数日前から、話題になっている岸田首相の秘書をされているご子息。
昨年暮れ、官邸で友人を呼び酒盛りをし、調子に乗って新閣僚の記念写真をする場所で、そっくりそのままのシチュエーションで記念写真を撮ったと、叩かれている。
ネット上だけなのか、どうなのかはわからないが「若気の至り」というには、言い訳にもならないような気がする。
このご子息、この問題が発覚する前にも話題を提供している。
欧州に行った際、仕事そっちのけでタクシーで観光地巡りをし、ロンドンの高級百貨店・ハロッズで買い物三昧をしていた、ということが昨年の暮れに発覚していた。
この時も、今回も岸田首相はご子息を秘書から外すことなく、続投させている。
おそらく、ご自身の後継者として政治の道を歩ませる為に、と考えているのだろう。
日本では、選挙に勝つためには「3つの要素が必要」と言われている。
それが「地盤・看板・カバン」だ。
地盤というのは、選挙区内にしっかりとした支持団体がある、ということ。
看板は、いわゆるブランド力だ。
世襲議員の場合、代々引き継がれた「ネームバリュー」がある。
その「ネームバリュー」があれば、厳しい選挙戦も勝ち抜くことができる、という訳だ。
そして最後の「カバン」は言わずと知れた「選挙資金」のことだ。
有権者にお金をばらまくようなコトは、公職選挙法で禁じられているのでこの時の「資金力」というのは、選挙の告示前から選挙区に頻繁に顔を出し、冠婚葬祭では礼を欠くようなコト祖しないように、挨拶に伺うということだ。
例え本人でなくても、家族がそのような場に赴き、一言挨拶をすることが後々の選挙に影響を与える、ということだ。
そう考えると、岸田首相のご子息は既にこの選挙で勝つための「3要素」を持っている、ということになるだろう。
世襲が選挙に強い、という理由はこのような「選挙戦に勝つための3要素」を最初から持っているからだ。
その為、多くの議員は自分の息子に跡を継がせるため、秘書として起用し身近なところで「勝つための選挙」を教えこませるのだ。
そのような「3要素」に恵まれた世襲議員が議員として、選ばれ続ける事に対して「どうなの?」と、疑問を呈したいのだが、そのような選択基準で候補者を選ぶ人達が多い、ということも事実だろう。
これまでの「世襲議員となるため、秘書として仕事をしてきた子息」は、あまり目立つ存在ではなかった。
父親の後ろに、控えかばん持ちのようなところから、「議員になるための準備をしている」からだろう。
しかし、岸田首相のご子息はそのような「枠に収まる」ような人材ではなかったようだ。
それが、欧州訪問が観光地巡や買い物三昧という行動であったり、今回のような新閣僚の記念撮影を酔った勢い(とは思えないのだが)でやってしまうからだ。
批判が起きるのは当然だが、逆の考えると岸田首相Jr.の破壊力はこれまで明らかにされてこなかった「世襲議員の秘書時代の姿」の一部を知らしめてくれた、ともいえそうだ。
いくら「選挙に勝つための3要素」を親から引き継いだとしても、これほど世間から批判を集めるような行動が目立てば、岸田首相Jr.本人に政治家としての資質に疑問を感じるだろう。
それだけではなく、秘書としてご子息をかばい続ける岸田首相自身に対しても、秘書として使い続ける事に「親ばかにもほどがある」と選挙区での支持基盤を失いかねない問題となるはずだ。
そのように考えると、岸田首相Jr.の破壊力は凄まじいモノを感じるし、選挙区内の有権者にとっても良かったのではないか?と思うのだ。