日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

視点を変えると、ビジネスチャンスは広がる

2018-04-03 20:01:30 | ビジネス

Yahoo!のトピックスを見ながら、「なるほど、そういう発想があったのか!」と感じる記事があった。
Yahoo!ニュース:日本の漁網技術が、メジャーリーグのファンを守る

昨日、メジャーへ移籍した大谷選手の活躍で、日本のメジャーリーグファンのシーズンが開幕したのでは?という、気がしていた。
野球に限らずどのようなスポーツでも、海外で活躍する選手の姿を見ることは、心躍ることだ。
そんな大谷選手の活躍の影で、日本の漁網技術が評価されているというのは、別の意味でまた嬉しくなることだと思う。

先日、日本の漁業従事者が減り続けているという、ニュースがあった。
漁業に限らず、第一次産業への従事者は、徐々に減っていく傾向があるのは、ご存じの通りだ。
農業などは、各地で様々な就農支援策を打ち出し、Uターン、Iターンを支援しているようだが、なかなか定着まで難しい、という報道は度々目にする。
漁業のように、設備投資も多く体力的にも厳しい第一次産業となると、就労者が減ってしまうのはある意味仕方の無いことかもしれない。
まして、これまで獲ってきた魚の一部に漁獲量の制限がされるなど、漁業を取り巻く環境はますます厳しいものになりつつあるのではないだろうか。

当然、漁業そのものが厳しい状況になれば漁網そのものの需要も減っていただろう。
そこへメジャーリーグ球場側から「防御ネット」としての利用という、新しい需要が起きたというのは、意外な印象があるが「ネット」という括りで考えた時には、そのような需要もあるかもしれない、ということに気づく。

ビジネスを展開する場合、自社の製品は「何を提供しているのか?」ということを、考え抜く必要がある。
「漁網ネット」=「漁業」という考えだけでは、このような発想は生まれてはこない。
「ネット=(モノを)捕まえる」という、発想が必要になってくる。
今回は提供する側(漁網ネット製造側)ではなく、メジャーリーグ球場側がこのような需要の掘り起こしをしたのだが、つくる側だけが需要の掘り起こしをするわけではない、という点も重要である、ということにも気づかされる。

それは「何を使えば、快適で安心できる野球観戦ができるのか?」という、メジャーリーグ球場側の「お客様に野球を楽しんでもらうには?」という、顧客の視点に立った発想があったからだろう。
この発想が無ければ、「防御ネット」ではなく金属製の「防御柵」が、設置されていたかもしれない。
金属製の「防御柵」ということになれば、野球観戦に来た野球ファンが十分に楽しめない状況になっていたかもしれない。

「視点を変える」ということは、「顧客価値をどう考えているのか?」ということにも繋がっているのかもしれない。