日々是マーケティング

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今の日本を紹介する、発想は?

2023-03-06 20:14:30 | アラカルト

朝日新聞のWebサイトを見ていたら、「悪くはないと思うけど、なんだかな~」という印象の記事があった。
朝日新聞:「ミュージック・フローム・ジャパン」、NYで48回目となる音楽祭

この記事を読むと、若手音楽家が作曲した楽曲を、米国の音楽家たちが演奏する音楽祭のようだ。
このイベントが悪いとは言わない。
むしろ日本の若手クラシック系の音楽家たちの楽曲が、披露される場として貴重なイベントだと思うからだ。

ただ、このようなイベントで何故日本の演奏家たちが演奏をしないのだろう?と、単純に思ってしまったのだ。
と同時に、今の日本の音楽シーンをけん引しているのは、J-Popと呼ばれる音楽なのでは?という点だ。
「J-Popは、あくまでも商業音楽だから、このようなイベントにはそぐわない」と思われる方もいらっしゃるだろうし、何となくだがこのようなイベントを開催する側が、そのように考えているのでは?という気がしている。

それでも開催期間中、1日でも日本のJ‐Popを紹介する日があっても良いのでは?という、気がしたのだ。
今のJ‐Popというか、音楽市場を見てみるとかつてのようなある特定のタイプの音楽ばかりが、ヒットするという時代ではなくなっているような印象を持っているからだ。
いわゆるジャニーズ系と呼ばれるアイドルの楽曲ですら、その楽曲制作に携わっている人たちは固定的な作詞家・作曲家ではなく、様々な音楽関係者が集まっているような印象を持っている。
ましてやここ数年ヒット曲を飛ばしている人たちやバンドの楽曲を見てみると、本当にバラエティーに富んでいる。

それだけではなく、全世界で人気となっているアニソン(=アニメソング)なども、ヒット曲を連発するようなバンドやソングライターチームの楽曲になっている。
経産省肝いりで、事業的には失敗をしているとも言われている「Cool Japan」ではあるが、もともと世界に発信できるコンテンツとして注目されたアニメや漫画などは、今でも世界的人気は高い。
であれば、何故このような場で積極的にアピールをしないのだろう?

というのも、今や中学校などの音楽の授業でもJ-Popの楽曲が取り上げられ、学校教育の中で教えられるようになってきている。
日本の現代音楽の中に、既にJ-Popが入っているのでは?ということなのだ。
2、3年ほど前から1980年代の日本のシティーポップが、世界的にヒットし、今でも注目されている。
決して今回紹介されたような音楽だけが、「日本の現代の音楽」ではないはずなのだ。
確かに、日本ではクラシック音楽などの音楽家の方々の中には、J‐Popのような音楽は商業音楽だから、という考え方の方もいらっしゃるだろう。
しかし、現実にはそのような音楽が、日本の音楽シーンをけん引しているコトには変わりなく、それどころかアニメソングなどは世界中から支持されているのだ。
とすれば、日本の音楽の多様性という視点で、このような音楽イベントで積極的に紹介しても良いのでは?
そして演奏者はやはり、日本人であってほしいと思うのだ。
それもまた一つの「日本の音楽文化」の紹介になると、考えるからだ。