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アートは、街と経済活性化させるか?

2010-08-21 21:40:26 | アラカルト
今日から名古屋で「あいちトリレンナーレ」と言う芸術祭が始まった。
全国的な知名度は、どの程度なのか分らない。
ただ、このような芸術祭が全国各地で開催されるようになってきている。

一番有名だと思われるのは、新潟の妻有地域で開催される「大地の芸術祭」と、直島の「瀬戸内国際芸術祭」だろ。

この二つの芸術祭は、大きな違いがある。
それは、企業との関係だ。
妻有で開催されている「大地の芸術祭」は、新潟県中越地域と言う豪雪地帯でコレといった産業がある地域ではない。
いわゆる「過疎の村」が集まっている地域だ。
展示と言っても、地域の里山に点在するように展示されている。
運営の主役は、地域住民と芸術祭をサポートするボランティアたちだ。

一方、直島は「ベネッセ」が運営している美術館を中心に、構成された美術祭だ。
もちろん、運営にはボランティアの力が大きいのだが、ベネッセと言う大きなサポートに地域が加わっている、と言う感じだ。
どちらの芸術祭も、日本国内の評価よりも海外での評価が高いと言う点では、共通している。
結果、海外からわざわざこの芸術祭を観るために、来日をする人たちもいるようだ。

言い換えれば、このような「芸術祭は、地域と経済の活性化させる要素が高い」とも言えるのだ。
と言う訳でもないとは思うのだが、ここ2,3年で地域全体を会場とした芸術祭を開催する、都市が増えてきている。
その一つが今回の「あいちトリエンナーレ」と言うコトになる。

バブルの頃、地域の活性化目的で大規模な「博覧会」が開催された。
残念ながら、総ての「博覧会」が大成功だったわけではない。
むしろ「名前倒れ」で終わってしまった「博覧会」もあったはずだ。
一時の経済効果は見込めても、継続的な地域振興や経済の活性化には結びつかないのだ。

ベネチアビエンナーレや欧米の美術館などは、重要な観光資源となっている。
それが妻有や直島の芸術祭の成功で、継続的な芸術祭の開催が地域振興や経済の活性化になると思い、安直(と言っては失礼だが)な芸術祭が増えてきているとすれば、果たして「芸術」と言う文化にとって良いコトなのか?と、考えてしまうのだ。