日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本語のグローバル化をしないのは、なぜ?

2015-07-15 19:10:21 | アラカルト

今日所用があり、ある「助成金事業応募説明会」に出かけた。
応募説明会と言っても、直接私とは関係はないのだが、助成金申請のための事業計画のお手伝いをするためだ。
その説明会で、驚いたことがあった。
とにかく「カタカナ」が多用されていたのだ。

まず、会場に入ったとき映し出されていたスライドには、「本日のアジェンダ」とあった。
「アジェンダね~???」と思いながら席に着いたのだが、「アジェンダ」という言葉そのものは、久しぶりのような気がした。
おそらく以前聞いたのは、総選挙の頃だったと思う。
今は分裂してしまった「みんなの党」が、「マニフェスト」の代わりに「アジェンダ」と言っていた時以来だった。

そもそも「アジェンダ」の意味は、「予定表」とか「計画表」といった意味で、「手帳」という意味もあったと思う。
確かに、ベンチャー企業支援資金調達のための助成金説明会ではあったのだが、「今日の予定(予定というよりも、「本日の内容」という感じだった)」では問題だったのだろうか?
ベンチャー企業向けだからだろうか?その後も「カタカナ表記」が、多用された説明会となった。
確かに、ベンチャー企業の資金調達支援なのだから、カタカナ表記が多いのは仕方ない部分もあるとは思う。
実際仕事で使う言葉も、随分「カタカナ表記」が多いのは事実だからだ。
でも、日本語に置き換えたほうがわかりやすい言葉を、わざわざ何故カタカナ表記をするのだろう?
なんとなくだが、「社会のグローバル化」ということで、日本語が隅に追いやられ始めているのかな?という気がしたのだ。

最近では、「すべて英語で授業をする」ことを売りとしている大学や、学部がある。
海外からの留学生が増えている学部では、英語での授業が中心になっている、という話も聞いたことがある。
そのこと自体悪いことだとは思わないが、英語が自由に使えることと社会で使えるということとは、別の問題だと思う。
例えば海外からの留学生のために、英語の授業が中心になるのはわかる。
しかし、留学生たちがキャンパスの中でしか生活をしないのであれば、それで不便はないかもしれないが、多くの留学生は、日本の学生と同じように下宿生活をしている。
彼らと日頃接するのは、英語が十分に話せる日本人とは限らないはずだ。
であれば、積極的に日本語教育をしたほうが、留学生たちのためにはプラスが多いのではないだろうか?

日本の文化が「クールジャパン」と紹介され、日本に興味を持った外国の人たちにこそ、きちんと日本語を教える必要があるのでは?
なぜなら「その国の言語そのものが、文化の基」だからだ。
確かに日本語は、表記一つとってみても「漢字・ひらがな・カタカナ」と3種類あり、それを使い分けるのは大変だと思う。
発音にしても、関東と関西では指すものが違うことも多い。
だからと言って、何にも日本に住んでいる日本人が、海外の人たちに合わせる必要はないと思う。
むしろ、日本にいるのだから日本語を積極的に学ぶチャンスにしたほうが、多様な文化や社会の差異などを理解しやすいのでは?
「日本語の国際化」が「クール(=かっこよい・素敵な)ジャパン(=日本)」を、より推進させるのでないだろうか?

わずか数時間の説明会だったのだが、そんなことを考えさせられたのだった。


任天堂岩田社長の訃報とイノベーション

2015-07-13 21:04:34 | アラカルト

任天堂の岩田社長が、胆管腫瘍のために亡くなられた。
日経新聞:任天堂の岩田社長死去

かつて任天堂といえば「花札」の会社であった。
それが「花札」から、「ファミコン」の企業へと変わっていった。
(「花札」を遊びととらえるのかは、別として)任天堂は、「遊び」を創造する企業であった。
「ファミコン」への決断は、山内会長によるところが大きいといわれているが、その後の「wii」や「ニンテンドーDS」のヒットは、岩田社長がけん引した事業であったといっても過言ではないと思う。

そう考えると、任天堂という企業は2回大きな「社会的イノベーションを起こした企業」だといえるかもしれない。
1回目は「ファミコン」、そして2回目は「wii」と「ニンテンドーDS」だ。
1回目の「ファミコン」の登場というのは、それまでゲーム喫茶と呼ばれるところにあった「ゲーム」を、家庭で楽しめるゲームへと変えた。
任天堂の「ファミコン(確か「ファミコン」は任天堂が商標登録していたと記憶している)」の登場により、今では信じられないかもしれないが、東芝や松下電器(現パナソニック)などの家電メーカーが次々と参入した。技術的には、任天堂よりも勝った力があったはずの家電メーカーのほとんどが、任天堂の牙城を崩すことができず、あえなく撤退を余儀なくされた。唯一残ったのが、ソニーだった。

残ったソニーと任天堂には、ある共通点があると思う。
それは「遊び」という視点だ。
「遊び」を提供することで、暮らしを豊かにしたい、という企業の思想があるからだ。
ソニーの場合「遊び」と言わず、「エンターテイメント」という表現をしているが、その基となっているのは「遊び」だと思う。

そしてその「遊び」に新しい要素を加えたのが「wii」であり、「ニンテンドーDS」だったと思う。
「wii」の登場によって、子供中心の「ファミコン」が家族で楽しむツールへと変化し、それが時には「スポーツ」へと発展していった。
「ニンテンドーDS」もまた、もともと任天堂が発売をしていたポケットゲーム機をより発展させ、料理レシピのサイトや英語教材などとジョイントすることで、「ゲーム機」から「情報ツール」などへと変化・発展させることに成功した。

一つの企業が2回大きな社会的イノベーションを起こすということ自体、企業人にとっては、夢のようなことだと思う。
そのようなことができたのは、おそらく「京都」独自の文化を背景にしたものがあったのかもしれないし(京都へ年に2,3回遊びに行くたびに感じるのは、京都の人は案外新しもの好きだという点がある)、任天堂という企業文化かもしれない。

亡くなられた岩田社長は、私と同世代だった。
胆管腫瘍という、難治腫瘍に立ち向かわれ先月の株主総会では、議長を務められていた。
おそらく、相当の痛みの中での株主総会だったのでは?と想像すると、その職務を全うするという、仕事への真摯さと仕事への熱意を感じる。まだまだやりたかったことがあったのでは?と思うとその残念さや口惜しさもあったのではないだろうか?
その思いを任天堂と任天堂に関わるすべての方が、引き継いでくださることを願うばかりだ。


放送アーカイブとして残すものばかり?

2015-07-12 21:23:43 | アラカルト

なんでも「テレビなどで放送された番組をアーカイブとして政府が残す構想」があるらしい。
毎日新聞 Listening:放送アーカイブ構想
NHKだけではなく、民放で放送された番組も「アーカイブ」として残す、という考えのようだ。
政府見解?としては「文化としての残す」のが目的ということらしいが、番組を残す側の放送局側は「事後検閲」として危機感を募らせている、ということらしい。

このような構想があること自体初めて知ったので、政府の思惑というか考えの本音もわからなければ、放送局側の「事後検閲」によって、どのような制裁?が行われるのか?ということも、想像しにくい。
何より、「放送された番組すべてを残す」ということ自体、どれほど意味のあることなのだろう?と、考えてしまうのだ。

例えば、新番組のための宣伝を兼ねたような情報番組などを、「アーカイブ」として残す必要があるのだろうか?
その情報番組などは、その時々の旬の話題が一番大切な内容なので、「アーカイブ」として残しても、情報そのものが古くなり後々見たとき「そんなこともあったね~」という感じになってしまうのではないだろうか?
もちろん、その時々の話題を分析することによって、その時の「社会の雰囲気」とか「社会感」などを知ることはできるだろうし、それはそれで意味のあることかもしれない。
しかし、なんとなくだが政府側が考えている「アーカイブ構想」というのは、そのような時代検証をするのが目的ではないような気がするのだ。

というのも、最近の与党の発言などを見ていると、単にメディアに圧力をかけたい!という気持ちがあり、その延長として、放送後も何かあったら圧力をかけるぞ!と言っているようにも感じるからだ。
おそらく放送局側が懸念するのは、この「何かあったら圧力をかけるぞ!」という、与党の雰囲気があることに対しての懸念なのではないだろうか?

日本で出版される書籍や雑誌をすべて購入し、データベース化しているのは「国会図書館」だったと思うのだが、実際そのデータをどれほどの議員さんたちが見に行っているのだろう?
雑誌を含む書籍よりも、はるかに多いデータであるテレビ番組を残して、いったい誰が見るのだろう?
それこそ、暇な?議員さんの時間つぶしになるだけでは?
見る番組も、「娯楽性の高い、自分が見逃した番組」だったりするのではないのだろうか?

このような「構想を練る」のであれば、その目的を「文化として残す」という曖昧なものではなく、残す基準のようなものをはっきりとさせ、日本国内だけではなく海外へも発信できるようなプログラム構想にする必要があるのでは?
実際、NHKの「新日本紀行」などのアーカイブはその時代・時代の日本の姿を記録した、優れた映像だと思うし、そのような情報を積極的に発信することで、海外からの注目のされ方も変わってくると思う。
アニメにしても編集の仕方しだいで、魅力的な情報発信コンテンツとなるのでは?
ただ今のような「構想」だと、「録画しておきましたが、誰も見ません」となる可能性が高く、費用と人と労力をかける意味がないような気がする。


大型画面のPadのライバルは、Surface3Proなのか?

2015-07-11 22:51:45 | ビジネス

Yahooのトピックスに、次期発売されるPadは、12インチの大型画面か?という記事が取り上げられていた。
現在のPadには、通常の10インチサイズと8インチサイズのミニがある。
これだけでも、十分な気がしないわけではないのだが、携帯性には便利なサイズでもビジネスなどでモバイルPCのような使い方をするには、小さいということなのかもしれない。

実は、このニュースを見たとき思い浮かべたタブレットPCがある。
それが、マイクロソフトのSurfacePro3だった。
ご存じのとおり、SurfacePro3のキャッチコピーは「これさえあれば、他はいらない」だ。
それほど、ノートPCとモバイルPCの長所を併せ持ったPCである、という自信の表れのようなコピーだ。
実際、どれほどのユーザーがSurfacePro3を使って、職場でも移動中の電車や出先で使っていらっしゃるのかは、わからない。
というのも、最近地下鉄や電車などでPCを使っている人を良く見かけるようになったが、携行性が高いはずのモバイルPCやSurfacePro3などを使っている人を見かけないからだ。
いわゆる、14インチ以下の小型ノートPCを使っている人を見かけることは多い。
ご存じのように、このサイズのノートPCはオフィスなどの机に向かってするにはちょっと不便さを感じるサイズだ。
だからと言って、携行性に優れているのか?といわれると、いまいちピンとこない。
ただ、移動中にExcelなどのデータを確認をしたり、編集をしたりするのには使い勝手が良いのかもしれない。
確かに、薄くて軽量、タイプカバーという点では、十分すぎると思うのだが、キーボードとしては頼りなさを感じる。
実際、家電量販店などで触ってみたことがあるのだが、キーを触っている実感があまりないのが「入力できているのだろうか?」と、不安になる部分でもある。

そのマイクロソフトのSurfacePro3のライバルとして、新しい大型画面のPadを投入するというのであれば、Padの操作性や携帯性に、上述したような「PCでの作業のスムーズさ」が重要になってくるのではないだろうか?
今現在のPadには「キーボードを使って何かをする」、という感覚では作られていないように思える。
単に「画面が大きくなった」というだけでは、Padの新しい使い方には結びつかないし、ユーザーにとってもあまり魅力を感じられないように思う。
「遊びも仕事もPad」という、ある意味「ビジネスユース」を考えた内容であれば、Surfaceを含むタブレットPC、モバイルPC以上に魅力のあるものになるかもしれない。

今回の大画面化で、もう一つ注目しておきたいのが、ソフトバンクの動きだ。
ご存じの方も多いと思うが、Surface3(LTE)をY!モバイルが取り扱っているからだ。
Y!モバイル:Surface3(4G LTE)
Y!モバイルはソフトバンク系列であることを考えると、Padとの棲み分けというか差別化をどうするのか?
そんな点も気になるところだ。


鉄道会社☓コンビニ

2015-07-10 19:56:23 | ビジネス

今年1月、心筋梗塞で緊急入院をした父の経過検診のための検査入院付き添いのため、帰省していた。
帰省で利用するのは、近鉄→高速バスというルートが多い。

2.3年ほど前からだろうか?近鉄のホームにある売店が、ファミリーマートに代わった。
もちろん、品ぞろえも変わった。
いわゆる「お土産」要素の高い品が減り、車中で飲食するための品ぞろえ中心になったのだ。
通勤で利用される方にとっては「当たり前」と感じることかもしれないが、名古屋や難波のような始発・終着駅には、「お土産」になるような品ぞろえは当然のようなところがあった。
今でも、ホームではなく駅構内の売店には「お土産」売り場がある。

そのような変化は、別の動きにも結び付いているようだ。
今回、車中で飲むためペットボトルのお茶を買ったのだが、そのパッケージを見て驚いたのだ。
私が購入したのは、いわゆるファミリーマートのオリジナル(=PBブランド)品。
そのパッケージには、「九州新幹線 新800系」の車両が印刷されていたのだ。
よくよく見ると、新幹線の他にも私鉄の人気車両?が印刷されているパッケージもある。
ファミリーマート: ゛ファミコレ 鉄道コラボ
数量限定のようだが、この鉄道会社とのコラボができたのは、近鉄だけではなく鉄道各社の売店事業に参入したからだろう。

先日、コンビニの3月~5月期決算が発表された。
NHK NEWSWEB: コンビニ大手の決算 明暗分かれる
セブンイレブンが仕掛けた?「コンビニカフェ」人気などが好調ということのようだが、その「コンビニカフェ」に象徴されるように、コンビニオリジナルのサービスや商品が、業績をけん引するようになってきている。
その視点で考えれば、いわゆる系列スーパーのPB商品を置くのではなく、コンビニオリジナルのPB商品が必要になってきているのかもしれない。
その意味で、ファミリーマートの鉄道会社とのコラボ商品は、なかなか面白いのではないだろうか?


2020年よりも、その後が問題

2015-07-09 20:12:52 | アラカルト

2020年・東京オリンピックのメイン会場になるはずの「新国立競技場」の建築が、問題になっている。

朝日新聞:新国立競技場、あっさり増額 コストより公約優先

建築デザインを見たときの感想は、「ずいぶん変わったデザイン」だった。
建築デザインとして優れているのか、どうなのかは、素人の私には理解できるものではなかったが、選考理由となった?「未来的デザイン」という点では、「そうなのかもしれない」という気がした。

ただここへきて、建築費が当初予定よりも随分増えるということだけではなく、建築そのものの技術的問題がクローズアップされてきた。
建築費用が、当初予定の数倍というだけではなく、建築費用のほとんどが今回のデザインの象徴である「アーチ部分」に費やされ、技術的問題となっている部分でもあるという。
素人である私などは、「アーチの骨組みを鉄で綱状に組んで、その周囲をグラスファイバーとかカーボンチューブなどで包むのかな?」程度に思っていたら、3LDK程度(=1家族が生活できるくらいのスペース)の鉄柱を組む必要がある、と聞いて、費用が膨大に膨れ上がった理由がわかるような気がしたのだった。

むしろそれよりも問題だと思うのは、建築した後の維持費用が30億円以上必要という点だ。
もちろん、それに似合うだけのイベントなどによる収入があればよいと思うのだが、おそらく無理だと思われる。
というのも、2020年以降日本の社会は「超」がつくほどの、高齢者社会になっていくからだ。
「高齢化」ではなく「高齢者社会」、という点が問題なのだ。
言い換えれば、年金や医療など「人が生活をするための社会保障費」が、急激に増加するのが2025年といわれており、とてもではないが30億円以上の維持費を捻出できるような、財政状況だとは考えにくいからだ。

そのようなオリンピック以後の財政を考えたら、技術的に難しく維持費にも膨大な費用が掛かるハコものを簡単に作ってしまってよいのだろうか?という、疑問がわいてくる。

今回の「新国立競技場」をデザインした方は、「アンビルド(建築されない)女王」とも呼ばれる方らしいのだが、
「建築コンセプトやエッセンス」を、技術的に可能な方法で再現する、ということはできないのだろうか?
というのも、ファッションの世界では「コレクション(=ファッションショー)と、売り場の服は違う」と、言われており、相当奇抜なコレクションのデザインの洋服が店頭に並ぶことなど現実にはない。ではなぜ、奇抜なデザインをコレクションで発表するのか?というと、その時々のトレンドを強調し、わかりやすく見せるのがコレクションだからだ。実際店頭に並ぶ洋服は、それらのトレンドを現実的な着易くしたデザインなのだ。

建築とファッションの世界は違うかもしれないのだが、いくら先進性のある斬新なデザインであっても、建てることができなければ意味がない。とすれば、その建築デザインコンセプトとエッセンスを生かした、現在の技術で造れる建築物を「新しいスポーツの聖地」として、造っていくことのほうが、重要だと思う。


醒めてきたのか、諦めなのか・・・賃上げへの期待減

2015-07-03 21:14:12 | アラカルト

朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、とても気になる記事があった。
朝日新聞:来年の「賃上げ期待しない」54% 日本生命調査

昨年に比べ、わずかだが夏のボーナスの支給額が増えた様だが、その分?来年のベースアップの期待は薄い、ということのように思える内容だ。
ボーナスは、業績に対して支払われるので、単純に好景気になればそれだけボーナスの支給額が増える、コトに(一応)なっている。
それに対して、ベースアップは景気というよりも「製品(や商品)価格」に最初から含まれるので、製品(や商品)価格が上がるだけではなく、実績が上がらなくては難しい。
だからこそ、ベースアップはサラリーマンにおって重要なのだ。

この記事で気になるのは、ボーナスの支給額が多いサラリーマンのほうがベースアップの期待が高く、支給額が少ないサラリーマンは期待をしていない、という点だ。
同じサラリーマンであっても、高収入を得ているサラリーマンは「アベノミクス」の効果を実感している(可能性があり)、そうではないサラリーマンは「アベノミクス」の実感は薄く、なおかつ期待よりも現実の厳しさで醒めたとらえ方をしている。半ば、諦めているようにも思える。
それは言い換えれば、「富める者はますます富み、貧する者はますます・・・」という、「格差の拡大」をはらんでいるように思える。

そして「アベノミクス効果」が薄れてきている、と感じている人が増えている、という点も見逃せないと思う。
というのも、先の選挙で安倍さんは「アベノミクスの推進」を謳って、選挙を戦ったからだ。
その「旗印」となる「アベノミクス効果」がなくなってきた、ということは、安倍さんへの期待が減ってきている、という可能性もある、とも読み取れるからだ。
もっとも掲載している新聞社が、朝日新聞なので、その部分を割り引いて考える必要はあると思う。

「アベノミクス」に対する国民の醒め始めているとすると、安倍さんだけではなく自民党そのものへの期待感がうすれてくる可能性もある。
なぜなら、上述した通り先の選挙で国民が期待したのは「経済の回復」だったからだ。


新幹線焼身自殺男性に見る、未来の姿

2015-07-02 20:04:37 | 徒然

6月30日に起きた、新幹線での焼身自殺事件。
数多くの人が新幹線という、閉ざされた空間で何も焼身自殺などする必要は無いのに、と思う。
反面、この容疑者の過去の経歴などを見ると、決して他人事では済まされないのでは?という気がしてきた。

この容疑者が、犯行に及んだ理由というのが「年金が少なく、生活が苦しい」だった、と言われている。
毎日新聞:新幹線放火自殺の男、生活苦訴え周囲に「年金少ない」
経歴を見ると、若いころから様々な職を転々としていたようだ。

この「職を転々とする」ということを考えると、今の非正規雇用者の多くも似たような状況にあるのでは?という気がしたのだ。
不安定な就業状態と賃金だけではなく、年金などの面でも、正規雇用に比べずいぶん厳しい状況にあるのが、非正規雇用者だ。
正規雇用であっても、昨年の消費税率が上がったため「生活が苦しい」と、感じている世帯は多いようだ。
時事通信:生活「苦しい」、過去最高62、4% =返金所得は1.5%減 厚労省調査

アベノミクスで、株価が上がり景気が良くなったような感じを受けるのだが、実際は多くの生活者の実感は、アベノミクス効果のメリットを受けていない。
確かに株価の上昇と、賃金アップは連動するものではない。
マルクスの「資本論」に述べられている通り、「賃金」は生産の時点で決まるもの(=製品(または商品)価格に反映される)からだ。
製品(または商品)価格が安くすれば、それだけ賃金を下げる必要がある。
そのために有効な手立てとして、非正規雇用者の活用がある、と言っても過言ではないかもしれない。

その非正規雇用が、増えることで国の「社会保障」そのものの原資が減るのも当然だろう。
なぜなら、賃金に似合った社会保障費しか払えないからだ。
国民年金のように、固定化された金額であれば「払えない人」が、当然のように出てくるのは仕方のない部分かもしれない(もちろん、ご自身の意思で「支払いたくない」という方もいらっしゃるだろうが)。

「人口ピラミッド」が「ピラミッド型」であった頃は、支える人の数が多いので、なんとなくその問題が見えなかったと思う。しかし、今のような「釣鐘型」→「逆三角形」に近い形になってくると、社会保障システムそのものの維持が難しくなってくる。
今の20代、30代の非正規雇用者の未来の姿は、新幹線で焼身自殺をした容疑者よりも、もっと過酷な状況かもしれないのだ。

容疑者の行為は、決して許されることではない。
ただ、容疑者を批判するだけではなく、彼が起こした原因となることを考える必要があると思うのだ。


定着するのかな?今日スタートした「日本型サマータイム」と「出国税」

2015-07-01 18:36:59 | ライフスタイル

昨日地下鉄に乗っていたら、やたらと目につくつり広告があった。
「ゆう活」という文字が、躍っている。
「日本版サマータイムの勧め」ということらしい。
今日から公務員を中心にこの「日本版サマータイム」が、始まったようだ。

このような政府の動きに対して、敏感な企業はすでに導入をしているところもあるようで、今朝FM番組を聞いていたら某損害保険会社では、すでに導入している、という話だった。
この「日本版サマータイム」だが、賛否いろいろな意見があるようだ。
反対意見として上がるのは、「勤務時間が長くなる」という指摘だ。
実際、今朝のFM番組でも「職場で『ゆう活のために、1時間早く帰ります』と宣言(?)をし、周囲の理解を得ることがポイントだ」という話だった。
職場全体で「ゆう活」しないと、意味がないように思えるのだが、どうやらそこまでの理解が深まっていない、というのが現状のようだ。

もう一つ問題かもしれないと思うのは「始業時間を1時間~2時間早める」、という点だ。
朝の1時間というのは、案外貴重な時間で食事の支度や身支度の時間の確保、ということを考えると、この1時間の幅はとても大きい。
それだけではなく「2時間早める」と言っても、10時の始業時間を8時にするのと、9時の始業時間を7時にするのとでは、随分違ってくる。
その部分は、いったいどうなのだろう?と、考えてしまう。

そして「富裕層を対象とした出国税」の導入も、気になるところだ。
ビジネスジャーナル:富裕層の「出国税」きょう導入 海外移住に徴税の網
なんでも、資産1億円程度を保有している人を対象としているようで、自分には関係のないことなので、気にも留めていなかった。
ただ、確かに団塊の世代でそれなりの資産を持っていらっしゃる方の中には、季節に応じて「生活拠点を変える」という方がいることは知っている。
また、物価の安い東南アジアにコンドミニアムを買って、移住ではないが長期滞在をされる方もいらっしゃるようだ。
このような方は、海外旅行好きが高じて海外暮らしに憧れるようだ。
だからと言って、この「出国税」がうまく運用されるのかは、疑問なところがある。
上述した通り、それなりの資産を持っている方の中には、「移住」ではなく「長期滞在」を選ぶ方が多いからだ。
その理由は、病気になったとき手厚い看護や介護が受けられやすいのは、やはり日本だからだ。
そのためには「移住」ではなく「長期滞在」のほうが、何かと都合がよいらしい。
そこまで考えた税制なのか?ということも、わからない。

今日から始まった「日本型サマータイム」は、公務員を中心にスタートした。
窓口業務などが早く終了すれば、むしろ困る方のほうが多いのでは?という懸念もある。
「出国税」にしても、上手に運用されるのか疑問なところが多い。
果たして、この二つの制度どうなりますやら?