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「3年働く=キャリア」は、幻想になった?!

2018-04-02 19:45:04 | ライフスタイル

今日「入社式」が行われた企業は、多かっただろう。
今年の新入社員たちは、一体どのような思いをもって仕事を始めるのだろうか?と、興味がわいてくる。
しかし、最近では入社直後から「自分には合わない」と、早々に退職をしてしまう新入社員が多いという。
だからだろう、Yahoo!のトピックスには「最低3年?とらわれず最適解を」という、見出しの記事が取り上げられていた。
Yahoo!「文春オンライン」:初出社して、就職先が「ブラック企業」だと気付いたあなたへ 
「ブラック企業」であれば、3年と言わず体(や精神)を壊す前にサッサと辞めてしまったほうが良い。
ブラック企業よりも、辞める新人社員の人生のほうが、はるかに大切で長いからだ。

この見出しを見て、フッと気になったのだが、今の若い人たちにとって3年という年数は、どのようなイメージなのか?ということだ。
そもそも「3年」という年数は、いつ頃から言われ始めたのだろうか?

私事で申しわけないが、社会人になった30年以上前は「どんなに辛くても、3年同じところで働け」と、言われた。
理由は「3年間仕事が続かない=どんな職場に行っても長続きはしない」と、言われていたからだ。
実際転職をしようとしても、3年間勤めた実績が無いと、相手にされなかった。
「3年」というのは、社会人としての最低のキャリア年数という認識が社会全体にあったように思う。
転職をするにしても、仕事を辞めてから転職の準備をするもの、という不文律が社会にあった。
今では信じられないかもしれないが、昭和という時代はそんな時代だったのだ。
あくまでも想像だが「3年」という年数が出てきたのは、「石の上にも三年」ということわざからなのでは?という気がしている。

その一方で、昭和という時代は「年功序列」で、企業が定年退職の日まで社員を辞めさせるようなことは、ほとんどなかった。
一旦就職できれば安泰。定年退職まで転職などをせず、勤め上げるのが当たり前、と思われていた時代でもあった。
だからこそ、就職先の人気企業の多くが、銀行や東証一部上場の企業だったのだ。

そのような「企業と社員の暗黙の了解」が崩れたのは、やはりバブル崩壊の頃からだろう。
「リストラ」という名の、解雇が堂々と行われるようになったからだ。
と同時に「ブラック企業」の素地が生まれたのも、このころからだったのかもしれない。
「仕事があるだけ、ありがたいと思え」というような考えをする、企業が生まれたという意味だ。
このような考えが企業側が持つようになると、人を使い捨ての駒のように考えるようにもなってしまう。

自分の体と心が壊れるなら、サッサと辞めてしまえばよいと思う。
ただ、一つ考えてほしいことがある。
その企業から「何を学んだのか?」ということだ。
「ブラック企業から学ぶことは無い」と思うかもしれないが、「ブラック企業」だからこそマネージメントや何がブラック企業化させているのか?という問題点があると思う。
その問題点を自分なりに分析をし、新しいチャレンジをして欲しいと願っている。