日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本の意外な輸出文化

2010-02-21 09:41:50 | アラカルト
先日、あるテレビ番組を見ていたら意外なコトを発見した。
「発見」というのは大げさなのだが、「日本文化は、日本人が思うよりも拡がりを持っているかも?」と思ったのだ。

例えば、「ヴィジュアル系」と呼ばれるJ-Popがあるのは、ご存知の方は多いと思う。
代表的なグループは、元総理大臣・小泉さんのお気に入り「X-Japan」だろう。
元々は、70年代後半~80年代にかけて英国で生まれたロックミュージックの一つだったのだが、本家(?)英国では、数年で姿を消してしまった。
同じようなスタイルのバンドが生き残ったのが、日本の「ヴィジュアル系」だけだった。
その「ヴィジュアル系」が、今ドイツなどで人気だという。
彼らは日本のバンドを見て、憧れて日本語を並べて歌っている。
日本語を並べただけの歌詞は、日本人の私たちからすれば何とも可笑しなモノだが、それでも彼らにとって「日本語で歌う」コトが重要で、「いつか日本で演奏してみたい」という夢を持っている。

他にも、鎧の美しさに魅せられ、自分たちで鎧を作り「殺陣」の練習に励む人たちもいた。
彼らにとって、鎧を纏い殺陣を演じることで「サムライ」になった気持ちになっているようだ。
しかも彼らは、真剣に「武士道」を目指そうとしているようなのだ。
その意味で、最近何となく精神的にひ弱になってしまった日本人よりも、日本人的かも知れない。

今の日本では姿を消してしまった「紙芝居」を、児童館のような場所で日本の昔話をする女性も。
日本の昔話が、外国の子供たちに受け入れられるとは思えない・・・と思ってはいけない。
「紙芝居」は、文章がないため日本の昔話であっても、外国の子供たちにも受け入れられやすいと言う。
何より、日本の昔話には「社会のルール、人を思いやるコトの大切さ」と言ったことが、分り易く語られていて、そのような昔話は海外ではないという。
そして、「紙芝居」を見る子供の表情は、かつて「紙芝居」に夢中になっていた日本の子供たちと同じ。
「紙芝居」を始める前には、飴を配るのも日本と同じだった。

紹介された人たちの多くは、来日経験があり、その経験から「日本が好きになった」人たちだが、その興味の対象となった日本文化は様々で、私たち日本人が忘れかけたモノも多い。
それが、海外で評価を受け、日本人が知らないところで人気を博しつつあったり、高い評価を受け始めているというコトを考えると、「日本のことを一番知らないのは、私たち日本人」なのかも知れない。
そして、日本文化を海外から見たとき、様々な日本文化を輸出しているというコトが分る。

「輸出」と言うと経済と言う点でしか語られないが、文化と言う視点でみると案外日本は「輸出大国」なのかも知れない・・・そんな気がした。






最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい話しですね (YYT)
2010-02-22 01:07:26
いい話しですね。

でも、紙芝居など高度成長とともに日本が捨ててしまったものは哀しいけれど・・・。

これって、傑作が外国に残っていた浮世絵みたいな話しなのでしょうか。
返信する
コメントありがとうございます (管理人です)
2010-02-24 23:09:16
YYTさん、コメントありがとうございます。

「紙芝居」の方はスペインの女性で、日本の版元からわざわざ「紙芝居」を輸入されていらっしゃるようです。
もっと興味深いのは、この女性は、中高校生や老人ホームなどへの「出張紙芝居」をするときは、「原爆」をテーマにした「紙芝居」をされているコトです。
日本独特の「紙芝居」という方法で、ヒロシマ・ナガサキを通して、「平和」という普遍的テーマを語り継ぐというのは、私たち日本人が見習う必要があるかもしれませんね。
そんなコトも考えさせる、内容でした。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。