めだ。”
”発行年が古く、版を重ねていることが目安になる。「名著を読んで基礎知識を得てから最近売れているものを読むと理解しやすい」”etc.
さて、こんなことを言われて、ビジネス書が読み始められるであろうか。
著者のプロフィールを調べたくらいで良書が探し出せるのなら苦労はないし、その分野の入門書、名著、新刊書が分かるくらいなら、もう、卒業であろうし、版を重ねているのが名著なら、全く、世話がない筈。
蛇足を避けて結論だけ言うと、初歩からなら、まず、ドラッカーのマネジメントから読むこと。ドラッカーを片っ端から読めれば上出来である。
それが嫌なら、経営学概論のような総合的な入門書を手に取って、まず、経営学のイロハから入ることである。
昔、経済学を学ぶのに、まず、サミュエルソンのエコノミクスから学び始めたが、急がば回れ、この方法である。
There is no royal road to learning.(学問に王道なし)。
私は、そう思っている。
大学とアメリカのビジネス・スクールで経営学に触れて、ビジネスで悪戦苦闘しながらの人生であったが、老境に入って、やっと、少しずつ、経営学が分かりかけて来た。
それが正直なところである。