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東京オリンピックスポンサーは、当てが外れたのか?

2021-07-09 21:11:24 | ビジネス

日経新聞のWebサイトに、東京オリンピックのスポンサーは「無観客」となったことで、目算が外れたという記事があった。
日経新聞:五輪スポンサー、無観客で外れた目算

記事にある通り、有観客でオリンピックが開催されれば、スポンサーブース等を会場周辺に設置して、企業PRできた可能性は高い。
高いとは思うのだが、そのようなコトを考えていたスポンサーはどれくらいいたのだろう?という、疑問もある。
というのも、オリンピック開幕までの数年間、スポンサーとなった企業は、商品やサービスに五輪のシンボルマークをつけることができる。
それは、社員がつかう名刺から会社で使う封筒、シンボルマークのピンバッチの着用等から、テレビCMや聖火リレー等での伴走車両等々、社外的企業活動のあらゆるものに使うことができるのだ。

FIFAが主催するサッカーW杯の時も同じなのだが、スポンサー企業となれるのは、一業種1社と決まっている(はずだ)。
ライバル企業がどう頑張ろうとも、ライバル企業はオリンピックマークやシンボルマークを利用することはできないし、テレビ中継にCMなどを流すこともできない。
とすれば、スポンサー企業として、オリンピック開会期間中のスポンサーブース等の設置は設置費用や人件費などとの「対費用効果」は思ったほどではないのでは?と、考えるのだ。

まして、今回の様に「コロナ禍」での開催に関しては、賛否が分かれている。
「対費用効果」等を考えれば、むしろ有観客ではなく無観客になったことで、企業のイメージダウンをある程度抑えることができた、と考える方が自然のような気がするのだ。

むしろ、サッカーの試合や国際陸上等の映像を見ればわかるように、選手たちが活躍するフィールドや体育館等あらゆる場所に、スポンサー企業の名前の看板を見る事ができる。
テレビ等で放映される競技の背景に映り込むスポンサー企業の看板そのものも、企業側にとっては「効果的な広告」と言える。
会場での観戦ができなくなった人達の多くは、テレビ観戦になるだろう。
とすれば、否応なしにスポンサー企業の名前の看板を目にすることになるのだ。
しかも、観客がいないために観客席を写す訳にもいかない。
「このコロナ禍の中で、企業の広告看板等けしからん!」という方もいらっしゃると思うのだが、それはスポンサー契約を締結した時点で、決まったことであり企業に責任はない。

他にも、国内外の報道関係者が集まる「プレス会場」等では、スポンサー企業が提供する様々なモノが自由に使えるはずだ。
逆に考えれば、会場に企業ブースを出すよりも、国内外の報道関係者が集まる場所で、最新鋭機種となるモノを利用してもらったり、飲食のサービスを提供したほうが、スポンサー企業側にとっては「国際的な企業PR」ができる、と考えたほうが良いのではないだろうか?

オリンピックのような国際的なイベントでのスポンサーメリット、という視点で考えるとき、その多くはそのイベントが始まる前に、数字に表れない利益を含め、大部分は回収済みとなっているのではないだろうか?