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リーダーの役割とは -岸田総理のリーダーシップ考‐

2023-07-20 19:12:24 | 徒然

一部週刊誌に記事として取り上げられている、政治家妻がいる。
その政治家とは、岸田総理の側近の一人と言っても過言ではない、木原副官房長官だ。
その奥様が過去に関わったとされる事件について、一部週刊誌が毎週のように報道している。
報道をしている週刊誌側も、確証となる「ネタ」無しで書いているわけではないはずだ。
週刊誌の手法として、社会の注目を浴びるような「疑問の提示」→「独自調査による記事」等を繰り返し、「世論」をつくっていく。
このことが悪いことなのか?と言われれば、決してそうではない。
いくらSNSにより、報道メディアとは関係のない市井の人達が自由に情報発信ができるようになっても、事実の裏どりや関係者への取材などは、素人ではできないことばかりだからだ。
逆に言えば、大手メディアの存在意義は、そのような「地道な調査と取材」ができる機動力と、発表する公の場を持っていることで、「社会を動かす力」となっているのである。

この事件に関して、木原副官房長官はダンマリを決め込んでいる。
というのも、この事件の前に現在の奥様とは別に世帯を持っている、と雑誌報道をされているからだ。
事件に関わっているとされている、奥様のことで何等かの動きをすれば、当然別世帯の家族についても追及される可能性がある。
「嵐が過ぎ去るのを待って、身をかがめている」というのが、今現在の木原副官房長官だろう。

しかし、このような「ゴシップ」に対して、「どこ吹く風」という態度を決め込んでいるのが岸田総理だ。
過去にも政治家絡みの事件は、数多くあった。
その多くは「贈収賄」と呼ばれるもので、権力を持っているが故にその権力に縋ろうとする人達が、金品を渡し、見返りとして便宜を図る、というモノだった。

しかし今回は、「人の命」に関係する事件だ。
これまでの「贈収賄」とは意味が違う。
確かに「贈収賄事件」により、中心となった政治家の秘書の方が自死をされる、ということは度々と起きているが、「命の重さ」は同じように比べられるものではないにせよ、被疑者として木原服官房長官の妻は事情聴取を受けている、と報じられている、という点では、これまでとは全く異質な事件だと言える。
総理の側近が関係する事件として、木原副官房長官の意思を尊重ばかりしている場合ではないと思うのだ。

考えてみれば、岸田総理には「リーダーシップ」というモノを感じることが、これまでほとんどなかったような気がする。
強力なリーダーシップを発揮したのは、昨年の安倍元総理の国葬位だろう。
今現在進行している「マイナンバーカード」についても、総理からの指示という話は聞いた記憶がない。
これほどまでに、社会を混乱させている事案であるにもかかわらず、デジタル庁に丸投げをしている(ように思える)。
デジタル庁に立ち入り検査が入る、という状況になっても、何のアクションも起こさないのが岸田総理なのだ。
岸田総理からすれば、「自分が総理になる前から始まったことだから、自分は知らない」ということなのかもしれないが、その実「マイナンバーカード」普及の為に「マイナポイント」を積極的に展開し、「健康保険証や金融機関との紐づけ」を行ってきたのは、岸田政権のはずだ。

これまでの岸田総理の政治的判断を見ていると、「リーダーシップとは何か?」ということを、反面教師のように考えることが多々ある。
その意味では、貴重な総理かもしれない。
ただ、これからも岸田総理が政権の中心としているのなら、日本という国のカタチが失われているような気がしてならない。