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FIFA汚職から見えてくる、「力関係」

2015-05-29 19:55:04 | スポーツ

昨日から「FIFA」の理事による汚職が問題になっている。
朝日新聞:FIFA利権、カネまみれ 1万ドル単位の札束
この事件の捜査指揮をしているのが、米国のリンチ米司法長官だ。

これまでFIFAには、様々な「お金のスキャンダル」の噂はあった。
それ自体、今に始まったことではない。
むしろ、誘致合戦だけではなくスポンサー関係など、W杯ビジネスそのものが巨額なお金が動く「ビジネス」であり、そこには後ろ暗いお金のやり取りがある、というのは半ば暗黙の了解というか、知ってはいても見て見ぬふりをしていただけだったような気がする。

ただ今回の汚職騒動を見てみると、「FIFA内での力関係」のようなモノも見えてくるように思う。
というのも、今回汚職が取りざたされているFIFAの理事が、すべて「中南米の関係者」だからだ。
対象となった汚職が「南米選手権」であったということだが、「UEFAチャンピオンシップ」では、そのようなことがなかったのか?と、言い切れるのだろうか?
W杯ビジネスそのものが、巨額なお金が動く「世界最大のスポーツイベント」でありながら、「中南米関係者のみ」というのも、おかしな話だ。

今回の件で猛烈なブラッター会長批判を繰り広げているのは、UEFAの理事メンバー。
UEFA=欧州のサッカー連盟なので、「中南米VS欧州」理事によるFIFA内での、覇権争いのような一面もあるように感じる。

なぜなら、現在のブラッターさんが会長になれたのは、
1.前任者であるアベランジェ会長の後押しがあった
2.UEFA内での意見がまとまらず、対抗馬が出せなかった
ということがあったからだ。
アベランジェさんは、ブラジル出身の実業家でありFIFA会長として、前例がないほどの「長期政権」だった。
欧州側の理事としては、快くない状況が長い間続いているのだ。
会長選が行われるたびにUEFA側は立候補するも、決して一枚岩ではなく、アフリカやアジアからの賛同を得ることができずにいる、ということもある
米国がどちらの立場なのか?ということは、わからないが捜査指揮を米国の司法が動いている、と考えるなら米国のサッカー連盟も欧州寄りと考えるほうが自然かもしれない。

できれば日本は中立の立場を貫いてほしいと思っている。
というのも長い間、日本は南米寄りといわれており日韓W杯の実質的誘致の失敗は、南米寄り過ぎたという指摘もあるからだ。
何より、久しぶりに日本サッカー協会からFIFAの理事を出すことができたのだ。
このようなことに巻き込まれ、再び理事の椅子を失うことになると、世界のサッカー界の中での日本の発言力が弱まるだけではなく、地道に続けているアジア全体のサッカーレベルを引き上げる、というビジョンもとん挫してしまう可能性があるからだ。



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