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出世と学力の関係

2014-09-09 22:00:13 | ビジネス

The Huffingtonpostに興味深い記事があった。
学力と出世についてのレポートだ。
The Huffingtonpost:ハーバド大学75年の研究が明かす!将来性のある男性の特徴

「学力と出世」というと、下世話な感じがするのだがこのレポートを読む限りでは、いくら優秀な大学を卒業しても、出世できる訳では無い、と言うことのようだ。
レポートを読むと、納得できることばかり。
いくら優秀な有名大学の出身者であっても、「コミュニケーション力」がなければ仕事はできないだろう。
昨今の「成果主義」という考えからすると、意に反している様にも思えるが、実は「成果を上げる為」には「チームとして成果を上げる必要」がある。
個人プレーだけで「成果が上がる」ほど、世間は甘くない。

一方、先日小学6年の女子児童が「中学受験で眠れない。疲れた」という内容の遺書を残して自殺する、と言う事件があった。
「中学受験」や「お受験(=小学校受験)」が、都市部では当たり前のように言われ、多くの児童が受験をする。
まだまだ小学生では、「何故受験をするのか?」という意味もハッキリ見いだせないまま、周囲の雰囲気に流され「何が何でも受験をし、合格しなくては!」と思い込み、自分を追い込んでしまったのか?と言う気がし、悲しいと言うよりも切なさを感じる事件だった。

おそらく「中学受験」を勧める理由は、「将来、高校受験や大学受験で苦労しない」という思いがあるからだろう。
まして有名大学の付属中学となれば、親御さんからすればその思いはより強くなるのかも知れない。
もちろん目指すはその先、「社会に出たとき、様々な面で優位」だと考えるからだろう。
確かに、日本だけでは無く海外の超が付く程の有名大学になると、学生時代のネットワークだけでもビジネスに優位となることは多いと思う。
事実日本の企業には、「学閥」というモノが存在している(今もあると思う)。

しかし、ハーバード大学が75年もの歳月を費やした研究では、決してそうではない、と言う内容のレポートになっている。
偏差値の高い大学出身者とそうではない大学出身者とでは、就職時の優位さはあってもその後の出世は違う、と言うことのようだ。
このレポートだけでは無く、実は以前読んだ「女性の管理職登用ができる人物ほど、上級管理者になっている」というレポートを読んだことがある。
今回の安倍内閣のように「女性を登用すれば良い」というのでは無く、「登用する人の能力を最大限に引き出す」という男女と言う問題ではなく、個人の力を見極める力がある人物が上級管理者になっている、と言う内容だった。

ハーバードのレポートの様に、「学力=出世」ではない。
教育は大切だが、「学力テスト」という一つの物差しで図ることへの警告だと思う。

それにしても、75年という時間を掛けてこの様な調査をするハーバード大学は、凄いな~と思う。