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アパート経営って、そんなにメリットがあるの?

2017-06-07 15:03:01 | ビジネス

毎日新聞に、相続税対策の為のアパート建築への融資の為に地銀が奔走している、という記事が掲載されている。
毎日新聞:アパート融資 地銀奔走 残高13.8兆円 相続税対策に対応

確かに我が家の近くでも、ここ数年はマンションの建築ラッシュが続いている。
元々複数の集合住宅があった場所に、高層マンションが造られる場合もあるが、最近目だって多いと感じる新築マンションは、やや広い戸建ての家を取り壊し造られた低層のマンション(やアパート)だ。
このような低層のマンション(やアパート)を見ると、世帯主の高齢化により家の管理者が子世帯に変わったのだろうな~と、想像している。
子世帯自身も、既に持ち家がある為親世帯の家に住む必要はなく、かといって空き家にするわけにもいかず、マンションやアパート経営をするのだろう。
ハウスメーカーのCMなどでも、アパート経営を勧める内容も多い。
CMなどで使われる「土地活用」という点では、まさに「土地活用」ということだろう。
そのコトが悪いわけではないし、新築のマンション(アパート)なら比較的早く入居者が決まり、ほとんどの部屋が埋まってしまうようだ。

そのようなCMを見たり、実際に建築が進む建物を見て感じることがある。
それは「アパート経営の将来性」だ。
今現在でも「空き家」については、様々な問題を指摘されている。
この「空き家問題」は、過疎化が進む地方だけの問題ではない。
むしろ、都市部のほうが、問題としては大きいと思う。
過疎化が進む地方の「空き家」は、「戸建ての空き家」という問題だが、都市部の「空き家」の場合、古いマンションで居住者がまばらになり、居住者がいるために建て替えたくても建て替えられず、マンションそのものが「ゴースト化」し始めているケースもあるのでは?という気がしているからだ。
今問題となっているのは、いわゆる「住宅公団」が建てた築年数が50年近く経っているものが多いと思われるのだが、今後増えてくるのは民間企業が建てたマンションだ。
分譲で購入しても、その後賃貸として他の人に貸している場合など、入居者がいなくては賃貸として貸す意味がない。
そのような「隠れオーナー」のような人は、既に多くいるのでは?

それだけではない、今後の人口変化を考えれば、借り手となる人が減っていくことは目に見えている。
そのような社会変化が予測できる状況の中で、アパート経営をするというのは、将来的メリットがあるのだろうか?
随分前だが、ご両親がアパート経営をされていて、ご両親が亡くなった後引き継いだ知人は「古い物件って、借り手を探すのが大変なのよ。だからと言って、アパートのメンテナンスをしない訳にはいかない。世間では儲かるようなコトを言っているけど、それは築年数が浅い場合だけ」と話していた。
相続税対策というだけなら、アパートなどの集合住宅の経営は良いと思う。
ただ10年後、20年後も安定した収入を得ることができるのか?という、視点を持つ必要もあると思う。
何故なら、入居者がいてもいなくても「メンテナンス費用」は掛かり、取り壊し更地にするにしても費用は掛かる。
当然のことながら、財産として若い世帯へと引き継がせるのであれば、相続税は掛かってくるのだから。





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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-06-07 17:42:39
1億円の預金を相続したときの相続税 と 1億円で土地を買いもう1億円借金をしてアパートを建て経営したときの相続税を比較してみよう。 その差額から考えて、修繕メンテナンス費用を考えても、お得な感じはするはずだ。
ただし、地方銀行が融資などで積極的とあるから要注意なのは、アパート経営はやはり立地が良くなければ、安定的に入居者が集まらないリスクはある。 街の様子も今後はどんどん変わるだろう。夢のマンション生活だった多摩ニュータウンは姥捨て山のようになっているよね。
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