日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「アニメの殿堂」よりも先にすべきことがあった

2009-10-05 10:50:40 | ビジネス
しばらく前に「なまえ」さんから、とても貴重な資料のお知らせを頂きました。
本当にお礼が遅くなりました。
頂いたコメントにあった、公正取引委員会の資料も一応目を通させていただきました(注意:PDFファイル)。
アニメーション産業に関する実態調査報告書
報告書本体(上)
報告書本体(下)
 

この報告書を読む限り、これまでアニメーション業界(と言うのだろうか?)では、著作だとか製作と言った面で、キチンとなった取り決めや契約が余りされてきていなかったようだ。
もちろん、宮崎駿さんの「スタジオ・ジブリ」くらいになると別なのかも知れないが、多くは「お願いね~」という、口約束と言うか信頼関係で成り立っていたようだ。
それが、いわゆるアニメーターとの雇用関係にも影響しているように思えた。
これでは、いくら「産業として力をいれたい」としても、不安定要素ばかりが多く難しいはずだ。

もう一つ気になったことは、日本のアニメの場合「漫画雑誌掲載→アニメ化→キャラクター商品」と、その商品の拡がりが大きいという特徴がある。
その場合、漫画そのもののオリジナルに関しては、漫画家さんにその著作があるはずだ。
そこからアニメ化されたとき、アニメ製作会社と漫画家さんとの著作の問題と言うことも関係してくるだろう。
もちろん「アニメ化=テレビ放映化」というコトなので、漫画家さんとテレビ局との関係と言うことも重要なコトになる。
「アニメの殿堂」の話題が持ち上がった時、まず真っ先に手をつけなくてはいけなかったのは、「アニメの殿堂」を作るコトではなく、ごく当たり前の商取引としての「アニメ産業の充実化と人材育成」だったように思う。

この構図を見ていると、まるでテレビ局を頂点としたピラミッド型の産業構造となっているように思える。
それは今の製造業などの「メーカー→下請け→孫請け→ひ孫請け」と同じような構造だ。

日本の製造業を含め、日本のモノづくりの構造は同じなのかも知れない。
そして一番弱いところは、どの産業でも同じ「中小零細」というトコロなのだ。
「日本経済を立て直す」というのであれば、一番弱いトコロから手をつけなくては難しいように思う。




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