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過敏な社会は、豊かな社会なのか?

2018-10-10 11:54:07 | ライフスタイル

News Weekの日本版に、「訴訟社会らしい米国だな~」という記事が掲載されていた。
News Week日本:トランプ時代のアメリカでは、炭酸飲料の香料まで訴訟の標的に

このような米国で起きる食品をめぐる訴訟については、「え!それって違うんじゃない???」と思うような内容まである。
有名なところでは、マクドナルド・コーヒー事件だろう(ウィキペディア参照)
「持ち帰りのコーヒーの温度が高かっために、やけどをした」ということが、争点になった事件だ。
この時日本では、「そんなコトで、訴訟になるのか?」ということでも話題になったが、「やけどをしたのは、自分の過失だったのでは?」という、指摘もされた。

今回問題となっている炭酸飲料水の香料だが、元々自然界にある香を基に、科学的につくられたもののようだ。
科学的につくられた香だから問題になったのか?と言えば、そうではなく、その香料がゴキブリなどの殺虫剤にも使われている、というのが問題になっているようだ。
「ゴキブリ駆除の殺虫剤に使われる香料=人体に影響を及ぼす」という発想そのものに、驚かされるのだがここまでではないにしても、案外似たようなことは起きているのでは?という、気がしたのだ。
なぜなら「人類VSゴキブリ」の対決は、科学が発展する前からの戦いで、当然だがゴキブリが嫌う香料や食材を置くなどして駆除をしてきた歴史があるからだ。(身近なところでは「ゴキブリ団子(あるいは「ホウ酸団子」)だろうか?)

様々な製品を購入するとき、パッケージの裏側に記載されている「成分表示」をどれだけチェックしているのだろうか?
「食品添加物が入っている製品は、極力排除したい」という方は、案外多いかもしれない。
確かに「オーガニック」とか「無添加」と言う言葉が表示してあると、なんとなく安心する。
大豆製品などで「遺伝子組換えでない」と表示されているものと、無いものでは、「遺伝子組換えでない」と表示されている方を買ってしまう・・・そんな方は、多いと思うし、私自身そのような商品を選ぶ傾向があるのは事実だ。
では、その食品添加物の何が問題なのか?という点まで、理解をしている人はどれだけいらっしゃるのだろう?
逆に食品添加物の問題を、拡大解釈をして化粧品などへの添加に対しても過剰に反応している、ということはないだろうか?

というのも随分前に、ある美容オイルの商品レビューに「食品添加してはいけない成分が、入っている」という感想が、ネットの口コミサイトにあったからだ。
美容オイルの使用には、「口に入れてはいけない」という文言があり、間違って口に入れてしまった場合の処置も明記されている。
にもかかわらず「食品添加をしていない成分が入っているので、商品として問題である」という指摘は、どこか理解が違っているのでは?という、気がしたのだ。
なぜなら、使用目的が全く違うからだ。
紹介をした炭酸飲料水の香料にしても「人にとっては心地よい香りが、ゴキブリが嫌う香りであった」ということなだけで、その理解をする前に過剰な反応をしている、としか思えないのだ。

「添加物=悪」というイメージを持っている人は、少なからずいらっしゃる。
それは添加物だけではなく、私たちが生活をしている自然環境の中でも様々な菌やバクテリアがいて、徹底的に除菌をしないと安心できないという方もいる。
しかし、そのような生活は、豊かな生活と言えるのだろうか?
正しい情報を持たず、ある部分だけにフォーカスして排除をする社会というのは、息苦しいだけの社会なのではないだろうか?