はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

身体[エンジン]

2005年11月22日 | からだ
図はハーレー・ダビッドソンOHVエンジン。「ナックルヘッド」というそうだ。

あるとき、「自分はもうこれ以上は生を楽しむことができないらしい」と気づいた。フルスロットルでも30㌔しかでない。だけどおかしい。もっとでるはずなのに。なあ、そうじゃないか?
そのときからようやく、身体と向き合うことを始めた。身体にはじめて話しかけてみた。
すると変化が起こった。エンジンは時間をかけて、解体され、掃除され、パーツを磨かれ、組み立てなおされていった。
その間、僕は待つしかない。エンジンを使えないから徒歩で歩くしかない。人々が60㌔で進むわきを、僕はそろそろと歩いてきた。なんとか生きのびる、それが僕のおもな仕事だ。エンジンは身体がかってにつくりなおしているようだ。エネルギーのほとんどをそのために使うので、僕は眠くてしかたがない。解体されるエンジン部品のさけびがきこえる。
長い時間を、待った。
そうやって組み立てなおされたエンジンは、しかし、動かなかった。動かないエンジンなんて意味がない。ドウスレバイイ?、と身体に聴くと、ウタイタイ、とこたえた気がした。
歌い方がわからないので歌を習うことにした。

いま、ようやくエンジンはゆっくりと回り始めたみたいだ。まだ試運転のようだが。
コメント (2)
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