日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大丈夫?トヨタ

2010-02-20 15:22:41 | ビジネス
トヨタ自動車の豊田章男社長が、米国の公聴会出席を昨日発表した。
テレビのニュースなどで、何度も流れたのでご覧になられた方も多いと思う。
このニュースを見ながら「大丈夫?」という思いと、「違和感」を覚えたのは私だけだろうか?

私が感じた違和感とは「(公聴会出席へ正式な書面が送られてきたので)喜んで、出席させていただきます」と答えたことだった。
「公聴会」出席を要請され、「喜んで行く人」がいるのだろうか?と、言う気がしたからだ。
「公聴会」と言う場所は、何か褒められに行く場所ではない。
どちらかと言うと、「問題説明に行く場所」だと思っている。
だから「喜んで行く」というコトバに、違和感を感じたのだった。
と同時に、豊田章男さんは「物事の重大さを、認識しているのだろうか?」と言う気がしたのだった。

今回の米国でのリコールについては、「トヨタ叩き=日本叩き」と言う方もいらっしゃる。
その真偽については、わからない。
ただ、以前のような「米国車が売れないのは、日本のせいだ!」という時代ではないと思う。
米国の生活者も、トヨタを始めとする日本車の良さを知り、様々な選択肢の中からトヨタなどの日本車を購入しているのではないだろうか?
もちろん、「トヨタ叩き論」を展開している人たちの「日本が市場をリードしている、ハイブリッド車に対しての政治的圧力」というコトも、わからないわけではない。
そんな単純なコトだろうか?と言う、疑問が私の中にはある。
むしろ公聴会出席を「喜んで」と言ってしまう、今のトヨタの感覚の方が、異常のような気がしてならない。

以前、名古屋生まれの名古屋育ちの友人から「トヨタには、創業家に傷をつけてはいけない。という考えがある」と、聞いた事がある。
「創業家に傷をつける」というのは、「業績の低迷・悪化の時に社長就任をさせない。社会的問題が発生したときには、創業家以外で責任をとる」と言ったことだった。
この話を聞いた時は「時代錯誤のようなコトがあるの?」と思ったのだが、どうやらそれはある部分では本当だったようだ。
と言うのも、豊田章男さんの一連の発言を聞いていると「自分(=トヨタ)のコト」は言うのだが、ユーザーであるお客様へ向けた発言がとても少ない。
その象徴が、「トヨタは全能ではない」という発言だ。

「トヨタは全能ではない」という発言の裏には「全能に近いモノがある」とも、受け止められるからだ。
「お客様の声を聞き、お客様にクルマに乗る歓び、楽しさをお客様と共に追求していきたい」という考えではなく、「トヨタがつくるモノは、満足する」という、発想からスタートしているからこそ「全能ではなかった」と言っているように感じたのだった。
何も、これは豊田章男さんだけではない。
プリウスのブレーキについて、最初に説明された取締役さんからも同様の印象を受けた。
とすれば、豊田章男さんだけの問題と言うよりも、今のトヨタの考え・思考の様に思えるのだ。

トヨタに限らず「経営者の言葉」はとても重いが、フッとした言葉に企業の実態がわかるものだ・・・と、感じるトヨタリコール問題だ。







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