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メルケルさんと安倍さんの違い

2020-03-20 21:50:37 | 徒然

毎日のように報道される「新型コロナウイルス」のニュース。
それは世界を見渡しても同じだろう。
むしろ欧米へと感染が拡大し、その勢いが増している今、このニュースはアジアだけの問題ではない、という認識が各国のリーダの認識だろう。

その中で、ドイツのメルケル首相のスピーチが話題になっている。
話題になっているだけではない。
その国のリーダーとして、国民に向けた注意喚起とお願い、そして国として国民を守ることを丁寧に話している。
テレビという画面に向けて話しているのではなく、テレビの向こうにいる国民一人ひとりに向けたスピーチだ。
しかし、一般のニュースサイトでも概略的なものは読めるのだが、日本のニュースサイトで紹介されている抜粋では、メルケル首相のスピーチの凄さを実感できない。

ドイツ語訳のサイトにスピーチ全体の内容が分かるものがあった。
是非、読んでいただきたい。
Mikakoドイツ語サービス:コロナウイルス対策についてのメルケル独首相の演説全文

Mikakoドイツ語サービスさんのnoteにあったリンク先を紹介させていただいた。
全文ということもあり、長文なのだが丁寧に読んでいくと、我が国のリーダーの発言の軽さを感じずにはいられない。

メルケルさんの演説全体は話すトーンを押さえ気味にし、とても論理的だ。
とはいっても、難しい言葉を使っているわけではない。
「順序だてて話をしている」といったほうが良いかもしれない。
そして身近で具体的なモノ・コトを取り上げることで、より理解がしやすくなっている。
何より「国は国民のいのちを守る。そのために協力をして欲しい」と、国としてやるべきことと協力を明快に語りかけている。
もう一つ特筆することは、この「新型コロナウイルス」の感染拡大によって、一番大変な状況に置かれている医療者に対しての感謝を述べていることだ。

安倍さんも「新型コロナウイルス」についての記者会見を2回しているはずだが、官僚の原稿を読み上げるだけで、奮闘している医療者などへの感謝、国民への問いかけ、協力して欲しいという言葉も態度もなかったような気がする。
それが分かるのが「突然の小中高校の一斉臨時休校」の発表だ。
それどころか、感染が全国に広まりつつある今日になって「一斉臨時休校」を段階的に解除、という話になってきている。
これでは、現場が混乱するだけではないだろうか?
一斉休校が思い付きなら、休校解除も思いつきなのだろうか?と、疑ってしまうのだ。

確かにメルケルさんは、物理学を学んだ「リケジョ」だ。
論理的な思考を持っている、と言っても過言ではないだろう。
だからと言って、今回のようなスピーチが得意なのか?と言えば、決してそうではない、と思うのだ。
ただ、国のリーダーとして「どのように話をすれば、国民が安心して国の政策を受け入れてくれるのか?」ということを熟考しているように思えるのだ。
その話し方の基礎となっているのは「国民と民主主義を大事にしたい」という、気持ちがあるから・・・という気がしている。



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