恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第一章 或る愚か者の生涯
◆親孝行ができたと思うこと◆
先の続き・・・
我が如き 者の腹より よくぞこそ
尊き方と 母の言葉や
母はよく浄心庵に来られる方に対して、
「私のようなもんの腹からよくこんな尊い方が
生まれてくれはったこっちゃ」と話しておりましたが、
私は「それだけは言わんといてください。
それを聞いた人は親バカと思いますから」
と言ってお願いしたものです。
しかし、母は自分の腹を痛めた子でも
自分の所有物のようには考えていなかったのです。
子は神様からの授かりもと言われますが、
この言葉は子宝に恵まれることを祈り、
子が授かれば感謝する心を示しています。
ところが、とかく子を育てる苦労を経ながら、
私たち凡夫はいつしか本当の親バカになっていきがちです。
母言わる 我れ一人の 子にあらず
数多の子故 身を大切にせよ