熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

STAY HOME 日本人は、何故守れないのか

2020年04月13日 | 政治・経済・社会
   日本政府は、緊急非常事態宣言を発令しつつも、欧米のように、ロックダウンせずに、新型コロナウイルスの危機を回避しようとしている。
   国民に、極力外出を控えて、8割外出削減目標を提示して、国民の協力を喚起した。
   東京など、日本での危機的な状況は、発生源を追跡できない感染者が非常に多くて、気づかない保菌者が多いと考えられ、撲滅するためには、STAY HOMEを守って、他人とはソーシャル・ディスタンスを維持して、他人には伝播させずに封じ込めること以外に道はない筈である。
   そうでなけれな、1人のウイルスが2~3人にうつり、その2~3人が、また、2~3人へとねずみ算式・幾何級数的にに伝播して、拡大の一途を辿る。
   逆に、外出制限が功を奏して感染者の数が減れば、医師や看護師の負担が減って、医療体制の過重や負担が軽減されて医療業務がスムーズに流れて、ウイルス撲滅業務の推進となる。
   既に、医療崩壊の危機が危惧されており、医療システムの健全な機能を死守しなければ、収拾がつかなくなる。
   家にいることで人の命を助けられる 新型コロナウイルスを撲滅するために極力外出を控える、徹底的な外出制限こそが、必須である。

   悲しいかな、TV放映の情報では、昨日土曜日の外出削減は、65%とかで、生命線の8割には遙かに及ばず、これでは、この非常事態宣言も1~2ヶ月延びざるを得ないと言う。
   潮干狩りが禁止されて柵を設けた海岸に、バリケードを乗り越えて、沢山の人が海辺に出て、潮干狩りをしていて、皆がやっているので、私もと、どんどん人が増えて、TVのインタビューに、「美味しいから」と嬉しそうに収穫を誇示して喜々と応えていた。
   住宅地など、赤ちゃんを抱いた家族連れや夫婦連れで、日頃より多くショッピングをしていると言うから、何をか況んやである。

   私は、シルバーシートのことでも書いてきたが、日本人の民度の低下に危機意識を感じている。
   日本人が、欧米人より、必ずしも、公徳心や誠実観が優れているとは思えないし、最近では、安穏な平和ぼけで、著しく危機意識が希薄になっているのを心配していて、
   そんな意味もあって、国民の自覚と誠意を信頼して非常事態宣言による要請だけで、この難局を乗り切って行けるのかどうか、疑問だと思っている。
   欧米は、100%規制と言わないまでも、ロックアウトまでして国民の活動を規制しており、ピークアウトまでほど遠い日本の規制目標8割が、適当かどうかさえ怪しいのである。

   さて、欧米人が、何故、国民生活を犠牲にしてまで、長期間ロックアウトして、コロナウイルスを撲滅しようと必死になって戦っているのか、苦い黒死病ペストによる文明の危機に直面した経験を持っていて、骨の髄までその恐ろしさ痛さを感じているからである。
   ウィキペディアを引用させて貰うと、
   古来複数回の世界的大流行が記録されており、14世紀に起きた大流行では、当時の世界人口4億5000万人の22%にあたる1億人が死亡したと推計されている。ヨーロッパでは、1348年から1420年にかけて断続的に流行し、ヨーロッパで猛威をふるったペストは、放置すると肺炎などの合併症によりほぼ全員が死亡し、たとえ治療を試みたとしても、当時の未熟な医療技術では十分な効果は得られず、致命率は30%から60%に及んだ。イングランドやイタリアでは人口の8割が死亡し、全滅した街や村もあった。ペストによってもたらされた人口減は、それまでの社会構造の変化を強いられる大きな打撃を与えた。
   イタリアやアメリカでも、決死のロックアウトで、ピークアウト情報が流れ始めてきたが、本当に終息するのかどうかはまだ分からない。

   ここで、問題にしたいのは、アメリカで深刻な状態となっているのは、マイノリティの感染率が非常に高く、無保険の貧しい医療に縁のない国民が8%も居るという現実である。
   富者や強者が、ロビー活動を駆使して国政をスキューして自分たちの利権を強化し続けてきた結果、We are 99%現象を起すなど異常な経済格差をもたらしたのだが、今回のような全米規模の危機に拡大すると、ブーメラン現象で、富者・強者と雖も、自分たちも、コロナウイルス感染に巻き込まれれば、罹病して被害を被ると言うことで、
   弱者を踏みつけにして自分たちの利益利権を守ろうとしても天に唾するようなもので愚の骨頂であって、結局、アメリカ社会全体が健全でないと、誰もが平安や安全を保てないと言うこの厳粛なる事実を突きつけられたことである。
   黒死病を避けて脱出したデカメロンの世界など、呉越同舟せざるを得ない今日では、望み得ないと言うことであろう。

   これと同じ現象が、グローバリゼーションの拡大で、世界全体に伝播して、地球規模で、コロナウイルスの危険を拡散して、引き起こりつつある。
   まだ、コロナウイルス騒ぎが始まったばかりだが、新興国のブラジルなど未開の原住民さえ感染する状態で、住環境の悪いファベイラ(スラム街)への伝播が急拡大しており、格差の激しいインドの貧民街への拡大も深刻で、もっと貧しくて保健衛生医療などが貧弱なアフリカなどの発展途上国への拡大が拡散しており、さらにコロナウイルスの危機が拡大して行くと収拾がつかなくなる。
   我々の緊急課題でもある温暖効果ガスによる地球環境の破壊問題と同様に、グローバルベースで解決しないと、埓があかなくなり、欧米先進国も、コロナウイルスの危険から脱却できたとしても、さらに、次の問題は、宇宙船地球号を守るために、新興国や発展途上国の救済に向かわなければならないはずである。

   今回は、新型コロナウイルス騒ぎで、、立ち直れるかどうかさえ分からないくらい致命的で途轍もない打撃を受けている経済問題には、一切触れなかったが、企業のビジネスモデルの大変革と言ったミクロの問題から、地球規模での経済構造の革命的な激変など筆致であろうと思っている。
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