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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「お正月広告」から見えること

2015-01-03 20:07:34 | マーケティング

お正月広告というのは、普段広告を出さない企業が比較的大きな広告を打つ機会だ。
かつては、「お正月CM」と言われるCMもあった。
有名なところでは、富士フィルムの「お正月を写そう!」やハウスのククレカレー「おせちもいいけど、カレーもね!」だと思う。
いずれも、長い間使われたキャッチコピーで、お正月のテレビ番組の一つの風物詩となっていたようなところもあった。
それが、新聞広告となると、上述した通り普段広告を出さない企業が比較的大きな広告を打つ。
特に、出版社の広告はその出版社のカラーというか強みのようなところが、はっきりと出る。

その中で目を引いたのが「集英社」かもしれない。
大ヒット漫画「ワンピース」を全面に出した広告。
この「ワンピース」と昨年大ヒットした「妖怪ウォッチ」に関しては、「今」という時代の変化を感じさせる部分が多く、後日改めて拙ブログでUpできれば、と考えている。

そしてもう一つ目を引くのが、資生堂の広告だ。
これまで資生堂の広告というのは、その年を象徴するような女優さんやタレントさんを起用してきた。
数年前だったと思うのだが、1度だけ自社製品を銀座の街並みに見立てた広告を出したことがあったが、その年以外は資生堂がその年一番力を入れたい商品に関連した女優さんやタレントさんを起用していた。
当然のことながら、起用される女優さんやタレントさんは日本人だった。
それが今年は、レディー・ガガを起用している。
ご存じの方も多いと思うのだが、レディー・ガガは自分自身をプロデュースする力のある女性だ。
と同時に、「激太り」といわれる姿をライブで見せることも平気だ。
その時々の「素の自分」を隠すことなく、表現者として見せている。
そんなレディー・ガガを起用した理由を考えると、資生堂の戦略のようなものが見えてくる。

一つは、「海外」だろう。
資生堂のみならず、日本の化粧品は中国を中心にアジアで大人気になっている。
その筆頭と言えるのが、資生堂だろう。
しかし、資生堂は「ジャパン・ビューティー」とか「アジアン・ビューティー」という、地域的グローバルビューティーを目指しているのではなく、「世界の女性たちを美しく」という、考えを基に動き始めたのでは?という気がしている。
その象徴として、世界的に人気がありある意味「時代のファッション・アイコン」であるレディー・ガガを起用したのだと思う。

もう一つは、「飾らない自分・飾る自分、私らしさ」という女性へのメッセージだと思う。
上述した通り、レディー・ガガの行動というのは、やや破天荒(?)なところがある。
当然、批判的なことも言われ、メディアに書かれたりするのだが、そんなことは意に介さないのもレディー・ガガの魅力だろう。
そんなレディー・ガガが、スッピン(?)で登場している。
派手な衣装やメイクのレディー・ガガもスッピンのレディー・ガガも、「私である」ということには変わりないでしょ、という微笑がそれを表しているように感じる。
さまざまな女性のライフスタイルがある今だからこそ、メディアや社会の雰囲気に惑わされることなく「自分らしく、私らしく」を大切に・・・というのが、女性を美しくしてきた資生堂のメッセージなのではないだろうか?