今朝、FMを聞いていたら「これからのアイディア出し」は、社内を飛び出しSNSなどを利用し、多角的になっていくのかな?という、話があった。
その一つが「SFプロトタイピング」と呼ばれるモノだ。
「SFプロトタイピング」とは、「近未来を予測し、プロトタイプ(=製品アイディア)を創る」ということになるようだが、このような「近未来を予測する」という発想そのものは、決して新しいものではない。
むしろ、世界中の企業が「近未来を予測し、製品開発」をしてきたはずだからだ。
では何故、今注目されているのか?というと「SF」という言葉だ。
荒唐無稽な「SFの世界」であっても、「そんな世界がやってくれば良いな~」と、思いを巡らすことはできる。
重要なことは「(一見)荒唐無稽なSFの世界」が、「社会をどのように豊かにするのか?」「実現するためには何か必要なのか?」ということを、探すということだからだ。
このような「荒唐無稽なSFの世界」のアイディアを生み出す為のサポート役として、SNSを活用しようとする動きが出てきている、というのが番組の話の趣旨だったのだ。
例えば、まんが「ドラえもん」。
所詮子ども向けマンガと、思い込んではいけない。
ドラえもんのポケットから出される様々な「道具」は、「こんなモノがあったらいいな~」という、想像の世界から誕生している。
確かに「どこでもドア」をつくり出すことは、ほぼ不可能かもしれない。
ただ、それをVRという方法で体感できる時代になってきている。
「似て非なるモノ」と切り捨てるのではなく、このVRの進化により「遠隔医療サービス」が可能となってきている。
その結果として、医師不足と言われる地域でも、それなりの医療を受けることができる、という時代がやってきている。
これはあくまでも一つの例として、取り上げただけだが、このような「現在ある技術+SFの世界」を組み合わせる事で、様々な分野に活気をもたらすことができるはずだ。
そのような手法に、Intelなどが注目をしている、という。
GAFAと呼ばれる米国のITを活用して、飛躍的に巨大化した企業などは、「社内だけにアイディアを求めない」という考えがある。
以前から言われている、Googleは最初から100%完成したサービスを提供するコトを考えていない、と言われている。
100%目指さずに、何を目指しているのか?
それはユーザー自身が、Googleのサービス向上に関与してもらう、という考えがあり、関与してもらうことでGoogleのファンになってもらう、という考えがあるからだ。
まして、IT関連産業の進化はとても速い。
社内だけであれこれ考えている間に、そのアイディアそのものが陳腐化してしまう可能性の方が高い。
スピーディーにユーザーが求めているサービスを提供する為には、ユーザー自身に関わってもらう、ということが企業への親近度と信頼性を上げる事に繋がっている、ということでもある、と考えているのではないだろうか?
そしてこのような考えは、日本企業の弱点でもある(と考えている)。
理由として考えられるのは「開発の秘密保持」だろう。
確かに、特許に関わるような内容であれば、社内で何度も検討し、場合によっては実験を繰り返す必要があると思う。
思うのだが、そのことに囚われすぎて「使う人の創造性」を忘れているような気がするのだ。
「使う人の創造性」を忘れ、製品としての100%を目指すことで、「今」というビジネスチャンスとユーザーというファンの獲得ができていないとすれば、これまでとは違う発想の転換が必要になる。
その一つが「SFプロトタイピング」なのではないだろうか?