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「家業を継ぐ」ことと「世襲」は違う?

2024-04-30 14:18:17 | アラカルト

数日前、次の選挙の不出馬を発表している、自民党の二階俊博氏の後継者として、県町村会が三男に出馬要請をした、という報道があった。
朝日新聞:次期衆院線の和歌山2区、二階俊博氏の三男に出馬を要請へ 県町村会 

和歌山県も自民党の強い選挙区である、ということは知っているが、様々なお金の問題を抱えていた二階氏の後継者に三男の出馬要請を、県町村会がしている、ということを考えると、「和歌山県の有権者さん、それでいいの?」と、問いたくなる。
同じ自民党内であっても、二階氏の後継者ではない人を推薦したいという有権者の気持ちを無視するように、県町村会が勝手に決めているからだ。
おそらく、県町村会と二階氏の間には、切ってき切れない利害関係があり、その恩恵に少しでも多くあずかりたい、という気持ちが県町村会にはあるのだろう、と勝手に想像してしまった。

そしてこの記事を読んで、思い出した記事があった。
集英社オンライン: 「両親や祖父母が議員だった世襲議員は豊かな環境で育ったため、私たちの生活に思いを馳せることはできません」・・・ 

タイトルが長かったので、途中で省略をさせていただいたのだが、確かに岸田首相をはじめ世襲議員はとても多い。
様々な政党の中でも、自民党は世襲議員が占める割合がダントツに多い。
それは、「支持母体」と言われる具体的な支援母体を持たない代わりに、世襲という方法で選挙基盤をつくってきた、という背景があるからだろう。
だからと言って、「世襲議員」の存在が日本の政治にとってプラスなのか?と言えば、そうではない。
集英社オンラインの記事のように、世襲議員の多くの選挙区は、自分が生まれ育った場所ではなく、両親や祖父母の実家が選挙区であり、選挙区の実態等を知らない環境の中で育ってきているからだ。
しかも、子供の頃から両親や祖父母(曾祖父)が築き上げてきた権力と財力で、「坊ちゃん・お嬢ちゃん」として、囃され育ってきている。
二階氏の三男に立候補を要請した県町村会にとって、地元のことを知っていることが重要なのではなく、二階という苗字が重要、ということなのだ。

考えてみると、日本には「世襲」と呼ばれる職業の人達が、議員以外にもいらっしゃる。
例えば、伝統芸能や伝統工芸等の世界は、家業を継ぐことが世襲ということになる。
ただ議員と大きな違いは、世襲だからと言って、日々の努力を怠ってしまえば、あっという間に家業がダメになり、場合によっては「家を継いだのが、あれではね~」と、陰口をたたかれるようなコトになってしまう。
「世襲として家業を継ぐ」ということは、家業をより発展させていかなくてはいけない、という重圧を覚悟する、ということでもあるのだ。
その日々の努力も無く、権力(とお金)を引き継ぐことができるのが、世襲議員と呼ばれる人たちだけなのだ。

その為、大物議員と呼ばれるようになっても、どこかズレた発言をすることが多々ある。
先日の岸田首相が、Xに投稿した内容を見ても、そのズレ感が分かるのではないだろうか?
日刊スポーツ:岸田首相X投稿が炎上&トレンド入り 日本経済をめぐる言葉に「経済音痴」「どこ見てんだよ」 

ご存じの方も多いと思うのだが、岸田首相は父親の岸田武夫衆議院議員の秘書になる前、大学卒業後長銀(現SBI新生銀行)に入行し、外国為替等の業務を担当している。
そのような経歴を持っていても、円安が日本経済にどのような影響を及ぼしているのか、わかっていないのだ。
考えられる理由を上げるならば、「世襲議員だから」ということになるでは?と、下衆な考えを持ってしまうのだ。
それほど、市井の生活者とかけ離れ、親や祖父の築き上げた権力と財力に胡坐をかいているのが、世襲議員の実態であり、支援団体も本人ではなく親や祖父の価値を評価している、というのが日本の政治の実態なのでは?と、考えるのだ。



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