時折チェックする「和楽」のWEBサイトに、「文化の違いなのかな?」と感じる記事があった。
和楽web:もちもちサクサクの食感にフランスが驚いた!日本の食パンブームがパリに到来!
おそらく私たち日本人がイメージしている「フランス人が食べるパン」は、クロワッサンかバゲットだと思っていると思う。
記事を読むと確かに、フランス人は「バゲット=パン」という認識をしているようだ。
そのような「食文化」を持つフランスで、日本の「高級食パン」と呼んでもよさそうな「食パン」が人気になっている、ということらしい。
私たち日本人が、「食パン」に親しむようになったのは、第2次世界大戦後GHQの政策により、当時余り気味だった米国産小麦の消費を目的として、学校給食で「パン」が提供されるようになった、と言われている。
おそらくこの時は「コッペパン」や「食パン」が出されるようになり、日本の家庭にも「パン食」が定着したのでは?と、推測している。
そしてここ3,4年ほど前から「高級食パン」と呼ばれる1斤1000円近くする食パンが、人気になりつつある。
そして今パリで人気になっている「食パン」は、このような「高級食パン」のようだ。
その「高級食パン」という食文化が、フランスで受け入れられているということが、なんとなく面白いと感じるのだ。
そう考えていくと、日本が展開してきている「クールジャパン」は、とても狭い日本文化を指しているのでは?ということに気づく。
内閣府:クールジャパン戦略について
内閣府が考えている「クールジャパン戦略」を見ていて、某広告代理店が制作したのでは?という感じがありありとすることに「何だかな~」という印象を受けるのだが、「クール=カッコイイ」という言葉に引っ張られ、とても狭い考えや発想で「日本の魅力」をとらえているのでは?という、気がしてくるのだ。
「クール=カッコイイ」というのは、あくまでも個人一人ひとりが感じる主観的なコトであって、「これがカッコイイ」と言い切れるものでは無い。
むしろ「高級食パン」がパリで人気になりつつあるとすれば、それは日本人が求めた「こんな食パンが食べてみたい」という思いが、パリの人達に受け入れられたということなのではないだろうか?
海外の人たちに受け入れられるカッコよさというモノは、案外身近でごくごく普通の感覚の中に潜んでいるのではないだろうか?
それを大上段に構え「これがカッコイイんだ!」と、決めつけた時からそれは「カッコ悪い」ものになってしまうような気がする。
決めつけるのではなく「今の日本ではこんなものが注目されていますよ、若者たちはこんな音楽を聴いていますよ」という紹介をすることが「クールジャパン」のような気がするのだ。