日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「リモートワーク」に、ネクタイは必要か?

2021-10-15 20:23:58 | アラカルト

日経新聞のwebサイトに、紳士服のAOKIの新しい戦略(?)「パジャマスーツ」についての動画があった。
日経新聞Web:家でも仕事でも「パジャマスーツ」AOKI、カジュアル強化

「コロナ禍」によって、会社に出社するという仕事から、必要に応じて「リモートで仕事の報告をしたり、会議をする」というスタイルに変わった方も多いと思う。
「仕事をする=出社する」という仕事のやり方ではなくなりつつあるのだ。
とはいうものの、今だに「基本出社」という企業は多いのでは?という気がしている。
出社が基本ということであれば、多くのビジネスマンはネクタイを締め、スーツを着ることになるだろう。
営業職であれば、営業先に失礼が無いようにスーツは必須だろうし、スーツであることが当然だという社会認識がされていると思う。

だが、「リモートワーク」となった場合、ネクタイを締める必要があるのだろうか?
「リモートワーク」の場合、スーツで仕事をする必要があるのだろうか?ということなのだ。
むしろ「お洒落な部屋着」という提案のほうが、生活者には受け入れられやすいように思うのだ。

随分前になるが、「カジュアルフライデー」なるモノがあった。
金曜日は、自由な服装で仕事をすることで、発想の転換や柔軟な考えを仕事に反映させよう、という米国のシリコンバレーで始まった考え方だったはずだが、日本では「日曜日のゴルフのオジサン」という服装の中間以上の管理職が続出し、結局数年で聞かれなくなったような記憶がある。

当時は、「週末、ゴルフを楽しみにしているおじさんに、いきなり自由におしゃれな恰好を求めること自体、無理があったのでは?」と言われたこともあった。
世代が若くなるにつれ、「自分で自分の着たい服を選ぶ」ということは、当たり前のことだと思う。
それがいつしか、奥さんに選んでもらい、奥さんが揃えた服を着て出かける、ということがあたりまえになり、結果「日曜日のゴルフに行くオジサンコーディネート」が出来上がってしまった、ということなのだ。
そう考えると、「リモートワーク」でもネクタイを締めている方がラク、という人はいるかもしれない。

しかし「リモートワーク」での会議等は、これまでと違う環境で行う会議だからこそ、柔軟な考えや発想の転換となるような思考力が、求められるのでは?と考えるのだ。
そのように考えると、「パジャマスーツ」という発想は面白いと思うのだが、どこかズレた印象を持ってしまうのだ。
おそらく「パジャマ」とネーミングをしたのは「リラックスできる服」という意味を込めているのだと思う。
そして「スーツ」と付けたのは「リモート会議でも、それなりのキチンと感がある服」ということを示したかったのだと思う。

とすると、取材撮影でもネクタイのある服ではなく、もっとリラックス感がありながら伸縮性があり、着心地の良さをアピールしたほうが分かりやすかったのでは?
「リモートワーク」があたりまえのワークスタイルになると、「ネクタイをし、スーツを着て出かける」ということが、特別なコトになるかもしれない。
その時、どれだけ紳士服店として顧客提案できるのか?
それが、今後の紳士服店で求められることになるのかもしれない。

余談だが、「リラックスウェア」としての、男物の着物があっても面白いのでは?と考えている。




 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。