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日清食品の、仕掛けのうまさ‐「カップヌードル」のふた止めシール廃止とリニューアル‐

2021-06-04 17:15:20 | マーケティング

昨日、ネットだけではなく世間でも「カップヌードルのふた止めシール」が無くなる、と話題になっていた。
日清食品が公式Twitterで、「ふた止めシール廃止」のtweetをしたコトが切っ掛けとなり、ネット上で話題になり、それがテレビなどの媒体でも取り上げられ、ネット以外でも話題となったのだった。

しかもこの時のtweetには、「#2021年6月4日11時発表」というハッシュタグが付いていたことから、「明日の11時に何が発表されるのか?」と、ますます話題を呼ぶことになった。

実際、今朝のFMの情報番組でもこの「カップヌードルのふた止めシール廃止」と「2021年6月4日11時発表」について、取り上げていた。
ラジオパーソナリティーをされている方などは「カップヌードルのふた止めシールが無くなったら、どうやってカップヌードルを食べればよいのか?」という、嘆きのような事も話されていた。

この「ふた止めシール」そのものは、35年前から始まったものなので、約40歳以下の人たちにとっては「カップヌードルには、ふた止めシールがあって当然」だと思っていたと思う。
その「ふた止めシールが無くなる」ということは、それまで「当たり前」と思い込んでいたモノが無くなる、ということでもある。カップヌードルに限らず、不安に感じても当然だろう。

そこまで「不安を煽って」おいて、今日の11時になって発表されたものが、「Wふた止め」という、「何故今まで気づかなかったのか?」というような、リニューアルだった。
しかも、ふた止めに使っていたプラスチックを年間33トン削減できる、という「環境問題に目を向けた取り組みでもある」ということを、さりげなくアピールしている。
それだけではなく、Wふた止めにしたことで「ふたの内側」にカワイイ猫のイラストを、プリントしている。
しかもこの「猫のイラストプリント」のアイディアは、昨年の2月22日の「猫の日」に合わせて、日清食品が「カップニャードル」としてTwitterに投稿し、話題になったものだった。
Withnews:「カップニャードル」フタをめくると猫ちゃんが!猫の日ネタが話題

昨年の「猫の日」のカップヌードルは、おそらく試作モデルだったのだろう。
とすれば、この頃から日清食品は、Wふた止めを考えていた、ということになるかもしれない。
1年以上前の話題づくりに始まり、Wふた止めにして可愛くなった!という話題だけではなく、使いやすさや環境問題への取り組みなどのような堅い話題に興味が低い人たちにも、しっかりアピールすることに成功している。
もしかしたら、猫のイラストだけではなく、犬などの他の動物のイラスト版も登場するかもしれない。

日清食品は、以前からCMや新製品の話題づくりが上手い企業と、言われてきたが、今回の「カップヌードルのふた止めシール廃止」からの「Wふた止め」の話題つくりなどは、TwitterというSNSを使うことで、瞬く間に話題をつくり、その話題が他の媒体へと移ることで、SNSユーザー以外の生活者にもアピールすることに成功している。

このような仕掛けそのものは、広告代理店のアイディアが大きいとは思うのだが、それを日清食品側が主体となって動く事で、広告代理店らしさのようなモノを感じることなく、「カップヌードル」という商品の話題を作る事に成功している好例だと思う。



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