日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

バブル経済崩壊の最終後始末? 東京一等地の空きビル

2021-03-22 22:35:34 | ビジネス

Yahoo!のトピックスを見ていたら、東京の超が付くほどの一等地にある商業ビルがガラ空きとなっている、という記事があった。
ITmediaビジネス:超一等地の商業ビルがガラ空き!銀座、渋谷、新宿、秋葉原でじわじわ進む経済の”破壊”

実は、ここ10年ほど東京に出かけることが無く、今はこのような状況なのか?と、少し驚いた。
確かに銀座にあった松坂屋百貨店の跡地にできた「銀座シックス」は、オープン当初話題になったはずだが、その後あまり話題になることもなく、今年に入ってから(だったと思う)テナントを大幅に入れ替えるというニュースがあったばかりだ。
オープン当初話題になったのは、いわゆる「インバウンド向け商業施設」のような位置づけでの紹介と共に、中国からの観光客の団体が、バスからぞろぞろ降りて建物に入っていくという映像だったような気がする。

それが「新型コロナ」の世界的流行により、アジア特に中国からの団体客がほとんどいなくなってしまった、ということが要因の一つと言われている。
そのアジアからの観光客の激減は、銀座だけではなく東京の「超」が付く一等地に建つ商業ビル全体に、影響を及ぼしているということらしい。

このような状況を知ると「バブル経済」が崩壊し手から約30年、日本の小売業は何をしてきたのか?という気がしてくるのだ。
その中心にあったはずの百貨店は、「場貸業」とすら言われるようになり、本業であるはずの「(日本人顧客を相手にした)小売り」には、さほど力を入れてこなかったのでは?という気がしてならない。
それは、複数のテナントが入っている「商業ビル」も同じだったのかもしれない。
日本人顧客よりも、短時間でお金を落とすいわゆる「爆買い」の観光客のほうが、お店だけではなくテナントに貸すビル側にとっても、メリットが大きかったのだと思う。

そう考えてみると、「超」が付くほどの一等地の商業ビルのガラ空きというのは「バブル経済崩壊」の最終なのでは?という、気がしてくる。
「バブル経済崩壊」により、銀行をはじめとする金融機関の再編が起こり、そのほかの業界でも再編のような動きがあった。
その中でも、商業ビルのテナントとして数多く入っていたアパレル産業に関しては、年々厳しい状況となっていた。
その結果として商業ビルの空きが増えるだけではなく、「丸井」のような商業施設でも同様のコトが起き始めている、と考えるほうが自然なのかもしれない。

もう一つ考えられるのが、「ガラ空き」となった商業ビルをどうしていくのか?という点だ。
流石に「銀座シックス」のような、新しくまさに銀座の顔となるような場所のビルを、簡単に壊す訳にはいかないと思うが、ある程度老朽化しているビルを中心に、都市計画の見直しと再構築というプランが起きてくるのでは?という気がしている。
いわゆる箱物をつくるコトによって、経済を復活させるという方法は、いかがなモノ?!という疑問はあるのだが、これまでの価値観が大きく変ろうとしている時だからこそ、今ではなく未来の「人と自然が調和するような都市づくり」という視点での、動きが起きてくる可能性もあり、それが約30年間引きずってきた「バブル経済崩壊後」の終焉となる可能性も含んでいるような気がしている。