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BRICsと呼ばれた時代とは違う

2022-02-09 11:36:16 | アラカルト

2000年代「BRICs」と呼ばれた国々があった。
国土が広く、経済発展が伸びていた国々だ。
「B」はブラジル、「R」はロシア、「I」はインド、そして「C」はご想像通り中国だ。
確かに2000年代これらの国々は、経済成長も目覚ましく、欧米の経済力をしのぐほどの経済成長を見せるのでは?と、期待された。

それから20年余り、結果はどうだろう?
ブラジルは、経済発展を呼び水にして「夏季オリンピック・リオ大会」を開催するなどしたが、現在では目立った経済成長の印象はない。
むしろ、逆のイメージすらあるのでは?
インドに関しても、インドの子供たちが3桁の掛け算を暗算で素早く正解を答えるなど、期待はあったが「外国人旅行者、特に女性に対する暴行事件などが相次ぎ、インドの知らざれる一面が表面化したことで、経済発展よりも「国としてどうなのか?」ということが問われるようになったこともあった。
このようなことが世界中に知られてしまうと、経済発展云々ではなくインドに対する諸外国からの投資などのダメージを受けてしまったような気がするのだ。

そして「R」のロシア、「C」の中国は、この20年間国境を接する国々とのイザコザがあとを絶たず、現在はロシアがウクライナへ侵攻するのを阻止すべく、NATO軍がウクライナ国境に集結しさせ、東欧に米軍を派遣する、と米国・バイデン大統領は発表をするなど、緊張感が高まっていたが、今日になり、フランスの仲介でウクライナとロシアとの間で合意がなされるのでは?という、報道がある一方、米国が日本にLNGの一部を押収に融通してほしい、という打診があるなど、最悪の状況を回避するために少しづつ動き始めるが、欧州でのエネルギー不足回避のための動きがある、という状況に変わりつつあるようだ。
BBC News:ウクライナめぐりロ仏と米独、それぞれ首脳会談 パイプライン稼働への影響も
朝日新聞:欧州にLNGの一部を融通へ ウクライナ侵攻に備え

中国についは、国境を接する国々との間で「国境問題」というものを抱えている。
これまでは、インドと中国、ベトナムと中国という状況だったのが、今ではネパールにまで及んでいる。
BBC News:中国、国境を越えてネパールに侵入か ネパール政府報告書をBBCが入手

中国は領土侵略という問題だけではなく、香港や台湾に対しても自己都合の良い主張をし、何とか取り込もうとしている。
香港は、すでに取り込まれた状態だといってよいかもしれない。
それが顕著に表れたのが、現在行われている「冬季オリンピック北京大会」だろう。
オリンピックの開会式の各国の入場の時、中国国内において台湾の入場では習近平氏の顔写真が使われ、台湾が正式名称としている「ChineseTaiwan」と呼ぶことがなかったといわれている。
また、開会式で見られた少数民族の衣装を着た人たちは、いわゆる漢民族であり少数民族ではなかった、という指摘もされている。

かつて「BRICs」と呼ばれた国々は、ここ20年で欧米諸国の評価が随分変わってしまった気がしている。
経済発展という点では、中国はトップクラスの成長を見せたが、その裏側では「新疆ウイグル自治区」や「チベット問題」に象徴されるような「人権問題」がクローズアップされて来ている。
何より、周辺諸国を取り込み、中国という「帝国」をつくりたいという、20世紀前半のような思想の中で強権を振るい、押さえつけようとしている感がある。
それは、ロシアも同じなのかもしれない。

様々な情報が国境を越え行きかう時代になっても、「帝国主義」的な思考から逃れられないというのは、人の性のようなものなのだろうか?
今回の「冬季オリンピック北京大会」では、ジョンレノンの「イマジン」が起用されたようだが、ジョンレノンが訴えた「イマジン」の考えとは大きくかけ離れているように思うのだ。