今朝の新聞の1面は、先週末から降り続く雨によって起きた熱海で発生した土石流被害と都議選の二つが紙面の中心だった。
熱海で起きた土石流災害は、数多くの人命が関わる問題なので、1面で扱いも大きいのは当然だろう。
主要幹線道路や鉄道にもその影響は大きく、物流等に与える大きいはずだ。
そしておもうひとつの「東京都議選」の選挙結果に関しては、「名古屋にも関係あるのかな?」という疑問と、影響力の強さを感じた。
特に今回は、延期となった「東京オリンピック・パラリンピック」の開催を直前に控え、「新型コロナ」の収束どころか拡大や変異株の出現により、多くの人たちは開催に関して懸念や疑問を持っている。
そのような状況の中で行われた「都議選」ということを考えれば、大なり小なり東京都民以外にも影響を及ぼすであろう、という気はする。
そのような気はするのだが、「都議」と言われる人たちも知らないし、その人達がどのような活動をしてきたのか?ということも知らない。
分かっているのは、今朝の新聞にあった「自公、過半数に届かず」ということだけだ。
この選挙結果が、9月以降にあるのでは?と言われている「衆議院選挙」にどのような影響を及ぼすのか?という、一つの目安の様に言われているのだが、どれだけ影響があるのだろう?
まず衆議院選を含む国政選挙には、「都民ファースト」という政党はない。
代わりにあるのはどのような政党なのか?と、聞かれても思い浮かぶ政党はない。
地方議員選挙や首長選挙等でありがちなのが、「国政とは関係のない相乗り候補」という存在だ。
流石に、自民党と共産党の相乗り候補というのは、いまだかつてないと思うのだが、共産党以外の政党の「相乗り」は、当たり前のようになっている。
そこには、諸外国のような「大きな政府vs小さな政府」のような、政治について鮮明な違いが無い、ということでもある。
だからこそ、「どの政党は、どんな考えを持っているのか?」ということが、見えにくく、国会議事場では「与党の意見に何でも反対野党」などと揶揄されるのではないだろうか?
今回の選挙結果から見えてくるのは、「候補者全員が当選した公明党」の支持基盤である創価学会の力と、創価学会の力を借りなくては都議会の運営ができなくなっている自民党、という結果だ。
と言っても、この結果は選挙前からわかっていたコトだろうし、特段驚く事でもない。
逆に言えば、自民党支持の減少が鮮明になった、ということだろう。
何故なら、今回の投票率は50%を僅かに超えるくらいだったからだ。
支持基盤がしっかりしている「公明党」にとっては、投票率が低ければ低いほど候補者の当選は確実になる。
それに対して、都議選における自民党の支持母体というのは、どこなのか?都民以外には分からない(と思われる)。
投票率の世代別の分析等が分かれば、その投票行動等も分かってくるとは思うのだが、これまでの選挙の世代別の投票率等を考えれば、20代~30代場合によっては40代の投票率が低かったのでは?と、考える事はできる。
東京都全体で考えれば、他の都市よりも20代~40代の人口は多いだろうし、この世代が選挙に関心が無ければ、投票率は下がるだろうし、50%をわずかに超えたという理由もわかるだろう。
都議選の選挙結果が、どれほど国政選挙に影響を与えるのか?という点は分からない。
分からないが、ここ10年近くの自民党政権に対して、疑問を感じている人たちが少なからずいる、ということは想像できる。
とすれば、この疑問を感じている人たちを如何に選挙に行ってもらうのか?ということが、重要だろうし、流石に国政選挙の投票率が50%程度ということになれば、たとえ当選を果たしても、選挙民の半分は支持をしていない、ということになる。
日本の政治家は、「当選すれば我が世の春」のような態度を示す方が多いように感じているが、投票率が低いということは、それだけ政治が信頼をされていない、と考えるべきではないだろうか?
都議会選は、特定の政党一人勝ちにならなかったようだ。
もし、国政選挙に影響を与えるとすれば、この「特定政党の一人勝ち」をさせない、ということかもしれない。