日々是マーケティング

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いびつな日本のペット事情

2012-01-20 18:03:23 | ライフスタイル
需要と供給があるコトで、「市場」が成り立つ・・・というコトは、ビジネスパーソンでなくても、知っていることだと思う。
しかし、それだけでは本来成り立たないという市場がある。
「ペット市場」と呼ばれるモノだ。

今朝FMラジオを聞き流していた時、この「ペット市場」についての話題があった。
もともとの話題というのは、「動物愛護のための法律」について。
ペットを飼っていらっしゃる方はご存知だと思うが、ペットの飼育には「動物愛護管理法」の基に行われなくてはならない。
その改定が先ごろ決まった、という話題だったのだ。
しかし、話をよくよく聞くと「いびつな日本のペット事情」というモノが、背景にあるように思えてきたのだ。

「保健所に持ち込まれるペットたち」というと、どんなペットたちを思い浮かべるだろうか。
おそらく多くの方は、飼い主に捨てられた「元ペット」たちの姿なのではないだろうか?
ところが、このような「元ペット」だけでなく、「ペットショップで売れ残った動物たち」も数多く持ち込まれている、という現実があるようだ。
それだけではなく、生後まもなく親から引き離された子犬や子猫は、免疫力なども弱いため輸送途中で、死んでしまうケースも多いという。

その背景にあるのは、「生後間もない子犬や子猫のほうが、人気が高く売りやすい」というコトがある。
確かに、目も開かない頃の子犬や子猫の姿というのは、無条件的に「可愛らしい」と感じる部分がある。
それに比べ、生後数ヶ月ぐらい経過すると「可愛らしい」コトには変わりないのだが、「無条件に可愛い」というよりも、子犬や子猫一頭づつの個性が少しづつ現れはじめた可愛らしさだと思う。
ところが、その頃を過ぎてしまうとなかなか買い手がいない、というのが日本のペット事情のようなのだ。

日本で買われているペットの犬や猫の数は、新生児よりも多いといわれて久しい気がする。
それだけ多くのペットたちが、人と一緒に生活をしているのだが、こと「ペットを購入する」というコトになると、ペットのコトよりも、見た目の可愛らしさなど「飼い主優先」の商取引が当たり前のように行われているのではないだろうか?
「ペットを飼う」以前に考えなくてはいけない問題が、日本のペット産業にはある、というコトなのだ。

ちなみに、イギリスでは「動物の売買」そのものを禁止しているという。