日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「GDPショック」は、そんなにショックなことだろうか?

2014-11-17 20:06:47 | ビジネス

 今日発表された、「GDP」がマイナス成長の見通しと言うことで、市場関係者にはショックが広がっているそうだ。

日経新聞:誤算のマイナス成長 弱い消費 V字回復逃す

 市場関係者や政府にとっては、ショックなコトだったのかも知れないが、生活者側からすると「そんなにショックなコトだったのか?!」と、逆に驚いているのではないだろうか?

 先日、主婦の会話として知人と「家計が大変」という話をしていた。
 私の様に家族と同居をしていない場合は、「価格と買い物へのアクセスの便利の良さのバランス」と考える。しかし、家計を預かる主婦の場合、優先されるのはやはり「価格」。高級食材を扱うスーパーよりもディスカウント系や業者向けスーパーを利用し、家計をやりくりしている、と言う話だった。もちろん、主婦と言っても年代や家族構成によっても、生活志向は随分違うのだが、「成長期のお子さん」がいらっしゃる主婦は、価格が重視されるという。
 そして、「消費税が10%になったら、今以上に生活が厳しくなるな~。1万円の買い物をしたら千円の消費税が付くんだものね。千円あれば、買えるものがあるのにね。本当に、生活費にかかる税金を考え直して欲しいわ!景気が良いのは大企業(ちなみに彼女のご主人は、その大企業にお勤めをされている)くらいで、庶民には関係無いアベノミクスだわ!」という話をしていたからだ。

 この夏メディアなどが「夏のボーナス額が前年より上回った」というニュースを発信していた。その「前年より上回った」という調査対象企業は、いわゆる「大手」。その「大手」にお勤めのご主人がいても、生活をすると言う視点では、「アベノミクスなど実感できない家計状況」であった、と言うことだと思う。当然「大手」以外の企業に勤めていれば、「アベノミクスの恩恵」などに預かること無く、円高によって仕入れ資材が高騰し、ガソリンの高値安定(秋になってから、やや下がりはじめた感はあるが)、光熱費などの相次ぐ値上げ・・・。実は、生活をするために必要なお金は、アベノミクスによって恩恵どころか、出費が増えるばかりだったのだ。

 にも関わらず、「アベノミクスの経済効果」の評価が、高かったのか?と言うと、おそらく株価だとか輸出関連企業による円高差益などによって生まれた「増収」にばかりが注目されていたからではないだろうか?
 実際日々の生活をしている側としては、「アベノミクスの恩恵って何?」というくらいでしか、感じていなかっただろうし、上述した様な主婦の会話が、おそらく全国至る所でされていたのではないだろうか?

 以前から指摘をさせて頂いていたと思うのだが、「アベノミクス」も「日銀の政策」も、大企業にとってはそれなりの恩恵がある政策だったかも知れないが、「日々の生活」と言う視点では、メリットも何も感じるコトが無い政策だったのではないだろうか?だからこそ、「アベノミクス効果」を謳っていたメディアや関係者にとって、「GDPのマイナス成長」はショックな出来事で、「アベノミクス効果」を実感できなかった人達にとっては「ショック!」と報じられるコトこそ驚きなのだと思う。