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次世代のエネルギーとSDGs

2021-03-14 19:36:54 | ビジネス

まだまだ世間的には、「新型コロナ」と「2020東京オリンピック」の問題が尽きないという状況だが、ビジネスの世界では次世代のエネルギーとして「アンモニア」が記事として取り上げられるケースが、増えているような気がしている。

「アンモニア」と言えば、あの独特な臭気のある物質だ。
そしてあまりにも身近なところにあるため、さほど注目されてきてはいなかったのだが、資源として豊富にあり、安価で安定的に供給できる材料として「アンモニア」が注目され始めているようだ。
日経新聞:アンモニア燃料ってなに?発電に利用、供給体制が課題

日経の記事は、有料会員記事なのですべて読める訳ではないし、切り口もビジネス向けなのか?という感があるのだが、日経の記事に限らず最近「水素燃料」等よりも期待できるとして、「アンモニア」が注目され始めている感があるのは、事実だ。

その背景にあるのは、菅総理が就任した当初に発表した「2050年までにCO2をゼロにする」という、エネルギー転換政策に関係している。
今「CO2削減」の切り札の様に言われている、「太陽光発電」を初めとする自然エネルギーだが、ここ2、3年の自然災害によって、日本の気候風土と合っているのか?という疑問が出てきている。
無理やり山の一部を削って設置した「太陽光発電パネル」が、大雨にる土砂崩れによって放置状態になったり、「太陽光発電パネル」による反射による問題も時折聞くことがある。
風力発電では、ブレードと呼ばれる羽が巻き起こす「低周波」による健康被害が、問題になるだけではなく、景観という点でも問題視されることもある。
洋上風力発電などの検討もされているようだが、「洋上風力発電」が進んでいる欧州とは違い、毎年数多くの台風が上陸・接近する日本に向いているのか?という問題もあるだろう。

一方、自動車産業界としてもEV車への転換は、ますます迫られてきている状況だ。
EV車の普及に必要なことは、EV車を動かすための「電力供給システム」の普及がまず第一だ。
以前に比べ、随分街中でも「EV車向けの電力供給スタンド」を見るようにはなったが、EV車普及のためにはまだまだ数的にも供給電力についても足りない、というのが現実だろう。

そのような問題解決の一つの切り札として「アンモニア」が注目されるようになってきている、というのだ。
今までの火力発電所並みの発電量が期待できるのでは?という点などがあるだけではなく、水素エネルギーよりも扱いやすく、既に自動車部品の樹脂素材や肥料として使われているなど、供給ネットワークが組み立てやすい、という点などがあげられるようだ。
朝日新聞:想定外の研究が生んだ燃料アンモニア 脱炭素で注目

何より「アンモニア」そのものが、廃棄物から回収できる可能性が高い、という点も大きいはずだ。
琉球大学:廃棄物から高純度アンモニア回収材料および回収法の開発

廃棄物から「アンモニア」が回収することができれば、SDGsという視点から考えても将来性がある素材ということになる。
確かに、「太陽光発電」や「風力発電」等は、自然エネルギーとして魅力があるが、安定的供給や景観美などを考えると、手放しで素晴らしい!とは言えない(ような気がしている)。
とすれば、人が生活する中で廃棄されるモノを使って「再生することができるエネルギー」に、着目する必要があるのではないだろうか?



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