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ノーベル賞と京都賞

2020-10-12 23:33:51 | 徒然

今日発表された「経済部門」で、ノーベルウィークは終了ということになる。
今年は、「新型コロナ」の影響で、例年通りの受賞セレモニーは、中止となってしまった。

ただ毎年「ノーベルウィーク」が始まると、思うことがある。
それは世界的に「ノーベル賞の前哨戦」とも呼ばれている、「京都賞」に対する日本での注目が低いことだ。
稲盛財団:京都賞

「京都賞」というのは、京セラの稲盛さんが私財を投じてつくられた稲盛財団が運営し、「科学や技術、思想・芸術」の3つの分野に大きく貢献した方々に贈られる日本発の国際的賞で、海外からは注目されている賞でもある。
実際、「科学や技術」で「京都賞」を受賞した方々の中には、受賞後「ノーベル賞」を受賞された方々も少なくない。
日本人ノーベル賞受賞者でいうなら、「iPS細胞」の山中伸弥さんや「青色LED」の赤崎勇さんなどが、「ノーベル賞」を受賞される前に「京都賞」を受賞されている。

確かに「京都賞」そのものが、稲盛財団という個人財団による国際賞という点で、注目しにくいのかもしれないのだが、海外では高い評価を受けている賞なのだ。
それだけではなく、「京都賞」の受賞式典などでは京都在住の大学生たちをボランティアとして募集し、大学生たちにその運営の一端を任せている。
もちろん、授賞式などを運営・管理するのは稲盛財団であることには変わりないのだが、大学生たちが世界のトップレベルの研究者と直接会い・話をする機会を与えている、という点では知的好奇心を刺激させることになるのでは?と、感じている。
このような機会に恵まれた大学生たちが、次ぎの世代のイノベーションを生み出す切っ掛けとなるかもしれないからだ。

もちろん「京都賞」だけではなく、全世界には様々な国際賞がある。
数学の分野であれば「フィールズ賞」という、数学という分野における「ノーベル賞」とも言われる賞もある。
「フィールズ賞」は、40歳以下という若い数学者を対象であるということや、4年に1回しか受賞選考が行われないということもあり、日本人受賞者が中々でないという状況になっている。
他にも文学であれば「ブッカー賞」や村上春樹さんが受賞された「カタルーニャ賞」や「エルサレム賞」等がある。

毎年「ノーベルウィーク」が始まると、日本のメディアは「今年は日本人受賞者が何人出るのか?」と話題にするが、日本発の「京都賞」のような様々な国際賞にも注目して欲しいし、注目することで若い研究者たちの刺激を与えるような報道をして欲しいと思うのだ。