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トヨタが仕掛ける「エコカープロジェクト」

2010-12-19 20:24:00 | ビジネス
ポータルサイトYahooのトップページに、イロイロな企業の広告が登場する。
その中で、「おや?」と思った広告がある。
トヨタの「みんなのエコカー会議」と言う広告だ。

エコカーと言うと真っ先に思い浮かぶのは、いわゆる「ハイブリッド車」ではないだろうか?
そして「ハイブリッド車=トヨタ・プリウス」と言うイメージが強い。
ハイブリッド車の後発となったホンダの「インサイト」に比べると、やはり売れ行きなどでは群を抜いている。

もう一つのエコカーとなると、この冬から盛んにテレビCMを展開しはじめた、三菱自動車の「i-MiVE」という、電気自動車ではないだろうか?
こちらは、既に一部官公庁などでリースとして使われ、この冬から本格的に一般販売をされるようになった。
前後して、日産自動車も電気自動車「リーフ」を、日本発売に先駆け米国で販売をはじめた。

三菱の「i-MiVE」のテレビCMを見ていると、「電気自動車のある暮らし」が何となく分るようになっている。
と言うのも、自宅の土間が駐車スペースになっているからだ。
自宅に土間のあるようなご家庭は、田舎に行かなくては無理だと思うのだが、「排気ガスを出さないクルマは、生活スペースとの距離感を短くする」と言うコトをさり気なく伝えている。

もちろん電気自動車(EV車)の開発は、何も大手クルマメーカーだけが取り組んでいるわけではない。
産学協同での開発や、中小企業がそれぞれの得意分野の技術を持ち寄り、大手メーカーとは違う「クルマ創り」に取り組んでいるといわれている。
イマイチ影が薄い感がある水素自動車は、マツダ・フォードが中心となって開発を進めているようだ。

とすれば、大手・産学協同ベンチャーを含め、日本のクルマ産業は大きな転換期に来ているのではないだろうか?
だからこそ、トヨタは「みんなのエコカー会議」と言う、プロジェクトを立ち上げたのではないだろうか?
「エコカー=ハイブリッド車という時代ではない」という、一種の危機感をトヨタがもっているのでは?と、この広告を見たときに感じたのだ。