日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

仕組みを変える時が来た?

2012-10-21 19:05:34 | アラカルト
「iPS細胞移植」の虚偽騒動は、落ち着きそうな雰囲気になってきた。
この事件で「大学研究」という、閉ざされた世界の問題も浮き彫りになったような気がした。

渦中の人物の経歴もどうやら眉唾モノだったようだが、それを信用してしまった大きな理由は、「国内外の有名大学の名前」と言うコトもあったのではないだろうか?
言い換えれば「大学のブランドバリュー」が、嘘を信用してしまった、と言うコトだ。

その様な状況を懸念するように、先日山中教授は「有力な先生に師事しているから、などの理由で評価されたり、昔の実績で永久的な評価を受け続けるコトには、疑問がある。評価に対する仕組みを変えるべき」という趣旨の考えを話している。
この内容は、研究者同士の話だけでは無く社会もその様に見て欲しい、と言うお気持ちがあってのことだろう。

この山中教授のお話を知った時、大学側も積極的に情報を発信し、大学の研究に広く興味を持って貰う必要性があるのでは?と思ったのだ。
今回の事件では、渦中の人物が新聞各社に情報を流し、記事になった。
もし大学側が積極的に、研究成果をHPなどで発表していたなら、この様なコトもおきにくかったのではないだろうか?

HPのような、全世界に情報を発信するコトで、研究の進捗状況が判ってしまうと言うデメリットはあるが、ゴール地点が見えてきた情報の発信であれば、そのデメリットのいくらかは解消されると思う。
それだけでは無く「産学協同」というカタチでの、協力体制もしやすくなるのではないだろうか?
今の「産学協同」の場合、大学側がパートナーとなる企業探しを一生懸命しているのでは?と感じるケースも多々あり、研究に費やす時間と能力のロスを産んでいる様に思えてくるのだ。
難しいのであれば、文科省と経産省が一緒になって、大学での研究と企業の共同研究を後押しするような、情報交換の場を作るコトはできないのだろうか?
その中には研究に参加できなくても、中小企業などが得意とする技術を活かして、研究器具の製作という、基礎研究のサポート事業というコトも考えられると思う。
ひとつひとつは小さなトコロであっても、それらをネットワーク化すれば大企業にも負けない、特化した組織ができると思うだ。

基礎研究の中心は大学、その応用研究は企業、それらをネットワーク化した特徴有る中小企業が支える、と言う「オールジャパン」の発想で世界をリードする位の考えを持って、大学側も積極的に情報を発信し、省庁の枠を超えて国が後押しをするようなシステム作りの必要性な時代になってきているように感じるのだ。