米国の大統領選を占う「TV討論会」が、開かれた。
「TV討論会」で、世論を味方につけたと言われるのは、ケネディー大統領だった。
その時負けたのは、その後大統領になるニクソン氏である。
確かに、「見た目」ではニクソン氏よりもケネディー氏のほうが、良い印象を受ける。
明るさや若さなど、テレビを通してPRする材料が多かったのは、おそらくケネディー氏だっただろう。
以来、米国大統領選挙において「TV討論会」というのは、選挙戦を占ううえでの重要な要素となってきている。
この「TV討論会」での支持率が、予備選以上の意味を持つと考えられるからだ。
ウォールストリートジャーナルでは、さっそくこの「TV討論」のついての寸評を掲載している。
ウォールストリートジャーナル:米大統領選TV討論、際立つ両者の強み
このTV討論の内容は、記事に任せるとして個人的に目を引いたのは、両者のファッションの違いだった。
ヒラリーさんは、真っ赤なパンツスーツというスタイル。
一方、トランプさんは紺系のスーツに、青いネクタイ。
トランプさんのファッションが、スーツを基本として限られるのは、ある意味仕方のない部分だが、青いネクタイをしている、というところがポイントなのだと思う。
これまでトランプさんは、「歯に衣着せぬ発言」で人気を博してきた部分がある。
支持層の不満を代弁している、という点での人気があった。
これまでのトランプさんであれば、おそらく「赤系のネクタイ」を選んでいたのでは?と、思っている。
それが「青いネクタイ」を選んでいることを考えると、これまでの「暴言・放言を自重せねば!」と、思ったのでは?という気がしている。
「青(系)」の色は、「誠実・冷静」をイメージさせる色だからだ。
これまでの数々の「暴言・放言」を慎み、「大統領候補らしく振舞う演出」という、意識のほうが強かったように思えるのだ。
一方、ヒラリーさんは女性ということもあり、ファッションの選択肢は多い。
その中で、パンツスーツを選んだことは、「行動力」ということをアピールしたかったのだろう。
というのも、この「TV討論会」前の「9.11追悼式」では、肺炎のため欠席をしている。
このコトで、一気に「健康不安」ということがささやかれたからだ。
「私は、元気です!」というアピールのためにも、「行動的な印象」を与える必要があったはずだ。
そしてトランプさんと対照的な「赤」という色を選んだことも、「行動力」や「実行力」というアピールにつながっているはずだ。
その意識が顕著に表れたのが、「私は、大統領になるために準備をしてきた」という言葉だったのでは?
どうやら、今回はヒラリーさんのほうが一枚上手だったような気がする。