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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大丈夫かな?国語教育

2025-04-18 12:46:31 | 徒然

朝日新聞のWebサイトを見ていたら、将来の日本が心配になってしまった。
朝日新聞: 「羅生門」騒動が背景に?「現代の国語」教科書に想定外の小説 

私が高校生だった半世紀近く前と違い、今は「現代の国語=論文や企画書、法令文を対象に理解」、「言語文化・体系古典文法=古典から近代までの小説など全般を網羅」ということになっているらしい。
その論文や法令文を理解する為の「現代の国語」で、何故か小説を取り上げる教科書が増えているという。

長い間、国語の教科書は、「現代国語」と呼ばれる近現代の小説や岩波新書などに掲載されている論文などを中心に、教材として取り上げられてきた。
その定番の一つが「羅生門」だったような気がする。
もちろん、夏目漱石や森鴎外、小泉八雲などが取り上げられたりしていたという気がする。

その一方「古典」では、「源氏物語」や「枕草子」、「徒然草」、「平家物語」「土佐日記」のような物語から現代のエッセイに近い作品、口伝の物語や日記文学という、古典という範疇であっても幅広い内容を網羅していたと思う。
もちろん、これらの作品を全て学ぶには時間が足りないので、一部抜粋ということになるのだが、これらの作品を読み解くための文法や、現代語訳となることばの意味の変遷なども一緒に学んだはずだ。

確かに、相当盛沢山な内容ではあるのだが、「国語」そのものは日本で生活をする為の基礎となるものなので、日ごろ日本語を使っていれば使えるようになる、というモノではないのだ。
それが先日エントリした「シン読解力」に結び付く「日本語理解」ともいえるのでは?と、考えている。

そして今回問題なのでは?と感じた大きな理由は「論文や法令文、企画書を読み、理解する」という目的の中に、小説を取り上げ、そこからコピー文や企画書を作る、ということになっているからだ。
仕事上、コピー文だけではなくキャプションと呼ばれる説明文、社内向けの通達文はもちろん報道向けの文なども随分書いてきた。
だからこそ言えるのだが、小説を読んでコピー文はまず書けないと思う。
何故なら、小説はその作品そのもので完結している世界観があり、そこには他者が立ち入る隙は無いからだ。
そこに、作者以外の人がコピー文を作る、というのは、その作者に対する冒とくなのでは?

もう一つ感じることは、その授業を指導する教師に「コピー文が書けるのか?」という、疑問だ。
あくまでも私の場合だが、コピー文を書く為には企画書を読み込み、「誰に・どうやって・端的な言葉で伝えるのか?」ということを、考える必要がある。
「誰に」というのは、顧客像が分からなくては使う言葉のイメージできない。
「どうやって」は、使う媒体によってビジュアル部分を含め考える必要がある。
「端的な言葉」となると、キャッチコピーのように少ない言葉で、企画意図やビジュアル表現を伝える言葉探し、ということになる。
なにより、「企画意図」がしっかり読み込まれていなくては、コピー文の言葉すら思い浮かばないのだ。
そのような経験がおそらく皆無であろう、国語教師が生徒に対して「コピー文を書け」と言えるのだろうか?

実は知人から、先日高校の古典の授業で使っている教科書の一部を見せてもらう機会があった。
その時の感想は「これで、古典が嫌いにならなければ良いのだが・・・」という、懸念だった。
「古典を学ぶ意義」が、全く伝わってこないのだ。
「古典を学ぶ」ということは、日本の文化の発展過程を言葉を通して学び、日本語としてのアイデンティティを持つ、ということだと考えていたのだが、どうやらそのような趣旨ではなさそうなのだ。
それは英国の上流階級の子弟が学ぶ学校で、ラテン語教育をしっかり行う、ということと同じなのではないだろうか?

このような「国語」を知ると、日本と日本語の将来が心配になってしまう。






洋の東西を問わず、「経済力と社会的地位を持つと、色を好む」ということか

2025-04-17 21:38:33 | 徒然

Huffpostを見ていたら、男性は権力や社会的地位を得ると「色を好む」のかな?と、感じる記事があった。
Huffpost:イーロン・マスク、Xで自分のこどもを産む女性を探していたか。「軍団」を作ろうとしていると関係者がWSJに証言 

記事にある通り、マスク氏は既に4人の女性との間に14人のこどもがいる、と言われている。
この人数は、「分かっているだけで」という注釈が付いているので、実際にはもっと多くの女性との間にお子さんがいらっしゃる可能性はある。
そして何故、複数の女性と関係し、子どもまで出産させているのか?
「ハーレム」をつくりたいのか?と、思ってしまうほどだが、この行動から「家庭をつくりたい」という願望がある訳ではなさそうだ。

何となくだが、「自分の持っている(優秀な)遺伝子を多く残したい」という、思いで複数の女性と関係を持ち、子どもまで作っているのでは?という、気がしてくる。
考えてみれば、「英雄、色を好む」という言葉がある。
マスク氏が「英雄」かどうかは別にして、少なくとも経済力があり、社会的地位も高い。
上昇志向の強い女性なら「トロフィー・ハズバンド」のような存在になれる、人物だろう。
そのようなコトを目的に、関係を持ちたがる女性は一定数いることは承知しているが、このような行動をする男性は洋の東西を問わずいる様だ。

その一例が、フジテレビ問題の発端となった、ダウンタウンの松本人志さん、中居正広さんであったり、昨日謝罪会見を行ったとんねるずの石橋貴明さんもそうだろう。
この方々は、タレントとして世間の注目を浴び続ける立場にあった為、このような性暴力の問題が起きるとマスコミの恰好の話題となる。

だが、彼らだけが同様の行動をするのか?と考えると、決してそうではないと思う。
社会的に地位の有る男性が、性犯罪を起こしたニュースは高い頻度で報じられているからだ。

そのような行動をする男性は、「男尊女卑」という潜在意識はもちろん、「相手を屈服させる」という点では、マスク氏も似たような感性を持っているのかもしれない。
「屈服させる」為に必要なモノ・コトと言えば、社会的権力と財力だ。
社会的地位があり、経済力も十分にある、だからこそ「人を自分の思うがままにしたい」という、欲求が出てくるのかもしれない。
それが、フジテレビ問題の本質部分であり、古い社会的価値観の中で、認められてきてしまったのだろう。

そう考えると、マスク氏の「軍団」をつくるという発想は、「自分の(優秀な)遺伝子を数多く残したい」というのは建て前で、本音は「(容姿と知性に)優れた女性を屈服させたい」ということのような気がする。
そしてそのような女性は、マスク氏の期待には答えられず「トロフィー・ハズバンド」を求めるしたたかな女性が、そのような女性像を演じているのでは?という気がするのだ。






「万博」は隠れ蓑だったはずなのに・・・

2025-04-15 20:10:56 | 徒然

いくつかの新聞社のWebサイトを見ていて、驚いたことがある。
現在開催中の「大阪・関西万博」の会場側で、IR事業の為の着工工事の記事があったからだ。
朝日新聞:日本初のIR、万博会場の隣で24日から本体工事開始へ

ご存じの方も多いと思うのだが、現在「大阪・関西万博」が開催されている、夢洲については将来的にはIR事業の為に開発する、という目的があった。
言葉が悪いのだが、万博はこのIR事業を行うための下地づくりのようなモノだった。
個人的な印象としては、いきなりIR事業を行う為に、埋め立てをする、ということであれば膨大な予算が必要となるが、万博会場として埋め立てればその金額的負担は少なくなる、という目論みがあったのでは?ということなのだ。

「大阪・関西万博」と言えども、大阪だけでは埋め立て地の予算すら組めなかった、と思っている。
「万博」という国の事業として行えば、大阪として埋め立て工事などの予算は軽減される。
そんな考えがあったのでは?ということなのだ。
あくまでも、私の想像でしかないので、本当のところは分からないが、万博閉会後の跡地利用として当初からIR事業への転用が決まっていた事や大阪府(?)が前のめりで動いてきたことを考えると、案外当たっているのでは?という、気がしているし、同様のことを感じていた方も少なくないだろう。

だが、このような本体工事そのものは万博閉会後に始めるのでは?と、思っていた。
何故なら、万博開催趣旨とIR事業目的が、相容れられないと考えていたからだ。
他にも、1970年の大阪万博や20年前の愛・地球博などは、万博閉会後に「公園整備」が始まったからだ。
少なくとも、「会期中は万博を楽しんでもらおう!」という、考えが運営側にあったはずだ。
愛・地球博の場合、閉会後数年の時間をかけ公園整備をする過程で、スタジオジブリとの提携契約にこぎつけ、その後数年をかけ「ジブリパーク」としてオープンしている。
そのように、ある程度時間と周辺住民の理解を得ながら、公園整備が進められてきた、というのがこれまでの万博閉幕後の動きだった(ように考えていた)。

ところが、今回は開幕直後から会場跡地の整備をするかのような本体工事を始める。
建て前としての「万博開催」などは、既に関係が無いかのようだ。
なぜ会期中に、それほど急いで本体工事を始めなくてはならないのだろう?
2030年という年数を区切っているからなのだろうか?
それくらいしか、理由が思い浮かばないのだ。

だが、現在万博会場で噴出している様々な問題を、まず解決する方が先なのでは?
何故なら、IR事業の本体工事が始まったとしても、現在万博会場で起きているメタンガスや硫化水素が発生する問題は、その土地の根本的な問題であり、IR事業云々よりも前に解決しなくてはならない重大な問題だからだ。
それが、分かっているのだろうか?

アルファベットで「IR事業」と書くことで、公認カジノなどの賭博(あえて「賭博」と表現させていただいた)などができる施設である、ということも隠せる。
「本音=IR事業、建前=万博」という、隠しながらの工事をやめてしまったコトに、IR事業関係者の焦りのようなモノがあるのかもしれない。


いよいよ始まった「大阪・関西万博」

2025-04-13 20:49:38 | 徒然

確か先週に、「トライアル」的に一般入場者を入れ、観客動線や緊急対応のテストなどを行った「大阪・関西万博」。
この「大阪・関西万博」については、誘致の頃から様々な意見があり、決して歓迎ムードでの決定ではなかったような記憶がある。
実は、私も「何をいまさら万博開催?」と、疑問を呈していた。
何故なら、「東京オリンピック2020」からの「大阪万博」という流れは、1960年代、日本が高度成長期だった頃の「夢をもう一度」的な気がしたからだ。

確かに1964年に開催された東京オリンピックは、東京の街を一変させた。
一気に「日本のモータリゼーション」が革命的に起きたのでは?というくらい、東京の街の道は拡幅・舗装、自動車専用道路と立体化されたからだ。
それだけではなく、東京の中心地には高層ビル計画が次々とされるようになり、現在の東京の礎のような街が形成されることになったからだ。

当然、それだけの都市と交通の大改革が起きたのだから、日本経済はそれらの事業によって大きく発展した。
その勢いを関西にもたらしたのが1970年の大阪万博だったのだ。
開催地として選ばれたのは、当時大規模住宅地開発が計画されていた「千里地区」。
私が小学生だった頃は「千里ニュータウン」と呼ばれ、東京の「高島平団地」に続く、都市型の大規模住宅地のお手本として、習った気がする。
これらの団地やニュータウン計画は、その後の地方都市でも起こり、名古屋近郊であれば春日井市の「高蔵寺ニュータウン」がある。

大阪の梅田や難波といった地域からは、少し離れた場所ではあったが、新幹線駅の為に造られた新大阪駅などへのアクセスを考え、公共交通毛が整備されたような印象がある。
それは万博の為、というよりも住宅地開発という目的が大きかったのかもしれない。

そのような時代を経て、「当時の高度経済成長を再び」と夢見たスポーツイベントが「東京オリンピック2020」であり、今日開幕した「大阪・関西万博」なのでは?と感じていた。
残念ながら、これらのイベントが計画された時と、日本の高度成長期であった1950年代後半から1960年代とでは、全く経済状況も国際関係も全く違ってしまっている。
1964年当時の東京オリンピックや1970年の大阪万博の成功を描いても、それは無理な話なのだ。
にもかかわらず、突き進んでしまった。

既に開幕してしまった「大阪・関西万博」を今更やめろ!とは言えない。
しかし、1970年の大阪万博のような成功を夢見るのは、やめよう。
何故なら、既に様々な問題が起きているからだ。
昨年起きた爆発事故に引き続き先週は、同じ工区で高濃度のメタンガスの発生が判明した。
各国のパビリオンについても、当初参加を表明していた国のいくつかは辞退しているだけではなく、未だ建設途中という状態の所もある。
開幕初日から「待ち時間なし」を目的とした事前予約なども機能せず、会場内で現金が使えない、飲食の値段が高いなどなど、問題山積になってしまった。

今できることとすれば、経済効果を含めた成功ではなく「会期期間中、問題なく終わった」ということを目指す、ということだろう。


「科学の力」を単純に喜べない

2025-04-08 22:20:10 | 徒然

Yahoo!などのトピックスに、科学の力は凄いな~と、感じさせる記事があった。
Huffpost:1万年前に絶滅したダイアウルフの復活に成功したと米企業が発表「科学進歩の革命」 

この記事に関連する動画を見たのだが、力弱く鳴く赤ちゃんダイアウルフは、とても可愛かった。
おそらく、ほとんどうの動物の赤ちゃんと共通するような、可愛らしさだと思う。
ただ、この復活技術に対して、単純に喜べないのだ。

1万年前に絶滅した、ということが判明しているのは、1万年前の地層からこのオオカミの化石が発掘されたからだろう。
少なくとも現在に生きている私たちが、1万年前に絶滅した(であろう)オオカミの姿を見たことはないはずだ。
復活させたこのオオカミは、1万年前あたりの地層から発見された化石から、DNAを取り出し、ゲノム配列を突き止め、犬に代理出産させた、ということらしいので、復活と言ってもDNA配列上の復活ということになるのだろう。
もちろん、DNAそのものは、その動物の設計図なので、同一配列のDNAであれば、ほぼ間違いなくダイアウルフのDNAを持つオオカミ、ということになる。

確かに絶滅した動物を復活させる、ということは種の研究であったり、乱獲によってレッドデータリストに掲載されている動物を守る、という意味で大きな進歩だと思う。
思うのだが、今回の場合1万年前に絶滅したオオカミを復活させた、という点が気になるのだ。
あくまでも個人的な感じ方としてなのだが、「人が絶滅に追いやった動物」であれば、科学の力で復活させることにも、それなりの意味があると思う。
しかし、自然界の中で絶滅してしまった動物ということであれば、絶滅を迎えた時の自然環境に耐えられずに自然淘汰されたのでは?と、考えられるからだ。
それが「種の進化」にもつながるのでは?と言いうことでもある。

それだけではなく、DNAという「生物の設計図」を、人間がいじるということへの抵抗感だ。
あくまでもSFの世界で終わって欲しいと思うのだが、自分のDNAを保存させることで、遠い未来自分が復活できる、という不埒な事を考える輩も出るのでは?という不安だ。
テレビの映画番組で幾度となく放送された、アニメ・ルパン三世の「ルパンvs複製人間」の複製人間を、思い起させたからだ。

アニメ・ルパン三世の話はあくまでもSFの世界で、架空の世界の話だが、DNA(正しくはゲノム読解)が分かれば、1万年以上前の動物でも復活させられる、というのは人間の驕りのような気がする。
科学の力という点では、大きな進歩なのだと思う。
思うのだが、科学の力を使うのであれば、世界の紛争地域の原因の一つは、食糧難の解決などに使って欲しいと、願っている。










「統一教会解散」で、問題は終わらない

2025-03-25 18:02:11 | 徒然

今日、以前から言われていた宗教団体・旧統一教会に対して、解散命令が出された。
解散命令の理由は、高額献金の勧誘だ。
朝日新聞:旧統一教会の海産を決定 高額献金の勧誘をめぐり 東京地裁 

この宗教団体が、世間に知れ渡ったのは随分前のことだ。
日本の女性タレント数名が、韓国に渡り集団結婚式を挙げる、という話題が出た時だっただろうか?
今から30年以上も前のことだ。
この時既に「霊感商法」として、高額な壺などを売りつけるとして、社会的問題となっていたはずなのだが、問題になっても規制されることはなかった。

それが一気に動くことになったのは、やはり安倍元総理に対する襲撃事件が起きたからだろう。
亡くなられた安倍総理には申し訳ないのだが、この事件が起きなければ「自民党・統一教会・金の繋がり」ということが、明らかになることは無かったのでは?という、気がしている。

もちろん、宗教団体と政治の関係というのは、統一教会に限ったことではない。
創価学会と公明党の関係は、一心同体ということは広く知られているし、新興宗教の中には政界進出を目論んでいる団体は、今でもある。
しかし、統一教会と創価学会や政界進出を目論む宗教団体と大きく違うところは、信者に高額な献金をさせ、そのお金を使って既存政党である自民党に献金をすることで、政界での基盤作りをしてきた、という点だろう。
言い換えれば、宗教団体としての活動と政治との結びつきが、世間からわからない状態で政治的影響力を持つようになっていた、ということなのだ。

だからこそ、安倍元総理狙撃事件で犯人の青年が「統一教会によって経済的にも家族も破滅し、その張本人が安倍元総理だから、襲撃をした」という趣旨の、その動機を話した時の衝撃は大きかったのだ。
その後、次々と判明する自民党と統一教会との長期的で根深い関係に、驚いたのだ。
特に、安倍元総理の祖父である岸信介氏の頃から、統一教会と自民党は結びついていた、という事実が判明したことが「宗教と政治」という問題を改めてクローズアップさせると同時に、「政治と金」という問題もクローズアップされることになったように思っている。

というのも、今回の解散命令の理由となった「高額な献金」は、統一教会の本部である韓国と自民党に流れていたからだ。
しかも、本部のある韓国では「日本の信者=お金をくれる人たち」という認識を持っていた、という話があったり、自民党はそれを当然のこととして受け取り、党内でバラまき、選挙応援の時もボランティアとして人を使っていたのだ。
にもかかわらず、「似非宗教(と、あえて呼ばせていただく)」にハマった日本の人たちは、家庭が崩壊しても、生活が立ち行かなくなっても、お金を集め献金し、自民党を支え続けてきたのだ。
そこに「似非宗教」の怖さであり、「鰯の頭も信心から」という言葉の真意を改めて知る。

今回、解散命令が出たからと言って、この問題が全て解決したとは思えない。
何故なら、統一教会の前に「旧」という文字が付くことから、新しい名前で活動をしていることが分かるからだ。
名前が新しくなったからと言って、その本質となる考えが変わったわけではない。
とすれば、新しい名前の宗教団体も含めた解散命令でなくては、この問題は解決しないのではないだろうか?





大船渡の山火事から考える、来年のこと

2025-03-05 12:10:47 | 徒然

岩手県大船渡市で発生した山火事。
発生から1週間経過しても、鎮火できていない。
鎮火の期待は、今日関東から東北にかけ降っている(?)雨や雪に期待するしかない、という。
NHK NEWS:岩手 大船渡 山火事発生から1週間 鎮火のめど立たず 健康への影響懸念 

これで鎮火できれば良いのだが、これだけ広範囲となると、鎮火したように見えて、どこかでくすぶっている可能性がある。
まだまだ、予断を許さない状況になるだろう。

この山火事で思い出されるのが、今年米・カリフォルニア州のハリウッド近郊で発生した、大規模な山火事だ。
元々、雨がなかなか降らないと言われるカリフォルニア州の冬に起きたため、鎮火までに約1ヵ月を要している。
時事通信:米 LA山火事が鎮圧 29人死亡 1万6200棟超損壊 

大船渡での山火事の原因は、まだまだ不明な点が多いので何とも言えないのだが、海外で発生している山火事の中には、自然環境の変化によるものがある、という指摘もある。
例えば、2020年に発生したオーストラリアでの山火事だ。
この山火事もまた、鎮圧するまでに相当の時間を要した。
その原因として挙げられているのが、焚火の不始末などのような人的災害発生だけではなく、落雷による自然火災だ。
オーストラリアについては、コアラの主食(?)となるユーカリが、油性の成分を多く含んでいたため、燃え広がりやすく鎮圧までに時間がかかった、という。

落雷は自然発生するものだから仕方ない、とも言えるが、これほどの森林火災や山火事が起きる偶然性に、疑問を持つこともまた必要なのでは?という気がしている。
それは「自然環境の変化」だ。
何となくだが、今年カリフォルニア州で発生した山火事によって、煙とともに微細な灰が空気中に放出されているはずだ。
それが季節風などによって、遠くに運ばれ雪や雨となり降ってくる。
その微細な灰の中に有害な物質が含まれていれば、農作物だけではなく人にも被害を及ぼすかもしれない。
それは1シーズンの問題ではなく、長い時間をかけて起きてくる可能性の方が高い気がするのだ。

もっとわかりやすい例を挙げるのであれば、平成5年に起きた「冷夏による米不足」だ。
Diamond on-line:日本人が絶対忘れてはならない「平成の米騒動」とは

この時は、緊急米としてタイから輸入するなどしたのだが、タイ米が口に合わない、と政府に苦情が出たりしたので、覚えている方もいらっしゃると思う。
「米騒動」が起きる前の年の夏は、梅雨が明けても気持ちの良い夏晴れの日が極端に少なく、代わりに冷たい雨が降り続いた。
結果、お米の収穫量が激減し、その年の秋から翌年にかけ「米不足」が起きたのだ。

この前の年に起きた「冷夏」の要因として挙げられたのが、冷夏となった平成3年に起きたピナトゥボ火山の噴火によるもの、といわれている。
火山の噴火によって発生した大量の噴煙が長時間に渡り大気中にとどまり、ラニーニャ現象を引き起こすだけではなく、偏西風にのって長期的な雨と冷夏を引き起こした、という分析がされている。
このことから、世界各地で人的であろうと自然発生的であろうと、大規模な山火事は来年以降の天候に大きな影響を及ぼす可能性がある、ということなのだ。
「火山と山火事は違う」と言えば、確かにそうなのだが、1ヵ月近く燃え続ける山林が吐き出す煙も相当量であり、その中には上述した通り微細な灰がある、ということも知っておく必要があるのではないだろうか?



日本の司法を揺るがす出来事

2025-02-15 21:13:59 | 徒然

一昨日、検事総長が訴えられる、という報道があった。
多くのメディアは「袴田事件弁護団、名誉棄損で国を提訴」というような、見出しだったように思う。
この見出しを見ると、昨年無罪判決を受けた袴田さんが、長期にわたる収監により精神的苦痛だけではなく、その間の名誉を失ったことに対する国への提訴のように思える。
だがこの提訴は、袴田さんが無罪判決となった時、検事総長が発した言葉が「袴田さんに対する名誉棄損である」という、提訴だったのだ。
時事通信:検事総長談話は「名誉棄損」 袴田さん弁護団、提訴へ‐静岡 

おそらく、検察庁始まって以来の出来事なのでは?という、気がしている。
それにしても、何故検事総長という役に就きながら、このような談話を出してしまったのだろうか?
余りにも不用意というか、考え無しの談話のように思えるのだが、この検事総長、いわくつきの人物なのかもしれない。

というのも、昨年政界を揺るがせることとなった「政治家の裏金問題」。
覚えていらっしゃる方も多いと思う。
自民党の旧安倍派の国会議員やその会計担当者など65人が起訴されたが、昨年暮れ東京地検は全員不起訴という判断を下したのだった。
NHK:自民 旧安倍派の国会議員など65人を不起訴 東京地検特捜部 

旧安倍派という見出しになっているが、自民党の派閥全体に及ぶような事件であった、ということを考える必要があるだろう。
現在「弱小与党」と言われる、自民党だがこの事件が発覚した時は旧安倍派が政治の中心にいて、ある意味「好き勝手放題」だった、という印象があった。
そのような事に忖度した結果、不起訴となったのでは?ということまで、言われていたのだ。
この時の検事総長が、今回袴田さんの弁護団から「名誉棄損」を提訴された人物なのだ。

この二つの出来事は、それぞれ別のこととして考える必要があると思うのだが、一人の検事総長の時に、立て続けに国民から不信感を持たれる、ということは前代未聞のような気がする。
検察庁というところは、司法の中心だからだ。
あくまでも政治とは切り離されていなくてはいけないし、どのような立場であっても「公平性」ということが求められるからだ。
それだけではなく、戦後起きた「冤罪事件」に対しての責任を持つ必要もある。
その「冤罪事件」の一つが、「袴田事件」であり、本来であれば検察庁のトップである検事総長が、責任ある談話をする必要があったはずなのだ。
実際、過去の「冤罪事件」で被疑者が無罪となった時の検事総長の談話は「被疑者に対しての謝罪」が最初にあったように思う。

とすると、現在の検事総長は職務に沿った考えや力があるのか?という、疑問符を持たれるのは、当然かもしれない。
検事総長初の女性として、話題になった方だが、ネガティブな話題だけで終わってしまうとすれば、女性が司法機関で活躍する場を閉ざしてしまうような気がしてならない。

昨年の前期朝ドラ「寅に翼」にあやかったような、人事だったのかもしれないが、実話を基にしたとはいえドラマのようにはいかない、ということだろう。


次に狙うのは「ノーベル平和賞」なのか?‐トランプ大統領‐

2025-02-13 11:58:53 | 徒然

米国のトランプ大統領の動きが活発だ。
前回大統領になった時に表明した「アメリカン・ファースト」の考えは変わらず、国際開発庁(USAID)の閉鎖を表明したり、CIAの職員退職勧告をしたりと、かつてのような「世界のアメリカ」というよりも、国内に目を向けている、という印象があった。
Huffpost:USAID(米国際開発庁)とは?トランプ氏が閉鎖を計画。何が問題になっているのか?
WSJ:米CIA、全職員に早期退職を提案 

これらのニュースの中で特に驚いたのが、CIA職員に対する退職勧告のような提案だ。
CIAそのものの活動実態が公開されていない(と思う)ので、あくまでもイメージなのだが、いわゆる「国際的諜報活動」を主にになっている、という認識を持っていた。
それはグローバル社会になることで、その活動範囲が広がり国益につながる活動だと勝手に思っていたからだ。
今はその諜報活動も、インターネットのような情報収集と、相手国に対する情報ネットワークの破壊活動を探るようなものへと変わってきていたとしても、秘密裡に行われる活動なので、組織としては必要なのかな?と、漫然と思っていたからだ。
事実、昨年米国はロシア製のセキュリティーソフト・カペルスキーを使用禁止にし、中国発のSNSTikTokの使用も同様の措置を取っているはずだ(TikTokに関しては、欧州も同様の措置を取っている)。

安全保障という点でも大丈夫なのか?と思っていたら、トランプ大統領が新たな動きを見せている。
一つは、ガザ地区に関する開発計画だ。
もっとも、このトランプ大統領の発言に対して、周辺諸国は冷ややかなようだが・・・。
ARAB NEWS: トランプ大統領の圧力は、深刻な紛争に発展する可能性:アラブ連盟議長 

トランプ大統領は、このような反応は想像していなかったかもしれないが、この開発計画の前には「中東和平案」を発表していることを考えれば、「不動産王・トランプ」として何らかの考えがあったのかもしれない。
BBC News:トランプ氏、中東和平案を発表 パレスチナは反発 

とはいえ、昨日のウクライナ戦争の当事者であるロシアのプーチン氏との話し合いや今日(?)予定している、ウクライナのゼレンスキー氏との話し合いに積極的な態度には驚いた。
日経新聞:トランプ氏、戦争終結へ交渉開始 プーチンと合意 

確かに前任のバイデン氏はウクライナ戦争に対する態度は、いまいちわからないところがあった。
「武器は提供するけど、軍は投入しない。だからと言って戦争終結への動きは?」という、印象があったからだ。
それが、「アメリカン・ファースト」のトランプ大統領が、ウクライナ戦争終結へと動き出したのだ。

トランプ大統領は、議会の話を聞かない傾向がある様に感じているが、戦争終結ということになれば米国議会も賛同するだろう。
とすれば、トランプ大統領の狙いは何か?と、思わず下衆な考えを持ってしまうのだ。
考えられるのは、「ノーベル平和賞」だろう。
もちろん、ウクライナ戦争終結によって、欧州諸国に恩を売ることができるだろうし、停滞していたロシア産原油等の利権と影響力を与えられる、ということもあると思うのだが、それよりも「ノーベル賞受賞大統領」という名誉は、トランプ氏にとっておおきな箔付けとなるのでは?と、思ってしまうのだ。


日本が(良い意味で)注目される年になって欲しい

2024-12-31 21:30:59 | 徒然

今日でいよいよ今年も終わり。
昼間、熱田神宮で行われた「大祓」に行ってきた。
「大祓」は、知らない間についてしまった穢れを祓う、という意味の神事なのだが、1年を通して個人的にはいろいろなコトがありすぎた年だった。
そのようなコトもあり、熱田神宮での大祓に行ってきたのだった。

気分一新ということではないのだが、来年は良い年になって欲しいな~と思いながら、Huffpostを見ていたら、世界から日本が期待される年になるのかも?という、印象の記事があった。
Huffpost:ガザを「引き続き注視」の態度で良いのか ジェノサイド予防の研究者が考える「砦」の日本が目指す立ち位置 

実は、中東の国々にとって日本という国は、親しみのある国として挙げられる事が多い。
いくつかの理由が考えられるのだが、一つは「宗教的理由」が挙げられるだろう。
日本の場合一神教ではない為、宗教そのものに対して寛容と言われている。
確かに、お正月に神社に行き、お盆にはお寺、クリスマスには教会…と、宗教に縛られない生活をしている。
今日出かけた熱田神宮にも、イスラム教徒と思しき女性グループを見かけたが、行きかう人達は気にすることなく歩いていた。
そして驚くべきことに、熱田神宮に参拝するのではなく、境内にある大楠に向かってお祈りをしていたのだ。
だからと言って、誰一人咎める人はいないし、不思議な視線を浴びせる人もいなかった。
この大楠には、来年の干支である蛇がいる、と言われている。
流石に冬の寒さで姿を見せることはないが、春先になると蛇を見ることがある。
イスラム教徒である彼女たちが、大楠の蛇にお祈りをする理由は不明だが、「祈り」という視点で考えれば、寛容な文化を持っている国が日本であり、世界でもこのような文化を持っているのは、おそらく日本だけだろう。

もちろん、石油産出国にとって日本は大事な輸出国ということもあるだろうし、他の先進技術等に対しても興味があると思われる。
そこには、長いあいだ日本の商社マンをはじめとする日本企業のビジネスマンが、信頼関係を築いてきた。
欧米とは違うビジネス慣習によって、日本は中東諸国と良好な関係を築きあげた結果、今問題となっているパレスチナとイスラエル、および周辺諸国との関係修復に対する期待がされる、ということは随分前から言われてきたことだ。
そして再び、その期待が日本に向けられている、ということなのだと思う。

他に考えられることは、来年米国ではトランプ政権が復活する、という点もあるだろう。
以前からトランプ氏の考えの中心は「自国主義=アメリカ中心主義」と言われてきた。
既に「世界の警察ではない」ということであれば、武力以外の方法でガザの問題を解決していかなくてはならない。
現在欧州は、ウクライナ・ロシアという問題を抱えている。
日本も対中国や台湾という問題を抱えているが、対中国となると経済的な面で対米国ということも関係してくる。

これらのことから「ジェノサイド=集団的殺害」を止めることができるのが、日本なのでは?ということなのだろう。
「ジェノサイド」は、人的殺害だけではなく、人が守らなくてはならない固有の文化も含まれるようになってきた。
集団的殺害によって、殺害された側の人たちの文化が失われる、というだけではなく自国文化を捨てさせるような教育や制裁を行うことも、今では含まれるようになってきている。
だからこそ、日本文化が持つ「寛容さ」が注目されるようになるのでは?
そして、来年はそのような「国際社会の中での日本文化の寛容さ」が、世界に貢献できるようになって欲しいと願っている。

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