日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

行政の仕事とは?

2010-08-19 20:42:05 | ビジネス
お盆休みに限らず、実家に帰る度に感じることがある。
それは「行政と民力の関係」だ。

何となくなのだが、「公共行事があれば、土木・建設関係の仕事が増え、地域が活性化する」と言う、思い込みと言うか?「昭和の景気対策の成功体験」を引きずっているような気がするのだ。
それだけではなく、「景気対策は、行政がするもの」言う感じで、生活者自身が地域経済に参加する、と言う意識が低いような気がするのだ。
「お上のやることには、間違いがない」と言う意識が強いと言うべきなのか?

ただ、そのような発想で日本各地には、膨大な税金を投入し高速道路が造られてきた。
新幹線や「無策の象徴」と指摘される空港にしても、同様の傾向がある。
「高速道路があれば。新幹線が通れば。空港を造れば、地方は活性化する」と言う、根拠のない(?)確信のような論がまかり通ってきた。

しかし、それでは「地方が活性化するどころか、疲弊するだけ」と言われはじめてきた。
大切なコトは、「高速道路や新幹線、空港ではなく、地域を活性化させるために、整えたインフラをどう使うのか?」と言う点だろう。

そんなコトを考えていたら、夕方のテレビ番組で興味深い農場が紹介されていた。
南知多にある「ホリステックファーム」と言う、ハーブ農場だった。
HPを見ても分るのだが、日本と言うよりも南フランス・プロバンスを思い起こさせるような風景に、西洋野菜やハーブを栽培している農場なのだが、雑草などを取ることもなく「自然のまま」で栽培をし、地力を高めながら農薬などを使わないハーブ農場として、注目されていると言う。

ここで注目したいのは、この農場を作りはじめたご夫婦の強い思いは、地域住民を動かし、有名なシェフまでを虜にし、農場近くにある温泉施設をも巻き込んで、一つの「リゾート医療施設」を造りたいという大きな動きとなっている。
私が注目したのは、この様な動きの中心となっているのは、農場のオーナーご夫婦や地域住民、周囲にある温泉施設のオーナーさんたちだ。
皆さんの夢である「リゾート医療施設」を実現化させるために、行政が後押しをしはじめているのだ。

地域経済の活性化のアイディアや活動の中心は、あくまでも地域の人たちであって「お上が何とかしてくれる」と言う、受動的な発想はまったくない。
これからの「行政と民力の関係」は、このようなカタチなのではないだろうか?