恩師のご著書「講演集」より
講演、四
調和された心、安らぎの心は「光」である
先の続き・・・
三十過ぎの男の方ですが、たまたまご縁があって、
病院から私の所へこられた時は、お母さん弟さんなど、
三人ほど付き添って見えました。
一人では全く歩けないのです。
「あなたは車を当てた人をどう思っていますか」と聞きますと、
「あんな悪い奴はいません。わたしをえらい目に遭わせやがった」と言って、
恨んでいました。
そこで、「今日、その方を心から許させてもらいなさい。心の底から許させて
もらって下さい」と言いますと、「そんなもの許せますか。私の車が前を向いて
止まっている所へ、後ろから当てたのだから、あいつが全部悪い。
そんな者を許せません。
私が百パーセント悪くない」とおっしゃるのですね。
しかし、当てられるには当てられる原因があって、結果として当てられたのです。
それを、「私が一体どんな悪いことをしたというのですか」と、怒りを
向けてこられたのです。