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「ヒートアイランド化」は人災

2012-07-24 17:55:26 | アラカルト
昨日、新聞の真ん中に2面に渡る大きな広告が掲載されていた。
旭化成 問題
この広告に付けられていたコピーが、「暑さが人災になっている」だった。

このコピーの下にある文章を読むと「確かに、都市のヒートアイランド化は、人災かも知れない」と、感じてしまう。
なぜなら、ヒートアイランド現象は人の生活廃熱だからだ。
それだけではなく、その生活廃熱は40年ほど前にはほとんど無かったもの。
「快適さ」を求め、その「快適さの追求」が、過剰な程の生活廃熱を生み出した。
ある種の「文明の進化の弊害」とも言えるのが、「ヒートアイランド現象」なのだと言える。

しかし街中を歩くと、高くそびえるマンションが目に入る。
コンクリートでできた屈強な集合住宅には、日本家屋の様なゆとりも余裕もない。
人工的な建物には、人工的な快適さで対応するしか方法がないのかも知れない・・・そんなコトを感じさせるのだ。
アスファルトに覆われた道は、クルマで走るのにはとても便利が良い。
もちろん、歩くのだって砂利道やぬかるんだ道を歩くよりも、ずっと快適だ。
そのアスファルトの道は、玄関先まで続いている。
地面が見えるトコロなどほとんど無い、と言うのが今の都会だろう。

とすれば「ヒートアイランド現象」を減らすためには、相当の覚悟を持って「快適さ」を手放さなくてはならない。
一昔・二昔前の生活ではない。
40年近く前の生活に戻る覚悟が必要なのだ。
もちろん、タワーマンションでは無く、低層階のマンションで周囲を深い森の様な庭が必要となるだろう。
森のような庭があっても、エアコンなどを使う訳には行かない。
窓を開け放ち、風が通る様夏のしつらえをし、上手に自然の涼やかさを取り込む、生活の工夫が必要になってくる。

「忙しい」が口癖の様になっている、現代人にその工夫ができるだろうか?
「ヒートアイランドは人災」と考えると、都市で生活をする一人ひとりがよほどの覚悟、と言うか考え持って行動しなくては、止めるコトはできないと思う。
その動機付けが「節電」や「脱原発」であっても構わないと思うのだが、今の快適さを手放しても良い、と考えている人がどれだけいるのだろう?

この広告の目的は、断熱材で外からの熱を遮り・室内を快適にさせるという「建築資材」のPRだったのだが、それだけで「都市のヒートアイランド現象」は、収まるとは思えないのだ。


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