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「公平」と「信頼」・・・民主主義とビジネスの基本

2019-12-23 16:32:24 | アラカルト

昨日だったか?Amazonが日本で納税をする、というニュースが一部新聞などで報じられていた。
共同通信社:アマゾン、日本に納税へ方針転換 法人税2年で300億円

以前から、「Amazonは、日本での納税額が少ない」という指摘はあった。
東洋経済on-line:アマゾンの納税額が楽天より圧倒的に低い理由

Amazonが、日本での事業を「事業委託」というカタチで、行っていた為に課税額そのものが低く抑えられていた、ということだ。
現実には、Amazonそのもののビジネスは日本で定着しているだけではなく、AmazonPRIMEというサービスを展開し、顧客の囲い込みにも積極的だ。
それを「業務委託」としてしまって、良いのだろうか?ということなのだ。

数年前、世界を驚かせた「パナマ文書」の公開では、世界のお金持ちや政治家、スポーツ選手などが「租税回避」を目的に、本社を「タックスヘブン」と呼ばれる小さな国に移し、節税をしていたということが発覚した。
本来であれば、事業を展開している国に支払われるはずの税金が、「租税回避」という方法によって、支払われていなかった、ということが明るみに出た調査報道だった。

「パナマ文書」公開から随分時間がたった今、何故Amazonが日本での納税へと方針転換をしたのだろう?
「これが要因なのかな?」という動きが、EUであったのだ。
日経新聞:グーグルに1900億円制裁金、欧州委「独禁法違反」

グーグルの場合は、「独禁法違反」に対しての制裁金だが、「ビジネスに公平さが無くてはいけない」という点では、納税に関しても同じだろう。
むしろこのEUの判断が、巨大化したIT企業「GAFA」に「公平なビジネス」を促したのでは?という気もする。
この制裁金の支払い判断をした欧州委員会のトップ・マルグレーテ・ベステアー氏のインタビュー記事が、huffpostに掲載さ、改めて読んでみると「公平」と「信頼」という信念をもって判断をした、ということがわかる。
huffpost:グーグルに50億ドルの制裁金を科したマルグレーテ・ベステアー氏は、「信頼」と「公平さ」を体現し続ける

そして改めて考えると「信頼」と「公平さ」は、民主主義の基本であり、ビジネスの基本なのでは?という気がしてくるのだ。
マルグレーテさんが指摘しているように、政治だけではなく経済界でも男性優位というのは世界に共通しているようだ。
そして、政治や企業が生活者から「信頼」されなくなりつつあり、その要因の一つは「公平さ」を生活者が感じない、という点にある、というのもそうだろう。

「信頼と公平さ」を生活者が感じられなくなった時、それは民主主義ではなくなっている、ということのようにも思えるのだ。
その警告をマルグレーテさんは「制裁金」というカタチで、グーグルに警告したのではないだろうか?
問題なのは、今の日本の状況だ。
今の私たちは政治や企業に対して、「信頼」と「公平さ」を感じているだろうか?
企業の場合、生活者からの「信頼」を失ったとき、企業そのものの社会的存続が危ぶまれることになるので、常識ある経営者であれば、常に「生活者からの信頼」ということを考えているはずだが(と思いたい)、ブラック企業大賞などが毎年発表されることを考えると、決して「公平で信頼を得る努力」をしている企業ばかりではない、ということになる。

ただ、もっと難しいのは政治を変える、ということのような気がしている。
文書などを都合よく勝手にシュレッダーして「無き物」として、平気なのだから・・・。


 



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