日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マイルド・ヤンキーとLINEに繋がれる若者、どちらが自由なのか?

2014-09-25 12:08:28 | 徒然

年ほど前だったと思うのだが、「マイルドヤンキー」についてエントリをした。
切っ掛けとなったのは、「ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体」という本だった。
この本を読んである種の違和感があり、モヤモヤしていたのだが、最近その「正体」が判ったような気がした。

その「モヤモヤ」というのが、LINEだったのだ。
おそらくスマートホンを使っている若者で、LINEをしていない若者はいないだろう。
わずか2年で3億人が使う様になった、アプリだ。
通信会社を問わずに「無料で使える通信ツール」として、人気を得るようになったことはご存じの通りだ。
それが最近、「LINEいじめ」などの、ネガティブな面がクローズアップされる様になってきた。
顕著な例としてあげられるのが「LINEの返事が遅い」という理由で、友達から仲間はずれにされる、と言う「いじめ」だ。

しかし考えて見れば、「四六時中誰かと繋がっている生活」と言うのは、しんどい。
自分1人になる時間も大切だし、LINEとつながる必要のない家族と過ごす時間も楽しいはずだ。
その時間を犠牲(!)にしてまで、LINEでつながる必要があるのだろうか?
もう一つが、SNSと言うつながりだ。
これは、様々なトコロで問題視されているが、一旦個人の情報が拡散されるとネット上に永久にその足跡が残ってしまう。

LINEは、現実に顔を合わせている知人かも知れないが、果たして「友人・仲間」なのだろうか?
少なくとも「仲間」というのは、自分の都合を押しつけ、気に入った反応が無ければ機嫌を悪くし仲間はずれの様なコトをする、と言う関係ではないと思う。
まして、SNSでつながっている相手(=フォロワー)というのは、「仲間」とか「友人」と言い切れないのでは?
「フォロワーが多い=友人が多い」という訳ではないはずだ。
見も知らぬ相手がフォロワーとしているコトは「(ネット上の)人気者」というコトは言えるかも知れないが、それが現実の人間関係に及ぼす影響というのは、どれほどあるのだろう?
むしろネットの強みというのは「拡散性」であって、個人同士のつながりではないと思う。

そう考えると、LINEやSNSを「使いこなせていない」と言われる「マイルド・ヤンキー」は、「使いこなす必要がない」のかも知れない。
それだけではなく、「マイルド・ヤンキー」と呼ばれる若者達のほうが、遙かに現実の世界で友人たちと楽しく過ごしているのではないだろうか?

決して「マイルド・ヤンキー」を褒めている訳ではない。
ただLINEやSNSを使いこなしている若者達のほうが、LINEやSNSに縛られ「奴隷」となってしまっているのでは?
もう一つ指摘をさせてもらうなら、「プライバシーの保護・個人情報の管理」など厳し規制がされる一方で、LINEやSNSを利用するコトで、自ら個人情報を開示し、それを勝手に利用されている、と言う現実も理解する必要があると思う。