熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

京都、観光都市ランキングで世界1位に

2015年07月10日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   アメリカの旅行雑誌「トラベル+レジャー」が、「世界の人気観光都市ランキング」を発表し、京都が一位にランクインした.
   読者の投票によると言うことなので、アメリカ人旅行者の選択だが、アジア人やヨーロッパ人を含めれば、どう言う結果になるか面白いところだが、近年の外国人旅行者の急増を考えれば、案外、京都がトップに踊り出るかも知れない。
   10位までの結果は、次図の通りである
   

   アジアでは、カンボジアのアンコールワット群があるシェムリアップが4位になっている。
   米州は、チャールストンが2位、メキシコシティが9位、ニューオーリンズが10位、
   他は、ヨーロッパで、フィレンツェ3位、ローマ5位、イスタンブール6位、セビリア7位、バルセロナ8位、となっている。
   オーストラリア、アフリカ、中近東、それに、アジアでは、中国やインドやインドネシアなどの観光スポットが入っていないのが面白い。


   フィラデルフィアに居た時に、チャールストンは、サウス・カロライナの美しい港町だと聞いていたが、断トツの人気スポットだと分かると、行けなかったのが残念である。
   この10位までの都市の中で、訪れていないのは、このチャールストンとカンボジアのシェムリアップ。
   アジアは、出張で良く出かけたが、このアンコールワットもバリなどもそうだが、観光地へは全く縁がなかった。
   アジアの10位以内には、中国では、上海、西安、北京が入っており、他は、東京、香港、ハノイ、シンガポールが選ばれているのだが、アメリカ人旅行者にとっては、まだ、アジアは遠くて、馴染みが薄いのであろう。

   ヨーロッパの都市は、8年間も、アムステルダムとロンドンに駐在していたので、仕事でも旅行でも、夫々、これらの都市には何回か行く機会はあったので、かなり、良く知っている。
   アメリカの選択でもそうであろうが、ローマは別として、あらゆる観光資源が揃った大都市や首都などよりは、異文化異文明が遭遇する文化の香りの高いエキゾチックな観光都市が選ばれているのが、興味深い。
   民度の高い人々が、歴史と文化を大切にして、生きる喜びを積み重ねて築き上げた珠玉のような街並みや生活空間が、旅人を魅了して離さない。
   ヨーロッパで他にランクインした都市は、ブダペスト、プラハ、シエナ、パリ、エジンバラであったが、パリは当然として、やはり、他の都市も、この系統であろう。
   イギリスの場合、ロンドンではなく、エジンバラ、それに、かなり行く機会の少ないシエナなどの選択は、大変興味深い。

   私の一番好きなのは、長く住んだロンドンであるが、ウィーン、アテネ、ザルツブルグやベルリンやミュンヘンなどのドイツの都市、ジュネーブは勿論、スペインのグラナダやサラマンカ、イタリアのベローナやベネチア、フランスのコルマールやストラスブールなど、思い出深いところが多くて、一つ選べと言われれば困ることになる。
   都市と言うよりも、例えば、ローテンブルグなどのロマンチック街道、ハーメルンなどのメルヘン街道、或いは、スポットで、モンサンミシェル、ノイシュバンシュタイン城 、ポンペイと言った思い出の深いところもあって、旅の嗜好は中々表現し難いのである。

   これらは、総て、ヨーロッパだが、サンパウロにも長くいたので、リオやブエノスアイレスは勿論、マチュピチュやイグアスの滝など、今思うと涙がこぼれる程懐かしいところが、あっちこっちにある。
   長い人生、寅さんではないが、随分、歩いて来たなあと感無量である。

   さて、第1位になった京都だが、私にとっても、故郷にも劣らない程思い出深い都市なので、やはり、世界一の人気観光都市だと言われると嬉しい。
   住んだのは郊外の宇治に1年だけだったが、学生生活で4年、仕事で4年、通い続けて、その後、国内にいた時は勿論、海外に出てからも、帰国した時には、必ず訪れて、頻繁に、古社寺を散策していたので、これまでに、あっちこっち移動しながら住んだ何処よりも、良く知っているかも知れないと思っている。

   私の京都は、何と言っても、京大の学生として過ごした4年間で、知的好奇心と文化の香りへの憧れを触発して生きる喜びを与えてくれたことで、この幸せなスタートがあったからこそ、フィラデルフィアで学び、鞄一つを持って、地球のあっちこっちを自由に歩きながら仕事をすることが出来、壮大な人類の遺産や多くの文化文明の香りに接して感動しながら生きて来られたのだと思っている。

   この4年間は、湯川秀樹博士など多くの先哲の教えに学びながら、勉強はほどほどにして、京都や奈良などを歩き回って、とにかく、日本の素晴らしさを実感しながら、学ぶ喜びをかみしめて生きていたような気がする。
   言うならば、京都は、私の青春の原点であり、私にとっては故郷でも旅先でもない不思議な存在だが、私の命の源ではなかったかと思っている。
   
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